令和7年-問2 基礎法学 裁判制度
Lv3
問題 更新:2026-01-12 00:31:08
裁判員制度に関する次の記述のうち、裁判員法* の規定に照らし、誤っているものはどれか。
- 裁判員は、衆議院議員の選挙権を有する者の中から、くじその他の作為が加わらない方法で選任される。
- 一定の事由があれば、検察官、被告人または弁護人は、裁判所に対して、選任された裁判員の解任の請求をすることができる。
- 裁判員は、地方裁判所で行われる一定の刑事裁判の訴訟手続に参加する。
- 裁判員の関与する判断は、合議体を構成する裁判官の意見を聞いた上で、裁判員の過半数の意見によって行われる。
- 裁判員が、その関与する判断のための評議の秘密を漏らしたときは、当該裁判員は、刑罰を科される。
(注)* 裁判員の参加する刑事裁判に関する法律
正解 4
解説
裁判員は、衆議院議員の選挙権を有する者の中から、くじその他の作為が加わらない方法で選任される。 1.正しい
裁判員は、衆議院議員の選挙権を有する者の中から、この節の定めるところにより、選任するものとする(裁判員法13条)。
裁判所は、くじその他の作為が加わらない方法として最高裁判所規則で定める方法に従い、裁判員等選任手続の期日に出頭した裁判員候補者で不選任の決定がされなかったものから、裁判員法2条2項に規定する員数(当該裁判員候補者の員数がこれに満たないときは、その員数)の裁判員を選任する決定をしなければならない(裁判員法37条)。
なお、裁判員候補者予定者の選定においても、市町村の選挙管理委員会は、選挙人名簿に登録されている者の中から裁判員候補者の予定者をくじで選定しなければならないとされている(裁判員法21条1項)。
一定の事由があれば、検察官、被告人または弁護人は、裁判所に対して、選任された裁判員の解任の請求をすることができる。 2.正しい
検察官、被告人または弁護人は、裁判所に対し、次の各号のいずれかに該当することを理由として裁判員または補充裁判員の解任を請求することができる(裁判員法41条1項)。
- 宣誓をしないとき(1号)
- 出頭義務や評議に出席する義務に違反し、引き続き職務を行わせることが適当でないとき(2号、3号)
- 秘密保持義務や意見陳述義務に違反し、引き続き職務を行わせることが適当でないとき(4号、5号)
- 欠格事由(裁判員になれない者)や就職禁止事由(職務に就くことができない者)、または事件に関連する不適格事由に該当するとき(6号)
- 不公平な裁判をするおそれがあるとき(7号)
- 裁判員候補者であったときに質問票に虚偽の記載をしたことなどが明らかとなり、職務を行わせることが適当でないとき(8号)
- 公判廷において、裁判長が命じた事項に従わずまたは暴言その他の不穏当な言動をすることによって公判手続の進行を妨げたとき(9号)
裁判員は、地方裁判所で行われる一定の刑事裁判の訴訟手続に参加する。 3.正しい
裁判員法2条1項において、「地方裁判所は、次に掲げる事件については、次条または第3条の2の決定があった場合を除き、この法律の定めるところにより裁判員の参加する合議体が構成された後は、裁判所法26条の規定にかかわらず、裁判員の参加する合議体でこれを取り扱う。」と規定されており、裁判員は、地方裁判所で行われる一定の刑事裁判の訴訟手続に参加する。
裁判員の関与する判断は、合議体を構成する裁判官の意見を聞いた上で、裁判員の過半数の意見によって行われる。 4.誤り
裁判員の関与する判断は、単に裁判員の過半数で決定されるわけではない。
裁判員法67条1項は、評議における裁判員の関与する判断について、「構成裁判官および裁判員の双方の意見を含む合議体の員数の過半数の意見による」と定めている。
例えば、裁判員5人が有罪、裁判官3人と裁判員1人が無罪とした場合には、有罪の意見に裁判官が1人も加わっていないので無罪となる。
裁判員が、その関与する判断のための評議の秘密を漏らしたときは、当該裁判員は、刑罰を科される。 5.正しい
裁判員が評議の秘密を漏らした場合、裁判員法に違反し刑罰の対象となる。
裁判員または補充裁判員が、評議の秘密その他の職務上知り得た秘密を漏らしたときは、6ヵ月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金に処する(裁判員法108条)。