令和7年-問16 行政法 行政不服審査法
Lv3
問題 更新:2026-01-12 00:47:53
行政不服審査法が定める教示に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
- 行政庁は、利害関係人から、当該処分が不服申立てをすることができる処分であるかどうかや不服申立期間等につき教示を求められても、利害関係人は処分の相手方以外の者であることから、当該事項等を教示する必要はない。
- 行政庁は、審査請求もしくは再調査の請求または他の法令に基づく不服申立てをすることができる処分を書面でする場合、当該処分の相手方に対し、不服申立てができること、不服申立てをすべき行政庁、不服申立てができる期間について、教示をしなければならないが、口頭による教示も認められている。
- 行政庁は、利害関係人から、当該処分が不服申立てをすることができる処分であるかどうかや不服申立期間等につき書面による教示を求められた場合であっても、これに代えて口頭により教示をすることができる。
- 処分庁により審査請求をすべき行政庁について誤った行政庁が教示された場合、誤って教示された行政庁に書面で審査請求がなされたときは、当該行政庁は、審査庁となるべき行政庁を改めて教示し、審査請求人に審査請求書を返送しなければならない。
- 処分庁が不服申立てをすべき行政庁につき教示を怠った場合、当該処分に不服がある者は、処分庁に審査請求書を提出することができ、処分庁以外の行政庁に審査請求ができる処分であるときは、処分庁は、審査請求書を当該行政庁に送付しなければならず、送付された場合、初めから当該行政庁に審査請求がされたものとみなされる。
正解 5
解説
行政庁は、利害関係人から、当該処分が不服申立てをすることができる処分であるかどうかや不服申立期間等につき教示を求められても、利害関係人は処分の相手方以外の者であることから、当該事項等を教示する必要はない。 1.妥当でない
行政庁は、利害関係人から、当該処分が不服申立てをすることができる処分であるかどうか並びに当該処分が不服申立てをすることができるものである場合における不服申立てをすべき行政庁および不服申立てをすることができる期間につき教示を求められたときは、当該事項を教示しなければならない(行政不服審査法82条2項)。
ここでいう利害関係人にあたるのは、処分の名あて人または処分について利害関係を有する第三者であって、処分が行われる際に教示を受けなかった者である。
行政庁は、審査請求もしくは再調査の請求または他の法令に基づく不服申立てをすることができる処分を書面でする場合、当該処分の相手方に対し、不服申立てができること、不服申立てをすべき行政庁、不服申立てができる期間について、教示をしなければならないが、口頭による教示も認められている。 2.妥当でない
「口頭による教示も認められている」は妥当ではない。
行政庁は、審査請求もしくは再調査の請求または他の法令に基づく不服申立てをすることができる処分をする場合には、処分の相手方に対し、当該処分につき不服申立てをすることができる旨並びに不服申立てをすべき行政庁および不服申立てをすることができる期間を書面で教示しなければならないが、処分を口頭でする場合は教示義務自体がない(行政不服審査法82条1項)。
行政庁が、審査請求もしくは再調査の請求または他の法令に基づく不服申立てをすることができる処分をする場合の教示については、書面で行うことが義務づけられている。
しかし重要な処分を口頭で行うことはないという理由から、口頭で処分を行う場合は、教示義務を課していない。
行政庁は、利害関係人から、当該処分が不服申立てをすることができる処分であるかどうかや不服申立期間等につき書面による教示を求められた場合であっても、これに代えて口頭により教示をすることができる。 3.妥当でない
利害関係人からの求めによる教示について、口頭による教示も可能としているが、書面による教示を求めたときは書面で教示することを義務づけている。
行政庁は、利害関係人から、当該処分が不服申立てをすることができる処分であるかどうか並びに当該処分が不服申立てをすることができるものである場合における不服申立てをすべき行政庁および不服申立てをすることができる期間につき教示を求められたときは、当該事項を教示しなければならない(行政不服審査法82条2項)。
教示を求めた者が書面による教示を求めたときは、書面で教示をしなければならない(行政不服審査法82条3項)。
処分庁により審査請求をすべき行政庁について誤った行政庁が教示された場合、誤って教示された行政庁に書面で審査請求がなされたときは、当該行政庁は、審査庁となるべき行政庁を改めて教示し、審査請求人に審査請求書を返送しなければならない。 4.妥当でない
「当該行政庁は審査庁となるべき行政庁を改めて教示し、審査請求人に審査請求書を返送しなければならない」は妥当ではない。
処分庁の間違いによる不利益を審査請求人に追わせるべきではないので、速やかに審査庁となるべき行政庁に送付するとしているが、審査請求書の提出を受けた行政庁が審査庁となるべき行政庁を判断できない場合もありえることから処分庁に送付することもできる。
処分庁が誤って審査請求をすべき行政庁でない行政庁を審査請求すべき行政庁として、誤った教示をした場合において、その教示に従って審査請求書が提出されたときは、当該行政庁は、速やかに、請求書を処分庁または審査庁となるべき行政庁に送付し、かつ、その旨を審査請求人に通知しなければならない(行政不服審査法22条1項)。
処分庁が不服申立てをすべき行政庁につき教示を怠った場合、当該処分に不服がある者は、処分庁に審査請求書を提出することができ、処分庁以外の行政庁に審査請求ができる処分であるときは、処分庁は、審査請求書を当該行政庁に送付しなければならず、送付された場合、初めから当該行政庁に審査請求がされたものとみなされる。 5.妥当である
行政庁が不服申立てをすることができる旨は教示したが、不服申立てをすべき行政庁を教示をしなかった場合には、当該処分について不服がある者は、処分庁に不服申立書を提出することができる(行政不服審査法83条1項)。
当該処分が処分庁以外の行政庁に対し審査請求をすることができる処分であるときは、処分庁は、当該不服申立書を当該行政庁に送付しなければならない(行政不服審査法83条3項)。
不服申立書が送付されたときは、初めから当該行政庁に審査請求または当該法令に基づく不服申立てがされたとものとみなす(行政不服審査法83条4項)。
処分庁が職権による教示を怠った場合には、処分庁に不服申立書を提出すれば救済される仕組みが設けられている。