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令和7年-問10 行政法 行政総論

Lv3

問題 更新:2026-01-12 02:12:09

行政行為の附款に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

  1. 行政庁は、行政行為に附款を付すことができる旨の法令の根拠が存在しない場合でも、裁量の範囲内で行政行為に附款を付すことができる。
  2. 行政庁は、行政行為について撤回権を留保する附款を付すことができるが、このような附款を付さなかった場合には、法令に根拠のない限り、行政行為を撤回することはできない。
  3. 行政行為の附款は行政庁の意思表示の一部を形成するものであるから、道路占用許可に付された使用料の納付などの負担を課す附款に違反した場合、当該占用許可は許可の時点に遡って無効となる。
  4. 道路の占用許可について、開始と終了の具体的な日付を示す附款は、講学上の「条件」に該当する。
  5. 行政行為の附款において、行政庁が負担として課すことができるのは作為義務に限られ、不作為義務を課すことはできない。
  解答&解説

正解 1

解説

行政庁は、行政行為に附款を付すことができる旨の法令の根拠が存在しない場合でも、裁量の範囲内で行政行為に附款を付すことができる。 1.妥当である

行政行為の附款とは、行政行為の効果を制限したり、特別の義務を課したりするために主たる意思表示の内容に附加される従たる意思表示をいうが、行政行為に附款を付すことができるのは、法令が認めている場合の他に、当該行政行為につき、行政庁の自由裁量を認めている場合がある。

行政庁は、行政行為について撤回権を留保する附款を付すことができるが、このような附款を付さなかった場合には、法令に根拠のない限り、行政行為を撤回することはできない。 2.妥当でない

許可、認可等の行政行為をするのにあたって、具体的に要件を明示してこれを取り消す権利を留保することを内容とする附款を付すことができる。これを撤回権の留保という。
ただし、このような附款がなかった場合でも、行政行為の撤回ができなくなるわけではなく、事後的に行政行為の要件事実が充足されなくなれば撤回できる。

行政行為の附款は行政庁の意思表示の一部を形成するものであるから、道路占用許可に付された使用料の納付などの負担を課す附款に違反した場合、当該占用許可は許可の時点に遡って無効となる。 3.妥当でない

行政行為の附款の一種である「負担」とは、主たる意思表示に付随して、行政行為の相手方に対し、作為・不作為義務等の特別の義務を命ずる意思表示をいうが、相手方が履行しない場合であっても、許可の効果を制限するものではないことから、負担に違反したからといって許可の効力が当然に失われるわけではない。

ただし、負担の不履行を理由に撤回や強制徴収の対象になることはある。

道路の占用許可について、開始と終了の具体的な日付を示す附款は、講学上の「条件」に該当する。 4.妥当でない

附款には「条件」「期限」「負担」「撤回権の留保」があるが、道路の占用許可について開始と終了についての期間を定める附款は、このうち講学上の「期限」という。

附款の種類
条件 行政行為の効力の発生・消滅を発生不確実な将来の事実にかからせる意思表示
  • 工事が完成するまで通行止めにする場合(停止条件)
  • 一定期間内に着手しないと許可が失効するという場合(解除条件)
 など
期限 行政行為の効力の発生・消滅を発生確実な将来の事実にかからせる意思表示
  • 「○月○日から、道路の占用を許可する。」(始期)
  • 「○月○日まで免許は有効である。」(終期)
 など
負担 主たる意思表示に付随して、行政行為の相手方に対し、作為・不作為義務等の特別の義務を命ずる意思表示
  • 自動車の運転免許の「眼鏡使用」
  • 道路の占用許可における「占用料納付」
撤回権の留保 主たる意思表示に付加して、特定の場合に行政行為を取り消す(撤回)権利を留保する意思表示
「善良な風俗を害する行為があった場合は、営業許可を取消す」などの文言を付す場合

行政行為の附款において、行政庁が負担として課すことができるのは作為義務に限られ、不作為義務を課すことはできない。 5.妥当でない

行政行為の附款における負担とは、主たる意思表示に付随して、行政行為の相手方に対し、作為・不作為義務等の特別の義務を命ずる意思表示をいう。
不作為義務の例としては、営業の許可を与える際に、一定の地区では営業をしないことを要件とするようなケースが考えられる。

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