令和7年-問39 商法 会社法
Lv4
問題 更新:2026-01-12 01:32:14
監査役および監査役会に関する次の記述のうち、会社法の規定に照らし、誤っているものはどれか。
- 会計監査人設置会社(監査等委員会設置会社および指名委員会等設置会社を除く)は、監査役を置かなければならない。
- 監査役は、特別取締役による議決の定めがあるときを除き、取締役会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。
- 公開会社でない株式会社(監査役会設置会社および会計監査人設置会社を除く)は、その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨を定款で定めることができる。
- 監査役会設置会社においては、常勤の監査役は、監査役の中から株主総会の決議によって選任しなければならない。
- 取締役、会計参与、監査役または会計監査人が監査役の全員に対して監査役会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を監査役会へ報告することを要しない。
正解 4
解説
会計監査人設置会社(監査等委員会設置会社および指名委員会等設置会社を除く)は、監査役を置かなければならない。 1.正しい
会計監査人設置会社(監査等委員会設置会社および指名委員会等設置会社を除く)は、監査役を置かなければならない(会社法327条3項)。
上場企業等の財務諸表に対する監査証明を公認会計士または監査法人が行い、そのものの専任解任を監査役が関与するという旧制度の仕組みが現在の会社法に吸収された経緯がある。
監査役は、特別取締役による議決の定めがあるときを除き、取締役会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。 2.正しい
監査役は、取締役会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。ただし、監査役が2人以上ある場合において、特別取締役による議決の定めがあるときは、監査役の互選によって、監査役の中から取締役会に出席する監査役を定めることができる(会社法383条1項)。
公開会社でない株式会社(監査役会設置会社および会計監査人設置会社を除く)は、その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨を定款で定めることができる。 3.正しい
発行する株式の譲渡に制限を設け、会社の承認がなければ株主が自由に株式を売買できない株式会社を、公開会社でない株式会社(監査役会設置会社および会計監査人設置会社を除く)といい、一般的に非公開会社と呼ぶ。
そして非公開会社は、その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨を定款で定めることができる(会社法389条1項)。
原則的に取締役会設置会社では、監査役を設置しなければならないが、非公開会社では、監査役の監査内容を会計監査に限定することを定款で定めても良い。
これは、株主が限定的な非公開会社であれば、取締役会設置会社といえども厳格な規制を適用させるより定款自治を優先させようという会社法の趣旨である。
また置かれている監査役が会計監査に限定された監査役のみの株式会社は、会社法上「監査役設置会社」とみなされない。
監査役会設置会社においては、常勤の監査役は、監査役の中から株主総会の決議によって選任しなければならない。 4.誤り
常勤の監査役を「株主総会の決議によって選任しなければならない」とする記述は誤り。
監査役会は、監査役の中から常勤の監査役を選定しなければならない(会社法390条3項)。
監査役は、原則として株主総会の決議によって選任されるが、常勤の監査役を監査役の中から選定する権限は監査役会にある。
取締役、会計参与、監査役または会計監査人が監査役の全員に対して監査役会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を監査役会へ報告することを要しない。
5.正しい取締役、会計参与、監査役または会計監査人が監査役の全員に対して監査役会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を監査役会へ報告することを要しない(会社法395条)。
本来、監査役会に報告されるべき事項であっても、それを構成員である監査役の全員に対して個別に通知することで、改めて監査役会での報告手続きを省略できる規定である。