令和6年-問47 基礎知識 一般知識Ⅰ
Lv3
問題 更新:2025-01-10 01:11:28
政治に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
- 政党助成法は、衆議院または参議院に一定数以上の議席を有するか、議席を有して一定の国政選挙で有効投票総数の一定割合以上の得票があった政党に対して、政党交付金による助成を行う旨を規定している。
- マス・メディアなどの情報に対して、主体的に世論を形成するためなどに、それらを批判的に読み解く能力は、メディア・リテラシーと呼ばれる。
- 政治資金規正法は、政治資金の収支の公開や寄附の規則などを通じ政治活動の公明と公正を確保するためのルールを規定している。
- 有権者のうち、特定の支持政党を持たない層は、無党派層と呼ばれる。
- 性差に起因して起こる女性に対する差別や不平等に反対し、それらの権利を男性と同等にして女性の能力や役割の発展を目指す主張や運動は、ポピュリズムと呼ばれる。
正解 5
解説
政党助成法は、衆議院または参議院に一定数以上の議席を有するか、議席を有して一定の国政選挙で有効投票総数の一定割合以上の得票があった政党に対して、政党交付金による助成を行う旨を規定している。 1.妥当である
国は、政党助成法の定めるところにより、政党に対して、政党交付金を交付する(政党助成法3条1項)。
政党交付金は、政党に所属する衆議院議員および参議院議員の数に応じて交付される政党交付金=議員数割および総選挙の小選挙区選出議員の選挙および比例代表選出議員の選挙ならびに通常選挙の比例代表選出議員の選挙および選挙区選出議員の選挙における政党の得票総数に応じて交付される政党交付金=得票数割とする(政党助成法3条2項)。
マス・メディアなどの情報に対して、主体的に世論を形成するためなどに、それらを批判的に読み解く能力は、メディア・リテラシーと呼ばれる。 2.妥当である
総務省のサイトによると、メディア・リテラシーとは、
①メディアを主体的に読み解く能力
②メディアにアクセスし活用する能力
③メディアを通じコミュニケーションする能力、特に、情報の読み手との相互作用的(インタラクティブ)コミュニケーション能力
これら3つを構成要素として、一般国民が多様なメディアを批判的に使いこなし、それに適応できる能力を身につけることである。情報化社会を生き抜くための必要不可欠な能力とされる。
なお、「リテラシー」はもともと読解記述力、識字能力を意味する。転じて「情報を活用する能力」のような意味合いに用いられるようになった。
政治資金規正法は、政治資金の収支の公開や寄附の規則などを通じ政治活動の公明と公正を確保するためのルールを規定している。 3.妥当である
政治資金規正法は、1948年に制定された法律であり、議会制民主政治の下における政党その他の政治団体の機能の重要性および公職の候補者の責務の重要性にかんがみ、政治団体および公職の候補者により行われる政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、政治団体の届出、政治団体に係る政治資金の収支の公開並びに政治団体および公職の候補者に係る政治資金の授受の規正その他の措置を講ずることにより、政治活動の公明と公正を確保し、もって民主政治の健全な発達に寄与することを目的とする(政治資金規正法1条)。
なお、この法律は1994年に改正され、政治資金の調達は政治家個人ではなく、政党中心に改められた。
有権者のうち、特定の支持政党を持たない層は、無党派層と呼ばれる。 4.妥当である
有権者のうち支持政党を持たない層を無党派層という。
無党派層は政治的関心の薄い有権者層とされ、選挙においてはあまり重視されていなかったが、すべての無党派層が政治的関心が低いというわけではなく、無党派層の投票の行方が政治を大きく左右することもある。
性差に起因して起こる女性に対する差別や不平等に反対し、それらの権利を男性と同等にして女性の能力や役割の発展を目指す主張や運動は、ポピュリズムと呼ばれる。 5.妥当でない
本肢の記述は、フェミニズムについての説明である。
女性の社会的、政治的、経済的権利を男性と同等にし、女性の能力や役割の発展を目ざす主張および運動をフェミニズムと呼ぶ。
なお、ポピュリズムとは、一般大衆の考えや要求をよりどころとして行われる政治的な主張や運動を意味する大衆迎合主義のことを意味する。