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  3. 平成30年
  4. 問33

平成30年-問33 債権Ⅱ

レベル3

問題 更新:2019-01-17 16:52:35

Aに雇われているBの運転する車が、Aの事業の執行中に、Cの車と衝突して歩行者Dを負傷させた場合に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。なお、Aには使用者責任、BおよびCには共同不法行為責任が成立するものとする。

  1. AがDに対して損害を全額賠償した場合、Aは、Bに故意または重大な過失があったときに限ってBに対して求償することができる。
  2. AがDに対して損害を全額賠償した場合、Aは、損害の公平な分担という見地から均等の割合に限ってCに対して求償することができる。
  3. CがDに対して損害を全額賠償した場合、Cは、Bに対してはB・C間の過失の割合によるBの負担部分について求償することができるが、共同不法行為者でないAに対しては求償することができない。
  4. Cにも使用者Eがおり、その事業の執行中に起きた衝突事故であった場合に、AがDに対して損害を全額賠償したときは、Aは、AとEがそれぞれ指揮監督するBとCの過失の割合によるCの負担部分についてEに対して求償することができる。
  5. BがAのほかFの指揮監督にも服しており、BがAとFの事業の執行中に起きた衝突事故であった場合に、AがDに対して損害を全額賠償したときは、Aは、損害の公平な分担という見地から均等の割合に限ってFに対して求償することができる。
  解答&解説

正解 4

解説

1.妥当でない。

使用者が賠償した場合の、被用者に対する求償権について、条文は、「ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負い、使用者は被用者に対する求償権の行使を妨げない」としている(民法715条1項3項)。また、通説及び判例によると、使用者責任は、被用者が負担する責任を使用者が代わりに負担する代位責任説と解されており、本来、損害賠償責任を負うのは加害行為をした被用者であるのだから、故意または重過失に関係なく使用者は被用者に対して求償することができる。
したがって、妥当でない。
なお、本肢で求められている要件は、国家賠償法に関してであり、国・公共団体が被害者に対し賠償金を支払ったとき、加害行為をした公務員に故意又は重大な過失があったときは、その公務員に対して求償権を有するとされている(国家賠償法1条2項)。

2.妥当でない。

使用者が賠償した場合の、第三者に対する求償権について、判例は、「使用者は、被用者と第三者との共同過失によって惹起された交通事故による損害を賠償したときは、第三者に対し、求償権を行使することができ、被用者と第三者の過失割合に従って定められる第三者の負担部分について第三者に対して求償権を行使することができる」としている(最判昭和41年11月18日)。
したがって、妥当でない。

3.妥当でない。

第三者が賠償した場合の、使用者に対する求償権について、判例は、「被用者がその使用者の事業の執行につき第三者との共同の不法行為により他人に損害を加えた場合において、第三者が自己と被用者との過失割合に従って定められるべき自己の負担部分を超えて被害者に損害を賠償したときは、第三者は、被用者の負担部分について使用者に対し求償することができるものと解するのが相当である」としている(最判昭和63年7月1日)。
したがって、妥当でない。

4.妥当である。

使用者が賠償した場合の、もう一方の使用者に対する求償権について、判例は、「複数の加害者の共同不法行為につき、各加害者を指揮監督する使用者がそれぞれ損害賠償責任を負う場合においては、それぞれが指揮監督する各加害者の過失割合に従って定めるべきものであって、一方の加害者の使用者は、当該加害者の過失割合に従って定められる自己の負担部分を超えて損害を賠償したときは、その超える部分につき、他方の加害者の使用者に対し、当該加害者の過失割合に従って定められる負担部分の限度で、右の全額を求償することができるものと解するのが相当である」としている(最判平成3年10月25日)。
したがって、妥当である。

5.妥当でない。

使用者が賠償した場合の、被用者における他の使用者に対する求償権について、判例は、「一方の加害者を指揮監督する複数の使用者がそれぞれ損害賠償責任を負う場合においても、被用者である加害者の加害行為の態様及びこれと各使用者の事業の執行との関連性の程度、加害者に対する各使用者の指揮監督の強弱などを考慮して定めるべきものであって、使用者の一方は、当該加害者の前記過失割合に従って定められる負担部分のうち、右の責任の割合に従って定められる自己の負担部分を超えて損害を賠償したときは、その超える部分につき、使用者の他方に対して右の責任の割合に従って定められる負担部分の限度で求償することができるものと解するのが相当である」としている(最判平成3年10月25日)。
したがって、妥当でない。

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