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令和7年-問32 民法 債権

Lv4

問題 更新:2026-01-12 01:18:37

AとBが、Cから連帯して400万円を借りている場合(AとBの負担部分は200万円ずつ)に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

  1. Aが、Cに400万円を弁済するのに先立ち、Bに事前の通知をすることを怠った場合において、すでに弁済により共同の免責を得ていたBがAに事後の通知をしていなかったときは、Aは、Bに対して自己の免責行為を有効であるとみなすことができる。
  2. Aが、Cに400万円を弁済するのに先立ち、Bに事前の通知をしないで弁済をし、共同の免責を得た場合において、Bは、Cに対して200万円の反対債権を有していたときは、自己の負担部分の200万円について、Aの求償に対して相殺をもって対抗できる。
  3. Aが、Cに対して400万円の反対債権を有する場合において、Aが相殺を援用したときは、Aの負担部分の200万円についてのみ、Bの利益のためにも、その効力を生ずる。
  4. Cが、Aに対して債務を免除した場合において、Aの負担部分の200万円の限度で、Bは、Cに対して債務の履行を拒むことができる。
  5. AのためにCの貸金債権の消滅時効が完成した場合において、BがCに400万円を弁済したときは、Bは、Aに求償権を行使することができない。
  解答&解説

正解 2

解説

Aが、Cに400万円を弁済するのに先立ち、Bに事前の通知をすることを怠った場合において、すでに弁済により共同の免責を得ていたBがAに事後の通知をしていなかったときは、Aは、Bに対して自己の免責行為を有効であるとみなすことができる。 1.妥当でない

Aは、Bに対して自己の免責行為を有効であるとみなすことはできない。

弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得た連帯債務者(B)が、他の連帯債務者(A)があることを知りながらその免責を得たことを他の連帯債務者(A)に通知することを怠ったため、他の連帯債務者(A)が善意で弁済その他自己の財産をもって免責を得るための行為をしたときは(400万円を弁済)、当該他の連帯債務者(A)は、その免責を得るための行為を有効であったものとみなすことができる(民法443条2項)。
しかし、連帯債務者の一人(A)が弁済その他の免責の行為(400万円を弁済)をするに先立ち他の連帯債務者(B)に対し事前の通知をすることを怠った場合は、既に弁済その他により共同の免責を得ていた他の連帯債務者(B)に対し、民法443条2項の規定により自己の免責行為を有効であるとみなすことはできない(最判昭和57年12月17日)。

Aが、Cに400万円を弁済するのに先立ち、Bに事前の通知をしないで弁済をし、共同の免責を得た場合において、Bは、Cに対して200万円の反対債権を有していたときは、自己の負担部分の200万円について、Aの求償に対して相殺をもって対抗できる。 2.妥当である

他の連帯債務者(B)があることを知りながら、連帯債務者の一人(A)が共同の免責を得ることを他の連帯債務者(B)に通知しないで弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得た場合(400万円を弁済)において、他の連帯債務者(B)は、債権者(C)に対抗することができる事由を有していたときは(200万円の反対債権がある)、その負担部分(200万円)について、その事由をもってその免責を得た連帯債務者(A)に対抗することができる(相殺することができる)(民法443条1項前段)。

Aが、Cに対して400万円の反対債権を有する場合において、Aが相殺を援用したときは、Aの負担部分の200万円についてのみ、Bの利益のためにも、その効力を生ずる。 3.妥当でない

「Aの負担部分の200万円についてのみ、Bの利益のためにも、その効力を生ずる」は妥当でない。
この場合、債権は消滅する。

連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合において、その連帯債務者が相殺を援用したときは、債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅する(民法439条1項)。

Cが、Aに対して債務を免除した場合において、Aの負担部分の200万円の限度で、Bは、Cに対して債務の履行を拒むことができる。 4.妥当でない

債務免除は原則どおり相対効になるため、Bは、Cに対して債務の履行を拒むことができない。

連帯債務者の一人にした債務の免除は、相対的効力の原則により、他の連帯債務者に対してその効力を生じない(民法441条)。
債権者が連帯債務者の1人に対して債務の免除をする場合、債権者は単にその連帯債務者に対して請求しないという意思を有しているだけであり、他の連帯債務者に対してまで債務の免除をする意思はないからである。

AのためにCの貸金債権の消滅時効が完成した場合において、BがCに400万円を弁済したときは、Bは、Aに求償権を行使することができない。 5.妥当でない

BがCに400万円を弁済したときは、Bは、Aに求償権を行使することができる。

連帯債務者の一人に対して債務の免除がされ、または連帯債務者の一人のために時効が完成した場合においても、他の連帯債務者は、その一人の連帯債務者に対し、民法442条1項の求償権を行使することができる(民法445条)。
連帯債務は多数の債務者の1人でも資力があれば全部の弁済を受けることができるが、債権者が全ての連帯債務者に対して時効の進行を止める措置をとらないと債務が減少するリスクを債権者に負わせるのは酷だからである。

連帯債務者間の求償権(民法442条1項)
連帯債務者の一人が弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得たときは、その連帯債務者は、その免責を得た額が自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらず、他の連帯債務者に対し、その免責を得るために支出した財産の額(その財産の額が共同の免責を得た額を超える場合にあっては、その免責を得た額)のうち各自の負担部分に応じた額の求償権を有する。
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