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  4. 問37

平成28年-問37 会社法Ⅰ

レベル3

問題 更新:2019-07-31 20:54:27

株式会社の設立における出資の履行等に関する次のア~オの記述のうち、会社法の規定に照らし、妥当でないものの組合せはどれか。

ア.株式会社の定款には、株式会社の設立に際して出資される財産の額またはその最低額を記載または記録しなければならない。

イ.発起人は、設立時発行株式の引受け後遅滞なく、その引き受けた株式につき、その出資に係る金銭の全額を払い込み、またはその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならないが、発起人全員の同意があるときは、登記、登録その他の権利の設定または移転を第三者に対抗するために必要な行為は、株式会社の成立後にすることができる。

ウ.発起人は、その引き受けた設立時発行株式について金銭の払込みを仮装した場合には、仮装した出資に係る金銭の全額を会社に対して支払う義務を負い、この義務は、総株主の同意がなければ免除することができない。

エ.発起設立または募集設立のいずれの場合においても、発起人は、払込みの取扱いをした銀行等に対して、払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書の交付を請求することができ、この証明書を交付した銀行等は、当該証明書の記載が事実と異なること、または当該金銭の返還に関して制限があることをもって、成立後の株式会社に対抗することはできない。

オ.設立時発行株式の株主となる者が払込みをした金銭の額および給付した財産の額は、その全額を資本金として計上しなければならないが、設立時発行株式の株主となる者の全員の同意があるときに限り、その額の2分の1を超えない額を剰余金として計上することができる。

  1. ア・イ
  2. ア・オ
  3. イ・ウ
  4. ウ・エ
  5. エ・オ
  解答&解説

正解 5

解説

株式会社の設立についての問題である。
会社法の問題は捨て問としている方もいるであろうが、本問は取って欲しい問題である。というのも、本問は「設立」についての問題であり、分野としては決して重要性の低い分野ではないこと、条文の知識問題であること、さらには選択肢アとオの正誤判断は比較的容易であると思われること、これらが理由である。アとオがわかれば消去法で正解肢を導くことが可能である。

ア.正しい。

定款の絶対的記載事項についての問題である。
条文によると、株式会社の定款には、①目的、②商号、③本店の所在地、④設立に際して出資される財産の価額又はその最低額、⑤発起人の氏名又は名称及び住所、を記載し、又は記録しなければならない(会社法27条)。
したがって、④設立に際して出資される財産の価額又はその最低額を記載しなければならないとする本肢は正しい。
なお、絶対的記載事項といえば、⑥発行可能株式総数についても確認されたい(会社法37条参照)。

イ.正しい。

条文によると、発起人は、設立時発行株式の引受け後遅滞なく、その引き受けた設立時発行株式につき、その出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない。ただし、発起人全員の同意があるときは、登記、登録その他権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、株式会社の成立後にすることを妨げないとされている(会社法34条1項)。
したがって、本肢は条文のままであり正しい。
なお、会社法34条1項のポイントは、①設立時に求められるのは部分的な出資ではなく全額(全部)の出資である点と、②登記等の対抗要件取得行為は、発起人の全員の同意があれば設立後でよいとしている点である。①について補足すると、全額(全部)の出資をするからこそ株主の有限責任は間接有限責任になる。②について補足すると、たとえば不動産を現物出資する際に、不動産の登記名義を会社名義に変えようとしても、会社設立後でなければ会社名義の登記を実現できない現実との調整を図る規定である。

ウ.正しい。

条文によると、発起人は、払込みを仮装した場合には、株式会社に対し、払込みを仮装した出資に係る金銭の全額の支払をする義務を負うとされている(会社法52条の2第1項1号)。そして会社法52条の2第1項の規定による発起人の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができないとされている(会社法55条)。他の株主との衡平を考慮した規定である。
したがって、本肢は条文のままであり、正しい。

エ.誤り。

条文によると、募集設立の場合には、発起人は、払込みの取扱いをした銀行等に対し、払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書の交付を請求することができるとされている(会社法64条1項)。つまり払込金保管証明書の制度が適用されるのは、発起設立ではなく募集設立である。募集設立においては、発起人以外の引受人がいるため、当該引受人を保護するために、払込金保管証明の制度がある。
したがって、発起設立についても払込金保管証明の制度があるとする本肢は誤り。
なお、払込金保管証明書を交付した銀行等は、当該証明書の記載が事実と異なること等をもって成立後の株式会社に対抗することができないとする会社法64条2項も参照のこと(たとえば金100万円しか預かっていない銀行等が金1000万円預かっているという証明書を発行したら、銀行等は会社に「金100万円しか預かっていない」と主張することは許されない)。

オ.誤り。

条文によると、株式会社の資本金の額は、この法律(会社法)に別段の定めがある場合を除き、設立又は株式の発行に際して株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額とする(会社法445条1項)。ただし当該払込み又は給付に係る額の1/2を超えない額は、資本金として計上しないことができる(会社法445条2項)。当該資本金として計上しないこととした額は、資本準備金として計上しなければならないとされている(会社法445条3項)。
したがって、資本金として計上しなかった額を「剰余金」として計上することができるとする本肢は誤り。剰余金ではなく、「資本準備金」である。

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