令和6年-問51 基礎知識 一般知識Ⅲ
Lv3
問題 更新:2025-01-10 01:13:26
ジェンダーに関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
- 世界経済フォーラムが毎年発表しているジェンダーギャップ指数において、2006年の開始以来、日本は常に上位10位以内に入っている。
- 出生時に割り当てられた性別に対し苦痛を感じている人が受けるホルモン療法や性別適合手術等の医療技術のことを、フェムテックという。
- レインボーフラッグは、性の多様性を尊重するシンボルとして用いられている。
- 複数の大学の医学部の入学試験で、性別を理由に男性の受験生が不当に減点されていたことが2018年に明らかになり、訴訟となった例もある。
- 働く女性が妊娠・出産を理由に解雇・雇止めをされることや、妊娠・出産にあたって職場で受ける精神的・肉体的なハラスメントを、カスタマー・ハラスメントという。
正解 3
解説
世界経済フォーラムが毎年発表しているジェンダーギャップ指数において、2006年の開始以来、日本は常に上位10位以内に入っている。 1.妥当でない
日本のジェンダーギャップ指数は、2006年の第1回は115ヵ国中80位、2024年は146ヵ国中118位とG7の中では最下位。分野別には、「教育」と「医療へのアクセス」では評価が高かった一方で、「政治参加」と「経済」の分野で評価が極めて低かった。
ジェンダーギャップとは、男女の性差によって生じる格差のことで、ジェンダーギャップが低いほど、男女平等の社会だといえる。
ジェンダーギャップ指数は、ダボス会議を主催する世界経済フォーラムが、経済・教育・政治参加などの分野での世界各国の男女間の不均衡を示す指標によりランク付けしたもので、0が完全不平等、1が完全平等の値をとる。
出生時に割り当てられた性別に対し苦痛を感じている人が受けるホルモン療法や性別適合手術等の医療技術のことを、フェムテックという。 2.妥当でない
フェムテック(Femtech)とは、女性の健康の課題をテクノロジーで解決する商品やサービスのことである。女性(Female)+テクノロジー(Technology)を組み合わせた造語。
レインボーフラッグは、性の多様性を尊重するシンボルとして用いられている。 3.妥当である
レインボーフラッグは、LGBTの尊厳と、LGBTの社会運動を象徴する旗である。当初8色でデザインされたが現在は6色になっている。
複数の大学の医学部の入学試験で、性別を理由に男性の受験生が不当に減点されていたことが2018年に明らかになり、訴訟となった例もある。 4.妥当でない
性別を理由に不当に減点されていたのは「男性」ではなく「女性」である。
2018年、私立大学を中心とした日本の複数の大学の医学部が、女子や浪人生を不利に扱う、特定の受験生を優遇する、といった不正入試(差別)を行っていたことが発覚した。元受験生への賠償を求める訴訟となった例もある。
働く女性が妊娠・出産を理由に解雇・雇止めをされることや、妊娠・出産にあたって職場で受ける精神的・肉体的なハラスメントを、カスタマー・ハラスメントという。 5.妥当でない
本肢の記述は「マタハラ(マタニティー・ハラスメント)」のことである。
マタハラとは、妊娠や出産・育児をきっかけとして行われる退職強要や解雇・雇止めや精神的・肉体的ないやがらせ(ハラスメント)のことである。
最高裁は2014年、妊娠を理由とした職場での降格は原則として男女雇用機会均等法に違反するという初めての判断を示した。
なお、「カスタマー・ハラスメント」とは、顧客(カスタマー)等からの暴行、脅迫、ひどい暴言、不当な要求などの著しい迷惑行為のことである。