令和6年-問46 記述式 民法
Lv3
問題 更新:2025-01-10 01:11:00
Aは、Bとの間で、BがCから購入した甲土地(以下「甲」という)を買い受ける契約を締結し、Bに対して代金全額を支払ったが、甲の登記名義はいまだCのままである。BC間の売買において、CがBへの移転登記を拒む理由は存在せず、また、BがCに対して移転登記手続をすべきことを請求している事実もない。一方、Aは、早期に甲の所有権取得の対抗要件として登記を具備したい。
このような場合、Aは、何のために、誰の誰に対するいかなる権利を、どのように行使できるか。40字程度で記述しなさい。
正解例 Aは、移転登記請求権を保全するために、BのCに対する移転登記請求権を代位行使できる。(42字)
解説
登記または登録をしなければ権利の得喪および変更を第三者に対抗することができない財産を譲り受けた者は、その譲渡人が第三者に対して有する登記手続または登録手続をすべきことを請求する権利を行使しないときは、その権利を行使することができる(民法423条の7)。
これは、登記または登録の請求権を保全するための債権者代位権であり、登記しなければ権利の得喪や変更を第三者に対抗できない場合の代位行使を定めたものである。
例えば、不動産がC→B→Aと売買された際、C→Bの移転登記がなされていないとB→Aの移転登記ができないため、BのCに対する登記請求権を、Aが代位しCに対してBへの移転登記請求を認めるものである(その後、Aは改めてBからの移転登記手続きを行う)。
したがって、「何のために」について「移転登記請求を保全するため」、「誰の誰に対するいかなる権利を」について「BのCに対する移転登記請求権を」、「どのように行使できるか」について「代位行使できる」となる。