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平成30年-問32 民法 債権Ⅱ

Level3

問題 更新:2019-11-14 18:20:40

物の貸借に関する次のア~オの記述のうち、民法の規定に照らし、それが、使用貸借の場合にも賃貸借の場合にも当てはまるものの組合せはどれか。

ア.借主は、契約またはその目的物の性質によって定まった用法に従い、その物の使用および収益をしなければならない。

イ.借主は、目的物の使用および収益に必要な修繕費を負担しなければならない。

ウ.借主は、目的物を返還するときに、これに附属させた物を収去することはできない。

エ.貸借契約は、借主の死亡によって、その効力を失う。

オ.契約の本旨に反する使用または収益によって生じた損害の賠償および借主が支出した費用の償還は、貸主が借主から目的物の返還を受けた時から1年以内に請求しなければならない。

  1. ア・イ
  2. ア・オ
  3. イ・ウ
  4. ウ・エ
  5. エ・オ
  解答&解説

正解 2

解説

使用貸借とは、当事者の一方がある物を引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物について無償で使用及び収益をして契約が終了したときに返還をすることを約することによって、その効力を生ずる契約で(民法593条)、法的性質は、無償・諾成・片務契約である。例えば、テキストを友人から無償で借用する場合や、不在の建物において留守番をする仕事(最判昭和26年3月29日)、建物の借主が固定資産税を負担していても、その負担額が使用の対価と認められない事例(最判昭和41年10月27日)がある。
一方、賃貸借とは、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うこと及び引渡しを受けた物を契約が終了したときに返還することを約することによって、その効力が生ずる契約で(民法601条)、法的性質は、有償・諾成・双務契約である。

ア.共にあてはまる。

使用貸借での借主の義務は、「契約又はその目的物の性質によって定まった用法に従い、その物の使用及び収益をしなければならない」とされている(民法594条1項)。そして、賃貸借については民法616条で594条を準用していることから、賃貸借での借主の義務も同様である。
したがって、使用貸借及び賃貸借共に当てはまる。無償であろうが有償であろうが、他人から借りた物を自分の好き勝手に使用してはいけないと考えれば当然のことである。

イ.使用貸借にあてはまるが、賃貸借にあてはまらない。

使用貸借における修繕費について条文は、「借主は、借用物の通常の必要費を負担する」としている(民法595条1項)。使用貸借の借主は、無償で借用物を使用させてもらっているのだから、修繕にかかる費用まで貸主に負担させるのは酷である。
一方、賃貸借では、「賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする必要を負う」としている(民法606条1項本文)。賃貸借の賃貸人は、借用物の対価である賃料を支払っている賃借人に対し、使用収益させる義務を負うことから、修繕費を負担する義務を負う。
したがって、使用貸借にはあてはまるが、賃貸借にはあてはまらない。
なお、一定の範囲で修繕を賃借人の義務とすることを特約しても差し支えない(最判昭和29年6月25日)。

ウ.共にあてはまらない。

使用貸借においては「借主は、借用物を受け取った後にこれに附属させた物を収去することができる」(民法599条2項)。また民法622条で598条を賃貸借について準用していることから、賃貸借での借主の収去についても同様である。
したがって、使用貸借及び賃貸借共にあてはまらない。
なお、条文は「できる」としているが、借主は借用物の返還にあたり収去権を持つと同時に、原状回復義務の一態様として収去義務を負う(「できる」→「しなければならない」)ことも含まれている。

エ.使用貸借にあてはまるが、賃貸借にあてはまらない。

使用貸借の終了事由については、「使用貸借は、借主の死亡によって、その効力を失う」としている(民法597条3項)。使用貸借は、当事者の人間関係に基づいて貸主が好意により借主に無償で使用収益をさせている契約だから、借主が死亡した場合には、当然に使用貸借は終了し、相続をさせるべきではないとされているからである。
一方、賃貸借では、賃借人が死亡しても、貸借契約は終了せず、相続が認められている。これは、賃貸借契約に基づく賃借権には、財産的価値があると考えられているからである。
したがって、使用貸借にあてはまるが、賃貸借に当てはまらない。
なお、使用貸借において、貸主が死亡しても、特約がなければ使用貸借は終了せず、借主は引き続き借用物を使用収益することができる。

オ.共にあてはまる。

使用貸借の損害賠償及び償還の請求権については、「契約の本旨に反する使用又は収益によって生じた損害の賠償及び借主が支出した費用の償還は、貸主が返還を受けた時から1年以内に請求しなければならない」としている(民法600条)。そして、民法622条で600条を賃貸借について準用していることから、賃貸借での請求権についても同様である。
したがって、使用貸借及び賃貸借共にあてはまる。

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