令和7年-問15 行政法 行政不服審査法
Lv3
問題 更新:2026-01-12 00:47:11
審査請求と再調査の請求との関係に関する次の会話の下線部(ア)~(エ)のうち、妥当なものの組合せはどれか。
学生A:今日は行政不服審査法の定める審査請求と再調査の請求との関係について学んでいこう。
学生B:再調査の請求は、処分庁自身がその処分の適否を再度見直すための仕組みだね。
学生A:まず、行政処分について、(ア)処分庁以外の行政庁に対して審査請求をすることができる場合には、処分庁に対して再調査の請求を当然にすることができる。
学生B:なるほど、実際には、租税や年金分野において多く提起されているようだね。
学生A:そして、(イ)再調査の請求は任意的なものであるので、再調査の請求ができる場合でも、直ちに審査請求を提起することもできる。
学生B:じゃあ、再調査の請求と審査請求の両方を同時に提起できるのかな?
学生A:ちょっと待って・・・。どうやら、(ウ)再調査の請求をすると、原則として、その決定を経た後でなければ審査請求はできないことになっている。
学生B:それでは、再調査の請求をしても、決定が出るのが遅れた場合にはどうなるのだろう?
学生A:その場合でも、決定を経ることなく、審査請求をすることができる。(エ)このような場合、行政不服審査法では、再調査の請求が棄却されたとみなされることになっている。
学生B:なかなか複雑な仕組みだね。正しく覚えておこう。
- ア・イ
- ア・ウ
- イ・ウ
- イ・エ
- ウ・エ
正解 3
解説
妥当なものは、イ・ウである。
処分庁以外の行政庁に対して審査請求をすることができる場合には、処分庁に対して再調査の請求を当然にすることができる。 ア.妥当でない
処分庁に対する再調査の請求は当然にすることができるわけではない。
行政庁の処分につき処分庁以外の行政庁に対して審査請求をすることができる場合において、法律に再調査の請求をすることができる旨の定めがあるときは、当該処分に不服がある者は、処分庁に対して再調査の請求をすることができる(行政不服審査法5条1項本文)。
再調査の請求は、審査請求よりも簡略な手続きを通じて処分を見直すことで、行政不服審査法の目的である、簡易迅速な国民の権利利益の救済を図ることを企図していることから、個別法で定められている場合に限り、認められている。
なお、法律の定めがあるときと規定していることから、再調査の請求を条例で定めることはできない。
再調査の請求は任意的なものであるので、再調査の請求ができる場合でも、直ちに審査請求を提起することもできる。 イ.妥当である
行政庁の処分につき処分庁以外の行政庁に対して審査請求をすることができる場合において、法律に再調査の請求をすることができる旨の定めがあるときは、当該処分に不服がある者は、処分庁に対して再調査の請求をすることができるが、当該処分について審査請求をしたときは、この限りでない(行政不服審査法5条1項)。
法律が再調査の請求を認めている場合には、不服申立人は再調査の請求と審査請求を選択できる。また、再調査の請求をしたときは、当該再調査の請求についての決定を経た後でなければ、審査請求をすることができない(行政不服審査法5条2項)。
再調査の決定を経た後に審査請求をすることも可能であり、審査請求に関する手続きついて必要最小限のものに限り準用する規定を行政不服審査法61条に列記している。
再調査の請求をすると、原則として、その決定を経た後でなければ審査請求はできないことになっている。 ウ.妥当である
再調査の請求をしたときは、当該再調査の請求についての決定を経た後でなければ、審査請求をすることができない(行政不服審査法5条2項本文)。
再調査の請求を選択した場合は、当該再調査の請求についての決定を経た後でなければ審査請求をすることができないのが原則である。
再調査の請求と審査請求を並行してすることは訴訟経済の観点から妥当とはいえない。
このような場合、行政不服審査法では、再調査の請求が棄却されたとみなされることになっている。 エ.妥当でない
再調査の請求をした日または再調査の請求の不備を補正した日から起算して3ヵ月を経過しても決定がない場合やその他正当な理由がある場合には、審査請求をすることができるが(行政不服審査法5条2項ただし書き)、これによって再調査の請求は取り下げられたものとみなされる(行政不服審査法56条)。