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  1. 過去問
  2. 年度別
  3. 平成30年
  4. 問34

平成30年-問34 親族

レベル3

問題 更新:2019-01-17 16:53:30

離婚に関する次のア~オの記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。

ア.離婚における財産分与は、離婚に伴う精神的苦痛に対する損害の賠償も当然に含む趣旨であるから、離婚に際し財産分与があった場合においては、別途、離婚を理由とする慰謝料の請求をすることは許されない。

イ.離婚に際して親権者とならず子の監護教育を行わない親には、子と面会・交流するためのいわゆる面接交渉権があり、この権利は親子という身分関係から当然に認められる自然権であるから、裁判所がこれを認めない判断をすることは憲法13条の定める幸福追求権の侵害に当たる。

ウ.父母が協議上の離婚をする場合に、その協議でその一方を親権者として定めなかったにもかかわらず、誤って離婚届が受理されたときであっても、当該離婚は有効に成立する。

エ.民法の定める離婚原因がある場合には、当事者の一方は、その事実を主張して直ちに家庭裁判所に対して離婚の訴えを提起することができ、訴えが提起されたときは、家庭裁判所は直ちに訴訟手続を開始しなければならない。

オ.夫婦の別居が両当事者の年齢および同居期間との対比において相当の長期間に及び、その夫婦の間に未成熟の子が存在しない場合には、相手方配偶者が離婚により極めて苛酷な状態に置かれる等著しく社会的正義に反するといえるような特段の事情のない限り、有責配偶者からの離婚請求であるとの一事をもって離婚が許されないとすることはできない。

  1. ア・イ
  2. ア・ウ
  3. イ・エ
  4. ウ・オ
  5. エ・オ
  解答&解説

正解 4

解説

ア.妥当でない。

財産分与後の慰謝料請求について、判例は、「離婚における財産分与の制度は、夫婦が婚姻中に有していた実質上共同の財産を清算分配し、かつ、離婚後における一方の当事者の生計の維持をはかることを目的とするものであって、分与を請求するにあたりその相手方たる当事者が離婚につき有責の者であることを必要とはしないから、財産分与の請求権は、相手方の有責な行為によって離婚をやむなくされ精神的苦痛を被ったことに対する慰藉料の請求権とは、その性質を必ずしも同じくするものではない。したがって、すでに財産分与がなされたからといって、その後不法行為を理由として別途慰藉料の請求をすることは妨げられないというべきである。(中略)しかし、財産分与がなされても、それが損害賠償の要素を含めた趣旨とは解せられないか、そうでないとしても、その額および方法において、請求者の精神的苦痛を慰藉するには足りないと認められるものであるときには、すでに財産分与を得たという一事によって慰藉料請求権がすべて消滅するものではなく、別個に不法行為を理由として離婚による慰藷料を請求することを妨げられないものと解するのが相当である」としている(最判昭和46年7月23日)。
したがって、妥当でない。

イ.妥当でない。

判例によると、「協議離婚をした際に親権者とされなかった親に子との面接交渉を認めるかどうかは、子の監護に関する処分について定める民法766条1項又は2項の解釈適用の問題であって、憲法13条に違背するかどうかの問題にあたらない」としている(最判昭和59年7月6日)。
したがって、妥当でない。

ウ.妥当である。

本来は、「離婚の届出は、その離婚が第819条第1項の規定その他の法令の規定に違反しないことを認めた後でなければ、受理することができ」ず(民法765条1項)、受理の要件となる民法819条1項は、「父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その一方を親権者と定めなければならない」としている。
しかし、協議離婚をする際に親権者を定めなかった場合の離婚の有効性について、民法765条2項に「離婚の届出が前項の規定に違反して受理されたときであっても、離婚は、そのためにその効力を妨げられない」とも規定されている。
これについて判例では、「親権者を定める協議が成立していないにかかわらず、成立したもののごとく離婚届書に記載せられそのまま受理せられた場合にも、協議離婚は有効に成立する」と判断された(名古屋高裁昭和46年11月29日)。
したがって、妥当である。

エ.妥当でない。

民法で定めている離婚事由は、①配偶者に不貞行為があったとき、②配偶者から悪意で遺棄されたとき、③配偶者の生死が3年以上明らかでないとき、④配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき、⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき、である(民法770条1項)。
これらの事由があれば、直ちに家庭裁判所に対して離婚の訴えを提起することができるのかどうかについて、「244条の規定により調停を行うことができる事件について訴えを提起しようとする者は、まず家庭裁判所に家事調停の申し立てをしなければならない」とし(家事事件手続法257条1項)、調停前置主義がとられている。そして、「前項の事件について家事調停の申立てをすることなく訴えを提起した場合には、裁判所は、職権で、事件を調停に付さなければならない」としている(家事事件手続法257条2項)。
したがって、妥当でない。

オ.妥当である。

有責配偶者とは、肢エ①~④にいう離婚事由の原因を作った側のことであるが、原則として、有責配偶者からの離婚請求が認められる。判例は、「有責配偶者からされた離婚請求であっても、夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間との対比において相当の長期間に及び、その間に未成熟の子が存在しない場合には、相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態におかれる等離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情の認められない限り、当該請求は、有責配偶者からの請求であるとの一事をもって許されないとすることはできないものと解するのが相当である」とした(最判昭和62年9月2日)。
したがって、妥当である。

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