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  3. 平成30年
  4. 問34

平成30年-問34 民法 親族

Lv3

問題 更新:2026-03-02 17:22:26

離婚に関する次のア~オの記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。

ア.離婚における財産分与は、離婚に伴う精神的苦痛に対する損害の賠償も当然に含む趣旨であるから、離婚に際し財産分与があった場合においては、別途、離婚を理由とする慰謝料の請求をすることは許されない。

イ.離婚に際して親権者とならず子の監護教育を行わない親には、子と面会・交流するためのいわゆる面接交渉権があり、この権利は親子という身分関係から当然に認められる自然権であるから、裁判所がこれを認めない判断をすることは憲法13条の定める幸福追求権の侵害にあたる。

ウ.父母が協議上の離婚をする場合に、その協議でその一方を親権者として定めなかったにもかかわらず、誤って離婚届が受理されたときであっても、当該離婚は有効に成立する。

エ.民法の定める離婚原因がある場合には、当事者の一方は、その事実を主張して直ちに家庭裁判所に対して離婚の訴えを提起することができ、訴えが提起されたときは、家庭裁判所は直ちに訴訟手続を開始しなければならない。

オ.夫婦の別居が両当事者の年齢および同居期間との対比において相当の長期間に及び、その夫婦の間に未成熟の子が存在しない場合には、相手方配偶者が離婚により極めて苛酷な状態に置かれる等著しく社会的正義に反するといえるような特段の事情のない限り、有責配偶者からの離婚請求であるとの一事をもって離婚が許されないとすることはできない。

  1. ア・イ
  2. ア・ウ
  3. イ・エ
  4. ウ・オ
  5. エ・オ
  解答&解説

正解 4

解説

妥当なものは、ウ・オである。

離婚における財産分与は、離婚に伴う精神的苦痛に対する損害の賠償も当然に含む趣旨であるから、離婚に際し財産分与があった場合においては、別途、離婚を理由とする慰謝料の請求をすることは許されない。 ア.妥当でない

財産分与後の慰謝料請求について、判例は「離婚における財産分与の制度は、夫婦の婚姻中の共同財産を清算分配し、かつ、離婚後における一方の当事者の生計の維持が目的であるから、財産分与の請求権は、相手方の有責な行為によって離婚をやむなくされ精神的苦痛を被ったことに対する慰謝料の請求権とは性質が異なる。
したがって、すでに財産分与されたからといって、その後不法行為を理由として、別途、離婚による慰謝料の請求をすることは妨げられない」としている(最判昭和46年7月23日)。

離婚に際して親権者とならず子の監護教育を行わない親には、子と面会・交流するためのいわゆる面接交渉権があり、この権利は親子という身分関係から当然に認められる自然権であるから、裁判所がこれを認めない判断をすることは憲法13条の定める幸福追求権の侵害にあたる。 イ.妥当でない

協議離婚をした際に親権者とされなかった親に子との面接交渉を認めるかどうかは、子の監護に関する処分について定める民法766条1項または2項の解釈適用の問題であって、憲法13条に違背するかどうかの問題にはあたらない(最判昭和59年7月6日)。

父母が協議上の離婚をする場合に、その協議でその一方を親権者として定めなかったにもかかわらず、誤って離婚届が受理されたときであっても、当該離婚は有効に成立する。 ウ.妥当である

本来は、「離婚の届出は、夫婦間に成年に達しない子がある場合には、親権者の定めがされていることまたは親権者の指定を求める家事審判または家事調停の申立てがされていることが認められた後でなければ、受理することができ」ず(民法765条1項)、「父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その双方または一方を親権者と定める」(民法819条1項)としている。

しかし、協議離婚をする際に親権者を定めなかった場合の離婚の有効性について、民法765条2項に「離婚の届出が前項の規定に違反して受理されたときであっても、離婚は、そのためにその効力を妨げられない」とも規定されている。

これについて判例は、「親権者を定める協議が成立していないにもかかわらず、成立したように離婚届書に記載されそのまま受理された場合にも、協議離婚は有効に成立する」とした(名古屋高裁昭和46年11月29日)。

民法の定める離婚原因がある場合には、当事者の一方は、その事実を主張して直ちに家庭裁判所に対して離婚の訴えを提起することができ、訴えが提起されたときは、家庭裁判所は直ちに訴訟手続を開始しなければならない。 エ.妥当でない

民法で定めている離婚事由は、
①配偶者に不貞な行為があったとき
②配偶者から悪意で遺棄されたとき
③配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
④その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
である(民法770条1項)。

これらの事由があれば、直ちに家庭裁判所に対して離婚の訴えを提起することができるのかどうかについて、「244条の規定により調停を行うことができる事件について訴えを提起しようとする者は、まず家庭裁判所に家事調停の申し立てをしなければならない」とし(家事事件手続法257条1項)、調停前置主義がとられている。
そして、「前項の事件について家事調停の申立てをすることなく訴えを提起した場合には、裁判所は、職権で、事件を調停に付さなければならない」としている(家事事件手続法257条2項)。

夫婦の別居が両当事者の年齢および同居期間との対比において相当の長期間に及び、その夫婦の間に未成熟の子が存在しない場合には、相手方配偶者が離婚により極めて苛酷な状態に置かれる等著しく社会的正義に反するといえるような特段の事情のない限り、有責配偶者からの離婚請求であるとの一事をもって離婚が許されないとすることはできない。 オ.妥当である

有責配偶者だからという理由だけで有責配偶者からの離婚請求が認められないわけではない。

有責配偶者とは、肢エ①~④にいう離婚事由の原因を作った側のことである。
有責配偶者からの離婚請求が認められるかについて、判例は「有責配偶者からされた離婚請求であっても、夫婦の別居が両当事者の年齢および同居期間との対比において相当の長期間に及び、その間に未成熟の子が存在しない場合には、相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態におかれる等離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情がない限り、有責配偶者からの請求であるとの一事をもって許されないとすることはできない」とした(最判昭和62年9月2日)。

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