令和7年-問41 多肢選択式 憲法
Lv3
問題 更新:2026-01-11 23:59:28
次の文章の空欄[ ア ]~[ エ ]にあてはまる語句を、枠内の選択肢(1~20)から選びなさい。
憲法13条は、人格的[ ア ]に関わる重要な権利として、自己の意思に反して[ イ ]を受けない自由を保障しているところ(最高裁令和2年(ク)第993号同5年10月25日大法廷決定・民集77巻7号1792頁参照)、不妊手術は、生殖能力の喪失という重大な結果をもたらす[ イ ]であるから、不妊手術を受けることを強制することは、上記自由に対する重大な制約にあたる。したがって、正当な理由に基づかずに不妊手術を受けることを強制することは、同条に反し許されないというべきである。
・・・(中略)・・・。
憲法13条は[ ウ ]と人格の尊重を宣言しているところ、〔不妊手術を強制する当時の優生保護法の〕本件規定の[ エ ]は、特定の障害等を有する者が不良であり、そのような者の出生を防止する必要があるとする点において、立法当時の社会状況をいかに勘案したとしても、正当とはいえないものであることが明らかであり、本件規定は、そのような[ エ ]の下で特定の個人に対して生殖能力の喪失という重大な犠牲を求める点において、[ ウ ]と人格の尊重の精神に著しく反するものといわざるを得ない。
(最大判令和6年7月3日民集78巻3号382頁)
- 利益
- 人権の不可侵
- 平等
- 提案理由
- 生存
- 自由の制約
- 国民の権利
- 生命への危害
- 正当化根拠
- 身体への侵襲
- 必要性および合理性
- 人格の自律
- 立法目的
- 自由
- 精神的苦痛
- 公共の福祉
- 立法目的達成手段
- 人格の否定
- 個人の尊厳
- 選択
- ア
-
- イ
-
- ウ
-
- エ
-
正解
- ア5
- イ10
- ウ19
- エ13
解説
ア:生存、イ:身体への侵襲、ウ:個人の尊厳、エ:立法目的
空欄に補充した文章は以下のとおり。
憲法13条は、人格的[ア:生存]に関わる重要な権利として、自己の意思に反して[イ:身体への侵襲]を受けない自由を保障しているところ(最高裁令和2年(ク)第993号同5年10月25日大法廷決定・民集77巻7号1792頁参照)、不妊手術は、生殖能力の喪失という重大な結果をもたらす[イ:身体への侵襲]であるから、不妊手術を受けることを強制することは、上記自由に対する重大な制約にあたる。したがって、正当な理由に基づかずに不妊手術を受けることを強制することは、同条に反し許されないというべきである。
・・・(中略)・・・。
憲法13条は[ウ:個人の尊厳]と人格の尊重を宣言しているところ、〔不妊手術を強制する当時の優生保護法の〕本件規定の[エ:立法目的]は、特定の障害等を有する者が不良であり、そのような者の出生を防止する必要があるとする点において、立法当時の社会状況をいかに勘案したとしても、正当とはいえないものであることが明らかであり、本件規定は、そのような[エ:立法目的]の下で特定の個人に対して生殖能力の喪失という重大な犠牲を求める点において、[ウ:個人の尊厳]と人格の尊重の精神に著しく反するものといわざるを得ない。
(最大判令和6年7月3日民集78巻3号382頁)
本問は、当時の優生保護法に基づく強制的な不妊手術の規定が、国民に憲法上保障されている権利を違法に侵害するものであったと判断したもので、憲法13条違反の認定においては次のように述べている。
「憲法13条が保障する人格的生存に関する権利として、自己の意思に反して身体への侵襲を受けない自由を含み、不妊手術のように生殖能力の喪失という重大な結果をもたらす行為を強制することは、この自由に対する重大な制約にあたる。」
旧法の立法目的は、「不良な遺伝形質を淘汰し優良な遺伝形質を保存する」という優生学的な見地に基づいており、特定の障害を持つ者を「不良」と評価し、その出生を防止しようとするもので、この目的自体が、個人の尊厳と人格の尊重の精神に著しく反するため、正当な理由に基づかない強制であり、憲法13条に違反するとされた。
憲法13条が保障する人格的生存に関して述べた判例として、最大決令和5年10月25日も重要である。
| 最大決令和5年10月25日 |
|---|
| 憲法13条は、「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由および幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」と規定しており、自己の意思に反して身体への侵襲を受けない自由が、人格的生存に関わる重要な権利として、憲法13条によって保障されている。 |