令和7年-問46 記述式 民法
Lv4
問題 更新:2026-01-12 00:03:39
Aは、Bの所有する隣家の火災(以下「本件火災」という。本件火災は、AおよびBの故意・過失によるものではない)を見つけ、消防署に通報した。本件火災は、ボヤ(小火)であったので、これを消し止めることができると思い、Aは、Aの家に備え付けてあったA所有の消火器を用いて消火活動を開始した。この場合に、どのような法的根拠に基づき消火活動を継続しなければならないか。また、Aは、消火器を使ったため新たな消火器を購入する必要が生じたが、そのための費用を、どのような法的性質を有するものとしてBに対して償還を請求することができるか。民法の規定に照らして、40字程度で記述しなさい。
正解例 事務管理に基づき継続しなければならない。本人のために有益な費用として償還請求できる。(42字)
解説
義務なく他人のために事務の管理を始めた者(管理者)は、その事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法によって、その事務の管理(事務管理)をしなければならない(民法697条1項)。
事務管理とは、法律上の義務がないのにもかかわらず、他人のためにその事務を処理する行為をいう。
例えば、道路に倒れている人の病院への搬送や、隣家に届いた荷物の保管、本問のような隣家の火災の消化が挙げられる。
そして、管理者は、本人またはその相続人もしくは法定代理人が管理をすることができるに至るまで、事務管理を継続しなければならないが、事務管理の継続が本人の意思に反し、または本人に不利であることが明らかであるときは、この限りでない(民法700条)とされていることから、事務管理を始めたAは、Bが管理することができるに至るまで、消火活動を継続する義務が生ずる。
また、管理者は、本人のために有益な費用を支出したときは、本人に対し、その償還を請求することができるとし(民法702条1項)、ここでいう、有益な費用とは、支出した結果がBにとって利益として現存しているかどうかは問題とならず、消費した分を請求することができる。
したがって、Aは、消火活動のために消火器を使ったので新たな消火器を購入する費用をBに償還請求することができる。