令和6年-問50 基礎知識 一般知識Ⅲ
Lv4
問題 更新:2025-01-10 01:12:55
日本における外国人に関する次のア~オの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。
ア.外国籍の生徒も、全国高等学校体育連盟や日本高等学校野球連盟が主催する大会に参加することができる。
イ.より広い業種での外国人の就労を可能とするために新たに設けられた在留資格「特定技能1号」には、医師も含まれる。
ウ.徴税など、いわゆる公権力の行使にあたる業務を含め、外国籍の者も全国の全ての自治体で公務員として就労することができる。
エ.名古屋出入国在留管理局の施設に収容されていたスリランカ人女性が2021年に死亡し、その遺族が国家賠償請求訴訟を行った。
オ.特別永住者を含む外国人には、日本への入国時に指紋と顔写真の情報の提供が義務付けられている。
- ア・イ
- ア・エ
- イ・ウ
- ウ・オ
- エ・オ
正解 2
解説
ア・エが妥当である。
外国籍の生徒も、全国高等学校体育連盟や日本高等学校野球連盟が主催する大会に参加することができる。 ア.妥当である
全国高等学校総合体育大会(インターハイ)の場合、外国籍の選手(学生)は、学校に在籍し学習活動を行っており、卒業を目的にして4月に入学した生徒(短期留学は不可)が参加できる。
高校野球の場合、国籍規定はない。したがって外国籍の生徒も参加できる。
より広い業種での外国人の就労を可能とするために新たに設けられた在留資格「特定技能1号」には、医師も含まれる。 イ.妥当でない
在留資格「特定技能1号」に、医師は含まれない。
特定技能制度は、国内人材を確保することが困難な状況にある産業分野において、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れることを目的とする制度で、特定技能1号と特定技能2号に分別される。
特定技能1号は、特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格で、介護業、ビルクリーニング業、農業などの14業種を対象に、更新をすることで最長5年は在留することができる。
特定技能1号の各分野 |
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介護、ビルクリーニング、工業製品製造業、建設、造船・船用工業、自動車整備、航空、宿泊、自動車運送業、鉄道、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、林業、木材産業 |
そして、特定技能2号は、同分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格で、建設業、造船・船用工業の業種を対象に期間制限がなく更新することができる。
特定技能2号の各分野 |
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ビルクリーニング、工業製品製造業、建設、造船・船用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業 |
徴税など、いわゆる公権力の行使にあたる業務を含め、外国籍の者も全国の全ての自治体で公務員として就労することができる。 ウ.妥当でない
外国籍の者でも公務員として採用する自治体が増えてきているが、職種は各自治体の条例等で制限されており、公権力の行使にあたる業務ができるわけではない。また全国すべての自治体で外国籍の公務員が認められているわけではない。
「原則として日本の国籍を有する者が公権力行使等地方公務員に就任することが想定されているとみるべきであり、我が国以外の国家に帰属し、その国家との間でその国民としての権利義務を有する外国人が公権力行使等地方公務員に就任することは、本来我が国の法体系の想定するところではないものというべきである。そして、普通地方公共団体が、公務員制度を構築するにあたって、公権力行使等地方公務員の職とこれに昇任するのに必要な職務経験を積むために経るべき職とを包含する一体的な管理職の任用制度を構築して人事の適正な運用を図ることも、その判断により行うことができるものというべきである。
そうすると、普通地方公共団体が上記のような管理職の任用制度を構築した上で、日本国民である職員に限って管理職に昇任することができることとする措置を執ることは、合理的な理由に基づいて日本国民である職員と在留外国人である職員とを区別するものであり、上記の措置は、労働基準法3条にも、憲法14条1項にも違反するものではない(外国人管理職選考拒否事件:最大判平成17年1月26日)。」
名古屋出入国在留管理局の施設に収容されていたスリランカ人女性が2021年に死亡し、その遺族が国家賠償請求訴訟を行った。 エ.妥当である
スリランカ人女性死亡事件は、2021年、名古屋出入国在留管理局に収容中のスリランカ国籍の女性が死亡した事件である。彼女は、自身の体調不良を訴え続けていたにもかかわらず、適切な治療を施されないまま亡くなった。その後、遺族が彼女が亡くなったのは、名古屋入管が必要な治療を怠ったためだとして、国に損害賠償を求め提訴した。
特別永住者を含む外国人には、日本への入国時に指紋と顔写真の情報の提供が義務付けられている。 オ.妥当でない
外国人の入国審査時には指紋と顔写真(個人識別情報)の提供が義務付けられている(出入国管理及び難民認定法6条3項)が、特別永住者は、免除されている(出入国管理及び難民認定法6条3項1号)。