令和7年-問13 行政法 行政手続法
Lv3
問題 更新:2026-01-12 00:45:53
行政手続法が定める申請に対する処分に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
- 行政庁は、申請を拒否する処分については申請者に対し当該処分の理由を示さなければならないが、それは申請者からの求めがあった場合に限られ、当該申請者の求める形で行えば足りる。
- 行政庁は、申請者に対し、当該申請にかかる審査の進行状況および当該申請に対する処分の時期の見通しを示すよう努めなければならないが、それは申請者の求めに応じて行えば足りる。
- 行政庁は、申請に対する処分について処分基準を定めなければならないが、その処分基準を定めるにあたっては、処分の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。
- 行政庁は、申請を拒否する処分をしようとする場合には、当該申請者について意見陳述のための手続を執らなければならないが、その手続は原則として弁明の機会の付与で足りる。
- 行政庁は、申請がその形式上の要件に適合しない場合には、速やかに、当該申請者に対し相当の期間を定めてその補正を求めなければならず、補正を求めることなく許認可等を拒否してはならない。
正解 2
解説
行政庁は、申請を拒否する処分については申請者に対し当該処分の理由を示さなければならないが、それは申請者からの求めがあった場合に限られ、当該申請者の求める形で行えば足りる。 1.妥当でない
行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合は、申請者に対し、同時に、当該処分の理由を示さなければならない。
ただし、法令に定められた許認可等の要件または公にされた審査基準が数量的指標その他の客観的指標により明確に定められている場合であって、当該申請がこれらに適合しないことが申請書の記載または添付書類その他の申請の内容から明らかであるときは、申請者の求めがあったときにこれを示せば足りる。
処分を書面でするときは、理由は書面により示さなければならない(行政手続法8条1項、2項)。
申請を拒否する処分において理由を示すことは、処分庁に慎重かつ合理的な判断を要求し、自分の思うままの考えを抑制することにつながり、処分の相手方においても、処分理由を知ることで争訟提起に便宜となるからである。
行政庁は、申請者に対し、当該申請にかかる審査の進行状況および当該申請に対する処分の時期の見通しを示すよう努めなければならないが、それは申請者の求めに応じて行えば足りる。 2.妥当である
行政庁は、申請者の求めに応じ、当該申請に係る審査の進行状況および当該申請に対する処分の時期の見通しを示すよう努めなければならない(行政手続法9条1項)。
なお、この審査の進行状況とは、申請が現在いかなる行政機関のもとで、審査を受けているかに関する情報であり、審査判断における見通しについてではない。
また、処分の見通しも、処分が下される時期についての情報であり、処分内容についてではない。
行政庁は、申請に対する処分について処分基準を定めなければならないが、その処分基準を定めるにあたっては、処分の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。 3.妥当でない
申請に対する処分については処分基準ではなく、審査基準を定めなければならない。
審査基準は、申請により求められた許認可等をするかどうかをその法令の定めに従って判断するために必要とされる基準をいう(行政手続法2条8号ロ)。
行政庁は、審査基準を定めるものとする。行政庁は、審査基準を定めるにあたっては、許認可等の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない(行政手続法5条1項、2項)。
処分基準は、不利益処分をするかどうかまたはどのような不利益処分とするかについてその法令の定めに従って判断するために必要とされる基準をいう(行政手続法2条8号ハ)。
行政庁は、処分基準を定め、かつ、これを公にしておくよう努めなければならない。行政庁は、処分基準を定めるにあたっては、不利益処分の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。(行政手続法12条1項、2項)
行政庁は、申請を拒否する処分をしようとする場合には、当該申請者について意見陳述のための手続を執らなければならないが、その手続は原則として弁明の機会の付与で足りる。 4.妥当でない
行政庁は、不利益処分をしようとする場合には、不利益処分の名あて人となるべき者について、意見陳述のための手続を執らなければならないが(行政手続法13条)、申請により求められた許認可等を拒否する処分は含まれない(行政手続法2条4号ロ)。
そのため、申請を拒否する処分にあたって、聴聞と弁明の機会の付与のいずれも行う必要はない。
行政庁は、申請がその形式上の要件に適合しない場合には、速やかに、当該申請者に対し相当の期間を定めてその補正を求めなければならず、補正を求めることなく許認可等を拒否してはならない。 5.妥当でない
行政庁は、申請書の記載事項に不備がないこと、申請書に必要な書類が添付されていること、申請をすることができる期間内にされたものであることその他の法令に定められた申請の形式上の要件に適合しない申請については、申請者に対し、相当の期間を定めて当該申請の補正を求め、または当該申請により求められた許認可等を拒否しなければならない(行政手続法7条)。
補正を求めるか、申請を拒否するか、どちらかを行えばよいのであり、必ずしも補正を求める必要はない。