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令和7年-問23 行政法 地方自治法

Lv3

問題 更新:2026-01-12 00:52:57

都道府県における知事と議会の関係に関する次の記述のうち、法令に照らし、妥当なものはどれか。

  1. 議会の議決に属する事項については、軽易な事項であるか否かにかかわらず、議会が議決により知事の専決処分に委ねることはできない。
  2. 知事は、議会における議決について異議があるときは、その議決が法令に違反しないものである場合であっても、当該議決を再議に付すことができる。
  3. 再議の結果、議決がなお法令に違反すると知事が認める場合には、内閣総理大臣に対し審査を申し立てることができる。
  4. 知事は、緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認める場合には、議決事項を専決処分とすることができるが、後に議会がこれを承認しない場合には、当該専決処分は無効となる。
  5. 議会により不信任が議決された場合には、知事は議会を解散することができるが、解散後初めて議会が招集された時に自動的に失職する。
  解答&解説

正解 2

解説

議会の議決に属する事項については、軽易な事項であるか杏かにかかわらず、議会が議決により知事の専決処分に委ねることはできない。 1.妥当でない

普通地方公共団体の議会の権限に属する軽易な事項で、その議決により特に指定したものは、普通地方公共団体の長において、これを専決処分にすることができる(地方自治法180条1項)。

これによって、委任された事項については長の権限に移り、議会は委任を解除しない限り議決権を有さないことになる。
また、委任できる事項は、原則として団体意思の決定にかかわる議決権とされ、選挙管理委員会の委員選挙のような、議会の権限とする個別の規定があるものは委任することができず、議会自らが行使するべきとされている。

なお、議会の委任による専決処分をしたときは、普通地方公共団体の長は、これを議会に報告しなければならない(地方自治法180条2項)が、承認までは求められていない。

知事は、議会における議決について異議があるときは、その議決が法令に違反しないものである場合であっても、当該議決を再議に付すことができる。 2.妥当である

再議制度は、長が議会の議決または選挙を拒否して、再度の審議および議決等を要求するもので、長と議会との間に対立がある場合、長の側からこれを調整する手段として認められている。
地方自治法では、異議があれば発動できる一般的拒否権と、特別な要件の下で発動できる特別拒否権を長に認めており、本肢は一般的拒否権について問われている。

普通地方公共団体の議会の議決について異議があるときは、当該普通地方公共団体の長は、この法律に特別の定めがあるものを除くほか、その議決の日(条例の制定もしくは改廃または予算に関する議決については、その送付を受けた日)から10日以内に理由を示してこれを再議に付することができる(地方自治法176条1項)。
したがって、法令に違反しない議決であっても再議に付すことができる。

なお、再議の結果、条例の制定改廃と予算については出席議員の2/3以上の多数、それ以外の議決については過半数により同じ議決がされたときは、その議決は確定する(地方自治法176条2項・3項)。

再議の結果、議決がなお法令に違反すると知事が認める場合には、内閣総理大臣に対し審査を申し立てることができる。 3.妥当でない

「内閣総理大臣に対し」としているので妥当でない。
知事がする場合は「総務大臣」に対し審査を申し立てる。

肢2解説のとおり、地方自治法では、一般的拒否権と特別拒否権が定められており、本肢は特別拒否権について問われている。

普通地方公共団体の議会の議決または選挙がその権限を超えまたは法令もしくは会議規則に違反すると認めるときは、当該普通地方公共団体の長は、理由を示してこれを再議に付しまたは再選挙を行わせなければならない(地方自治法176条4項)。

この場合、議決等の違法性が問題となることから、再議は義務的なものとされている。

そして、再議決・再選挙の結果がなお違法であると認めるときは、都道府県知事にあっては総務大臣、市町村長にあっては都道府県知事に対し、当該議決または選挙があった日から21日以内に、審査を申し立てることができる(地方自治法176条5項)。

知事は、緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認める場合には、議決事項を専決処分とすることができるが、後に議会がこれを承認しない場合には、当該専決処分は無効となる。 4.妥当でない

「後に議会がこれを承認しない場合には、当該専決処分は無効となる」というのは妥当でない。

承認を得られなかった場合については規定されていないが、その場合も専決処分は有効であり、長の政治責任が問われるに過ぎないと解されている。

専決処分とは、本来は議会の議決・決定を経なければならない事柄について地方自治法の規定に基づいて議会の議決・決定を経ずに地方公共団体の長自らが処理することをいう。

専決処分は以下の4つの場合にすることができる。

地方自治法179条1項
①議会が成立しないとき 議会が解散されている場合や、欠員により議員定数の半数に満たない場合
②地方自治法113条ただし書きの場合においてなお会議を開くことができないとき 議案に利害関係があるため多くの議員が除斥され出席できる議員が総数の半数にも達しない場合
③長において議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき 議会を招集して議決を経てから執行すると間に合わない場合
④議会において議決すべき事件を議決しないとき 議会が法令上議決権を有する事項について議決を得ることができない場合
地方自治法179条1項

①議会が成立しないとき

議会が解散されている場合や、欠員により議員定数の半数に満たない場合

②地方自治法113条ただし書きの場合においてなお会議を開くことができないとき

議案に利害関係があるため多くの議員が除斥され出席できる議員が総数の半数にも達しない場合

③長において議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき

議会を招集して議決を経てから執行すると間に合わない場合

④議会において議決すべき事件を議決しないとき

議会が法令上議決権を有する事項について議決を得ることができない場合

そして、長が専決処分を行った場合には、専決処分後の最初の会議においてこれを議会に報告し、その承認を求めなければならない(地方自治法179条3項)。

議会により不信任が議決された場合には、知事は議会を解散することができるが、解散後初めて議会が招集された時に自動的に失職する。 5.妥当でない

「解散後初めて議会が招集された時に自動的に失職する」というのは妥当でない。

普通地方公共団体の議会において、当該普通地方公共団体の長の不信任の議決(議員数の2/3以上の者が出席し、その3/4以上の者の同意)をした場合、普通地方公共団体の長は、通知を受けた日から10日以内に議会を解散しない限り、この期間が経過した日にその職を失う(地方自治法178条1項、3項)。

そして、この場合に解散権を行使したときは、その解散後初めて招集された議会において再び不信任の議決(議員数の2/3以上の者が出席し、その過半数の者の同意)があったときは、議長から通知があった日にその職を失う(地方自治法178条2項、3項)。
解散後初めて議会が招集された時に自動的に失職するわけではない。

不信任決議による辞職について普通地方公共団体の長の方がより要件を厳しくしている理由は、内閣総理大臣および内閣は、直接に選挙で選出されていないのに対し、普通公共団体の長は、住民の直接選挙で選出されていることなどに配慮したものである。

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