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  4. 問39

令和4年-問39 商法 会社法

Lv4

問題 更新:2023-01-17 10:41:54

公開会社における株主総会に関する次の記述のうち、会社法の規定に照らし、誤っているものはどれか。なお、定款に別段の定めはなく、かつ、株主総会の目的である事項の全部または一部について議決権を有しない株主はいないものとする。

  1. 総株主の議決権の100分の3以上の議決権を6ヵ月前から引き続き有する株主は、取締役に対し、株主総会の目的である事項および招集の理由を示して、株主総会の招集を請求することができる。
  2. 総株主の議決権の100分の1以上の議決権または300個以上の議決権を6ヵ月前から引き続き有する株主は、取締役に対し、株主総会の日の8週間前までに、一定の事項を株主総会の目的とすることを請求することができる。
  3. 株主は、株主総会において、当該株主総会の目的である事項につき議案を提出することができる。ただし、当該議案が法令もしくは定款に違反する場合または実質的に同一の議案につき株主総会において総株主の議決権の10分の1以上の賛成を得られなかった日から3年を経過していない場合は、この限りでない。
  4. 総株主の議決権の100分の1以上の議決権を6ヵ月前から引き続き有する株主は、株主総会に係る招集の手続および決議の方法を調査させるため、当該株主総会に先立ち、取締役に対し、検査役を選任すべきことを請求することができる。
  5. 取締役、会計参与、監査役および執行役は、株主総会において、株主から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。ただし、当該事項が株主総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより株主の共同の利益を著しく害する場合その他正当な理由があるとして法務省令で定める場合は、この限りでない。
  解答&解説

正解 4

解説

総株主の議決権の100分の3以上の議決権を6ヵ月前から引き続き有する株主は、取締役に対し、株主総会の目的である事項および招集の理由を示して、株主総会の招集を請求することができる。 1.正しい

原則として総株主の議決権の3/100以上の議決権を6ヵ月前から引き続き有する株主は、取締役に対し、株主総会の目的である事項及び招集の理由を示して、株主総会の招集を請求することができる(会社法297条1項)。

ちなみに招集を行うのは原則的に取締役であり、少数株主は取締役に招集の請求を行うことができるに過ぎない(会社法296条3項)。

ただし、取締役が招集の請求に応じない場合などに少数株主が自ら招集できるケースもあるため、混同しないようにしたい。

総株主の議決権の100分の1以上の議決権または300個以上の議決権を6ヵ月前から引き続き有する株主は、取締役に対し、株主総会の日の8週間前までに、一定の事項を株主総会の目的とすることを請求することができる。 2.正しい

総株主の議決権の1/100以上の議決権又は300個以上の議決権を6ヵ月前から引き続き有する株主に限り、取締役に対し、一定の事項を株主総会の目的とすることを請求することができる。この場合において、その請求は、株主総会の日の8週間前までにしなければならない(会社法303条2項)。

肢1のように議題とともに株主総会の招集を請求する要件は厳しい。
そこで本肢のような少数株主が、一定の事項を株主総会の目的とすることを請求できる議題提案権を設けている。

株主は、株主総会において、当該株主総会の目的である事項につき議案を提出することができる。ただし、当該議案が法令もしくは定款に違反する場合または実質的に同一の議案につき株主総会において総株主の議決権の10分の1以上の賛成を得られなかった日から3年を経過していない場合は、この限りでない。 3.正しい

会社法304条のとおりである。

株主は、株主総会において、株主総会の目的である事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。)につき議案を提出することができる。
ただし、当該議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき株主総会において総株主(当該議案について議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の1/10(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から3年を経過していない場合は、この限りでない(会社法304条)。

ここにいう議案とは、議題に対する具体的な提案であり、例えば「取締役選任の件」という議題に対して「〇〇を取締役として選任する件」という議案を提出することである。

総株主の議決権の100分の1以上の議決権を6ヵ月前から引き続き有する株主は、株主総会に係る招集の手続および決議の方法を調査させるため、当該株主総会に先立ち、取締役に対し、検査役を選任すべきことを請求することができる。 4.誤り

「取締役に対し」としている点が誤り。検査役選任の申し立ては裁判所に対して行う(会社法306条1項)。

株主総会に係る招集の手続および決議の方法を調査させるためなので、身内が検査役を選任するのは制度の趣旨になじまないのである。

取締役、会計参与、監査役および執行役は、株主総会において、株主から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。ただし、当該事項が株主総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより株主の共同の利益を著しく害する場合その他正当な理由があるとして法務省令で定める場合は、この限りでない。 5.正しい

会社法314条のとおりである。

取締役、会計参与、監査役及び執行役は、株主総会において、株主から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。
ただし、当該事項が株主総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより株主の共同の利益を著しく害する場合その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない(会社法314条)。

また取締役等が必要な説明義務を尽くしたといえるか否かの具体的判断基準等について判例は、「議決権行使の前提としての合理的な理解及び判断を行い得る状況にあったかどうかを判断するにあたっては、会議の目的たる事項が決議事項である場合には、原則として、平均的な株主が基準とされるべきである。(東京地裁平成16年5月13日)」としている。

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