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合格道場が取り扱っている問題・解説と同主旨の問題が令和7年度行政書士試験で出題されたものの表です。
令和7年度行政書士試験 法令等択一式問題40問中38問掲載! 記述式問45ズバリ的中! 基礎知識11問中6問掲載!*文章理解除く その他多数の問題肢が適合!
令和7年本試験とサイト掲載問題の比較一覧
基礎法学・憲法
| 令和7年本試験 | 合格道場掲載 |
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| 問2 | 練習問題>基礎法学>裁判制度7 |
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肢1 裁判員は、衆議院議員の選挙権を有する者の中から、くじその他の作為が加わらない方法で選任される。 |
問題肢4 裁判員は、原則として衆議院議員の選挙権を有する者の中から、選任される。 解説肢4 裁判員は、衆議院議員の選挙権を有する者の中から、選任される(裁判員法13条)。 |
| 問2 | 総合テスト>VOL1>問1 |
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肢3 裁判員は、地方裁判所で行われる一定の刑事裁判の訴訟手続に参加する。 |
解説肢1 裁判員制度では、地方裁判所で行われる刑事裁判のうち、死刑または無期懲役若しくは禁錮にあたる罪に係る事件等の一定の重大な犯罪が対象になっている(裁判員法2条)。また、裁判員は、衆議院議員の選挙権を有する者の中から、選任される(裁判員法13条)。 |
| 問2 | 練習問題>基礎法学>裁判制度7 |
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肢5 裁判員が、その関与する判断のための評議の秘密を漏らしたときは、当該裁判員は、刑罰を科される。 |
問題肢5 裁判員には、出廷義務や守秘義務が課されているが、これに違反しても罰則があるわけではない。 解説肢5 裁判員には、公判期日や、証人尋問・検証が行われる公判準備の場に出廷しなければならず、正当な理由なく出廷しない場合、10万円以下の過料という罰則がある(裁判員法112条)。 また、守秘義務についても同様であり、評議の秘密や職務上知り得た秘密を漏らしたときは、6ヵ月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処される(裁判員法108条)。 |
| 問3 | 練習問題>憲法>法の下の平等6 |
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肢1 尊属殺を通常の殺人よりも高度の道義的非難に値するものとみなし、その刑罰を通常の殺人よりも加重する規定については、社会的身分による差別を行うものとして、通常よりも厳格な基準でその合憲性が審査されなければならない。 |
問題肢2 尊属を被害者とする殺人に対する刑を通常の殺人より加重して規定することは、尊属・卑属という社会的身分に基づく差別的取扱いであり、封建的家族制度を排し、家族生活における個人の尊厳を確立することを建て前とする憲法の趣旨に照らして許されるものとは到底いえないから、その加重の程度にかかわらず規定を設けること自体が直ちに憲法14条違反になるとするのが判例である。 解説肢2 「尊属の殺害は通常の殺人に比して一般に高度の社会的道義的非難を受けて然るべきであるとして、・・・刑の加重要件とする規定を設けても、・・・かかる差別的取扱いをもってただちに合理的な根拠を欠くものと断ずることはできず、したがってまた、憲法14条1項に違反するということもできない」(尊属殺重罰規定違憲:最大判昭和48年4月4日) このように当該判例は、規定を設けることは違憲でないとしながらも旧刑法200条(尊属殺人)の法定刑を死刑または無期懲役刑のみに限っている点は、限度を越えた著しく不合理な差別として違憲とした。 |
| 問3 | 練習問題>憲法>法の下の平等3 |
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肢2 所得税の賦課・徴収に際して、給与所得者と自営業者等との間で異なる取り扱いを行う法律の規定については、それが人種・信条・性別など憲法14条1項の列挙する事由による差別に該当しないので、立法者の裁量を広く認めることができる。 |
問題肢3 給与所得者における給与所得課税では、必要経費について、実額控除を認めず、概算控除を設けるにとどまっており、給与所得者と事業所得者等を区別するものではあるが、それ自体としては不合理な差別とはいえず憲法14条1項の規定に違反するものではない。 解説肢3 「旧所得税法が必要経費の控除について事業所得者等と給与所得者との間に設けた前記の区別は、合理的なものであり、憲法14条1項の規定に違反するものではない」(サラリーマン税金訴訟:最大判昭和60年3月27日) |
| 問3 | 過去問>令和元年>問4 |
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肢4 子にとって自ら選択・修正する余地のない事柄を理由にその子に不利益を及ぼすことは許されず、子を個人として尊重し、権利を保障すべきだという考えが確立されてきており、嫡出でない子の法定相続分を差別する規定の合理性は失われている。 |
解説肢1 嫡出でない子の法定相続分を嫡出子の1/2とする民法の規定が、憲法(14条1項)に違反するという記述は最高裁判所の判例と合致するが、法律婚の保護という立法目的に照らすと著しく不合理であるという理由の部分が妥当ではない。 ・・・(中略) 法律婚という制度自体は我が国に定着しているとしても、・・・父母が婚姻関係になかったという、子にとっては自ら選択ないし修正する余地のない事柄を理由としてその子に不利益を及ぼすことは許されず、子を個人として尊重し、その権利を保障すべきであるという考えが確立されてきているものということができる。 立法府の裁量権を考慮しても、嫡出子と嫡出でない子の法定相続分を区別する合理的な根拠は失われていたというべきである(最大決平成25年9月4日参照)。 |
| 問3 | 練習問題>憲法>社会権2 |
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肢5 憲法25条の定める生存権は個人の尊厳と密接に関係する権利であり、これに関係する法的取り扱いの区別の合憲性については、立法者がその裁量を踰越していないか厳格かつ慎重に審査されなければならない。 |
解説肢3 「著しく合理性を欠き明らかに裁量の逸脱・濫用」にあたる場合は、司法判断がされる。 憲法25条の具体的決定について、判例は「立法府の広い裁量にゆだねられており、それが著しく合理性を欠き明らかに裁量の逸脱・濫用と見ざるをえないような場合を除き、裁判所が審査判断するのに適しない事柄である」としている(堀木訴訟:最大判昭和57年7月7日)。 |
| 問4 | 練習問題>憲法>精神的自由2 |
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肢1 公正な刑事裁判の実現を保障するために、報道機関の取材活動によって得られたものが証拠として必要と認められるような場合には、取材の自由がある程度の制約をこうむることとなってもやむを得ない。 |
問題肢エ 報道機関の報道は、国民が国政に関与するための重要な判断の資料を提供し、国民の知る権利に奉仕するものであるから、取材の自由が公正な裁判の実現のために制約を受けることはない。 解説肢エ 「取材の自由といっても、もとより何らの制約を受けないものではなく、たとえば公正な裁判の実現というような憲法上の要請があるときは、ある程度の制約を受けることもある」(博多駅テレビフィルム提出命令事件:最判昭和44年11月26日) |
| 問4 | 練習問題>憲法>精神的自由6 |
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肢2 報道機関の取材の手段・方法が一般の刑罰法令に触れなくても、取材対象者の個人としての人格の尊厳を著しく蹂躙する等、法秩序全体の精神に照らし社会観念上是認できない態様である場合には、正当な取材活動の範囲を逸脱する。 |
問題4 報道機関の取材行為は、国民の知る権利と密接な関係にあり、十分尊重に値すべきものであるが、無制限に認められるものではなく、個人の人格の尊厳を蹂躙するなどの取材行為は、正当な取材活動範囲の逸脱ともいえ、違法となりえる。 解説肢4 「取材対象者の個人としての人格の尊厳を著しく蹂躙する等法秩序全体の精神に照らし社会観念上是認することのできない態様のものである場合にも、正当な取材活動の範囲を逸脱し違法性を帯びるものといわなければならない。」(外務省機密漏洩事件:最判昭和53年5月31日) |
| 問4 | 練習問題>憲法>精神的自由6 |
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肢3 不法行為の成立を前提としない反論権は、特に公的事項に関する批判的記事の掲載をちゅうちょさせ、憲法が保障する表現の自由を間接的に侵す危険につながるおそれも多分に存し、当然に認められるものではない。 |
問題2 新聞に言論による攻撃が掲載された場合に、これに対する反論文の掲載を当該新聞に要求する権利が保障されている。 解説肢2 「反論権の制度について具体的な成文法がないのに、反論権を認めるに等しい上告人主張のような反論文掲載請求権をたやすく認めることはできない」(サンケイ新聞意見広告事件:最判昭和62年4月24日) |
| 問4 | 練習問題>憲法>精神的自由36 |
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肢4 報道の公共性、報道のための取材の自由に対する配慮に基づき、司法記者クラブ所属の報道機関の記者に対してのみ法廷におけるメモの採取を許可したとしても、法の下の平等には反しない。 |
問題1 報道機関の報道は、民主主義社会において、国民が国政に関与するにつき、重要な判断の資料を提供するものであって、事実の報道の自由は、表現の自由を定めた憲法21条1項の規定の保障の下にあることはいうまでもなく、このような報道機関の報道が正しい内容をもつためには、報道のための取材の自由も、憲法21条の規定の精神に照らし、十分尊重に値する。 解説肢1 「報道機関の報道は、民主主義社会において、国民が国政に関与するにつき、重要な判断の資料を提供するものであって、事実の報道の自由は、表現の自由を定めた憲法21条1項の規定の保障の下にあることはいうまでもなく、このような報道機関の報道が正しい内容をもつためには、報道のための取材の自由も、憲法21条の規定の精神に照らし、十分尊重に値するものである。 以上の趣旨が法廷警察権の行使にあたって配慮されることがあっても、裁判の報道の重要性に照らせば当然であり、報道の公共性、ひいては報道のための取材の自由に対する配慮に基づき、司法記者クラブ所属の報道機関の記者に対してのみ法廷においてメモを取ることを許可することも、合理性を欠く措置ということはできないというべきである。 本件裁判長において執った右の措置は、このような配慮に基づくものと思料されるから、合理性を欠くとまでいうことはできず、憲法14条1項の規定に違反するものではない。」(最大判平成元年3月8日) |
| 問4 | 練習問題>憲法>精神的自由28 |
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肢5 報道関係者の取材源は、それがみだりに開示されると将来の自由で円滑な取材活動に一定の支障は生じうるが、公正な裁判の実現のためには取材源を明らかにする必要があり、民事訴訟法上の証言拒絶が認められうる職業の秘密には該当しない。 |
解説肢1 「当該報道が公共の利益に関するものであって、その取材の手段、方法が一般の刑罰法令に触れるとか、取材源となった者が取材源の秘密の開示を承諾しているなどの事情がなく、しかも、当該民事事件が社会的意義や影響のある重大な民事事件であるため、当該取材源の秘密の社会的価値を考慮してもなお公正な裁判を実現すべき必要性が高く、そのために当該証言を得ることが必要不可欠であるといった事情が認められない場合には、当該取材源の秘密は保護に値すると解すべきであり、証人は、原則として、当該取材源に係る証言を拒絶することができると解するのが相当である。」(NHK記者事件:最判平成18年10月3日)・・・(中略) |
| 問5 | 単元テスト>憲法Ⅱ>問8 |
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憲法は、国会について[ア]制を採用し、内閣がその召集を実質的に決定する権限を有するものとした上で、52条、53条及び54条1項において、常会、[イ]会及び[ウ]会の召集時期等について規定している。そのうち憲法53条は、前段において、内閣は、[イ]会召集決定をすることができると規定し、後段において、いずれかの議院の総議員の4分の1以上による[イ]会召集要求があれば内閣は、[イ]会召集決定をしなければならない旨を規定している。これは、国会と内閣との間における権限の分配という観点から、内閣が[イ]会召集決定をすることとしつつ、これがされない場合においても、国会の[ア]を開始して国会による国政の根幹に関わる広範な権能の行使を可能とするため、各議院を組織する一定数以上の議員に対して[イ]会召集要求をする権限を付与するとともに、この[イ]会召集要求がされた場合には、内閣が[イ]会召集決定をする義務を負うこととしたものと解されるのであって、個々の国会議員の[イ]会召集要求に係る[エ]を保障したものとは解されない。 (最三小判令和5年9月12日民集77巻6号1515頁) |
解説肢4 憲法52条及び53条では、常会と臨時会を分けて規定していることから、憲法は会期制を採用することを予定している。 したがって、常会の会期を1年間とすることは、会期制でなくなるため、憲法上許されないと解されている。 |
| 練習問題>憲法>国会15 | |
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解説肢4 内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いずれかの議院の総議員の1/4以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない(憲法53条)。 |
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| 問6 | 練習問題>憲法>内閣9 |
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肢1 内閣総理大臣は、大日本帝国憲法では内閣の首長と位置づけられていたが、実際の運用では、他の国務大臣と対等な地位にあるものとして扱われていた。 |
解説肢1 内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免できる点を見ても、他大臣と並列的な関係ではなく、また、憲法上「首長」とされており、慣習等により内閣を代表しているわけではない。 なお、明治憲法においては天皇が行政を行うものとされていたため、内閣総理大臣は「同輩中(国務大臣)の首席」でしかなかった。 |
| 問6 | 練習問題>憲法>国会7 |
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肢2 内閣総理大臣は、衆議院議員の中から国会の議決により指名されるが、衆参両院で指名の議決が異なった場合には、衆議院の議決が優越する。 |
解説肢1 内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で指名されるため、国会議員でなければならない(憲法67条1項)。 |
| 練習問題>憲法>内閣12 | |
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解説肢2 内閣総理大臣の指名について、両議院の議決が異なる場合、両院協議会を開かねばならない(憲法67条2項)。 |
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| 問6 | 練習問題>憲法>内閣8 |
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肢3 内閣総理大臣に事故のあるときは、予め指定された国務大臣が臨時にその職務を行うが、その場合でも、衆議院の解散のような内閣総理大臣に一身専属的な権限は行使できないと解されている。 |
問題肢2 内閣総理大臣に事故があるときは、あらかじめその指定する国務大臣が臨時に職務の代理を行うことが憲法において明文されている。 解説肢2 内閣法により定められているが、憲法上で臨時代理の規定はない。・・・(中略) |
| 問6 | 練習問題>憲法>内閣16 |
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肢4 国務大臣は、内閣総理大臣の同意がなければ、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された国務大臣は、内閣総理大臣の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。 |
解説肢1 同意が必要なのは、内閣ではなく、内閣総理大臣である。 国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない。ただし、これがため、訴追の権利は、害されない(憲法75条)。 なお、ただし書きの趣旨は、公訴時効の進行が停止することを意味し、その職を退けば訴追できるため、後半部分は正しい。 解説肢2 国会議員は、全国民の代表として国政を託され、国権の最高機関である国会の自主的な活動をすべくきわめて重要な存在であることから、その特権として「不逮捕特権」「歳費特権」「免責特権」が認められている(歳費は「特権」としないこともある)。 本肢は、このうち不逮捕特権についてであり、憲法50条は「両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。」としている。 つまり、国会開会後でも、要求がなければ釈放しなくてよい。 |
| 問6 | 練習問題>憲法>内閣4 |
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肢5 法律及び政令には、すべて主任の国務大臣が署名し、内閣総理大臣が連署することを必要とする。 |
解説肢2 憲法74条は「法律及び政令には、すべて主任の国務大臣が署名し、内閣総理大臣が連署することを必要とする。」としており、一見すると主任の国務大臣及び内閣総理大臣に法律の拒否権を付与しているようにも映る。 しかし、国会が国権の最高機関であることから(憲法41条)、74条は執行の責任及び内閣の一体性を示し慎重な手続きを要するという趣旨であって、署名・連署をすることは義務であり拒否することはできないと解されている。 また、仮に署名・連署を拒否し、署名・連署がなかったとしても国会で可決したときに法律が成立することから(憲法59条)、その効力に影響は及ぼさないものと解されている。 |
| 問7 | 練習問題>憲法>天皇5 |
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肢1 皇室典範は、皇室会議が定める規則であるが、憲法の授権により、皇位の継承や摂政など、本来は法律で定めるべき事項を規定することができる。 |
解説肢イ 皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する(憲法2条)。 |
| 問7 | 練習問題>憲法>国会3 |
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肢2 衆参各議院の規則は、会議その他の手続及び内部の規律に関する事項を広く規定しており、本会議における議事や議決の定足数、議事を非公開にするための要件などの議事に関する重要事項も、専ら各議院の規則が定めている。 |
問題肢ア 両議院は、各々院内の秩序を乱した議員を懲罰することができるが、議員を除名するには、裁判所の審判が必要である。 解説肢ア 出席議員の2/3以上の多数による議決で除名できる(憲法58条2項)。また、司法権の限界の一つとして、司法判断できないとされている。 |
| 練習問題>憲法>国会8 | |
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問題肢1 両議院は、出席議員の過半数で議決したときは、秘密会を開くことができる。 解説肢1 秘密会は、その議院の出席議員の2/3以上の多数で議決した場合、開く事ができる(憲法57条1項)。 |
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| 問7 | 練習問題>行政法>行政総論12-5 |
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肢3 憲法は、内閣が定める政令についてのみ、法律の委任を条件に罰則を設けることを認めているので、各省大臣が定める省令については、法律の委任によって罰則を設けることはできない。 |
問題肢5 政令及び省令には、法律の委任があれば、罰則を設けることができるが、各庁の長や各委員会が発する規則などには、罰則を設けることは認められていない。 解説肢5 政令及び省令は、法律の委任があれば、罰則を設けることができる(憲法73条6号ただし書き、国家行政組織法12条3項)。 また、各庁の長や各委員会が発する規則にも、法律の委任があれば、罰則を設けることができる(国家行政組織法13条2項、国家行政組織法12条3項)。 |
| 問7 | 練習問題>憲法>司法2 |
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肢4 最高裁判所は、訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について規則を定める権限を有するが、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任することができる。 |
問題肢2 最高裁判所は、訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する。 解説肢2 最高裁判所は、訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する(憲法77条1項)。 |
| 練習問題>憲法>司法4 | |
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問題肢4 最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任することができる。 解説肢4 最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任することができる(憲法77条3項)。 |
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| 問7 | 練習問題>憲法>財政5 |
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肢5 会計検査院は、憲法上独立性が保障された機関であることから内部組織に関する自律権が認められており、その組織・権限は専ら会計検査院自身が定める規則によって規定される。 |
解説肢2 憲法90条2項にて「会計検査院の組織及び権限は、法律でこれを定める」として、憲法によって設置することになっている。 |
| 練習問題>行政法>行政組織法2-6 | |
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解説肢5 会計検査院は、憲法90条がわざわざ内閣とは別に規定を設けていることから、内閣から独立していると考えられており、これを受けて会計検査院法1条では、「内閣に対し独立の地位を有する。」としているため、内閣の統轄の下にはない。 |
行政法
| 令和7年本試験 | 合格道場掲載 |
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| 問8 | 練習問題>行政法>行政総論6-2 |
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肢1 瑕疵なく成立した授益的処分について、事後の事情の変化を理由に語学上の撤回をすることは、かかる撤回ができる旨を定める明文の規定が法律または条例にあるときに限られる。 |
問題肢4 行政行為の撤回は、私人が既に有している権利や法的地位を変動(消滅)させる行為であるから、当該行政行為の根拠法令において個別に法律上の根拠を必要とする。 解説肢4 行政行為の撤回は、相手方の被る不利益を考慮しても、なおそれを撤回すべき公益上の必要性が高いと認められる場合は、必ずしも法律の根拠を必要としないとされている。 なお、職権取消しも同様に、必ずしも法律の根拠を必要としない。 「撤回によって上告人の被る不利益を考慮しても、なおそれを撤回すべき公益上の必要性が高いと認められるから、法令上その撤回について直接明文の規定がなくとも、指定医師の指定の権限を付与されている被上告人医師会は、その権限において上告人に対する右指定を撤回することができるというべきである。」(最判昭和63年6月17日) |
| 問8 | 練習問題>行政法>行政総論6-5 |
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肢2 重大かつ明白な瑕疵を有する処分は当然に無効とされるが、処分の瑕疵が明白であるかどうかは、処分の外形上、客観的に誤認が一見看取し得るものであるかどうかにより決まる。 |
問題肢1 行政処分が当然無効であるというためには、処分に重大かつ明白な瑕疵がなければならないが、瑕疵が明白であるというには、処分成立の当初において、外形上、客観的に明白でなくとも、口頭弁論終結時までに現われた証拠及びこれにより認められる事実において、外形上、客観的に明白であればよい。 解説肢1 「行政処分が当然無効であるというためには、処分に重大かつ明白な瑕疵がなければならず、・・・瑕疵が明白であるというのは、処分成立の当初から、誤認であることが外形上、客観的に明白である場合を指すものと解すべきである。・・・ 所論のように、重大かつ明白な瑕疵があるかどうかを口頭弁論終結時までに現われた証拠及びこれにより認められる事実を基礎として判断すべきものであるということはできない。」(最判昭和36年3月7日) |
| 問8 | 過去問>令和2年>問9 |
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肢3 一定の争訟手続に従って当事者を手続に関与せしめ、紛争の終局的解決を図ることを目的とする処分であっても、当該処分をした行政庁は、特別の規定がない限り、当該処分を取り消すことができる。 |
問題肢5 旧自作農創設特別措置法に基づく農地買収計画の決定に対してなされた訴願を認容する裁決は、これを実質的に見れば、その本質は法律上の争訟を裁判するものであるが、それが処分である以上、他の一般的な処分と同様、裁決庁自らの判断で取り消すことを妨げない。 解説肢5 判例は、「この裁決が行政処分であることは言うまでもないが、実質的に見ればその本質は法律上の争訟を裁判するものである」 「かかる性質を有する裁決は、他の一般行政処分とは異り、特別の規定がない限り、原判決のいうように裁決庁自らにおいて取消すことはできないと解するを相当とする」(最判昭和29年1月21日)としている。 |
| 問8 | 練習問題>行政法>行政総論6-2 |
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肢4 既になされた授益的処分について、講学上の職権取消しができるのは、当該授益的処分の成立時に違法があるときに限られ、不当があるにすぎない場合は除外される。 |
問題肢5 行政行為のうち、授益的行政行為については、取消し及び撤回をすることはできないとされている。 解説肢5 行政行為のうち、国民に利益を与えるという授益的行政行為については、取消し及び撤回によって、国民の利益が奪われるわけだから自由にすることはできず一定の制限がされる。 しかし、絶対的に禁止されているわけではなく、公益上の必要がある場合や不正の手段によって獲得された場合など一定の理由あれば、授益的行政行為についても、取消し及び撤回ができる。 なお、国民に不利益を与える侵害的行政行為の場合、取消し、撤回は国民に利益になるので原則として自由にできる。 |
| 問8 | 練習問題>行政法>行政総論5-3 |
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肢5 処分の成立時点において瑕疵があった場合、事後の事情の変化により当該瑕疵が解消するに至ったとしても、その瑕疵は治癒されることはなく、当該処分はそれを理由として取り消されるか、または当然に無効であるとされる。 |
問題肢4 瑕疵ある行政行為において、その後の事情の変化によって、当初は欠けていた適法要件が実質的に充足された場合でも、適法と扱うことは許されない。 解説肢4 瑕疵ある行政行為において、その後の事情の変化によって、当初は欠けていた適法要件が実質的に充足された場合、適法と扱うことは判例において認められている(最判昭和36年7月14日など)。 いわゆる「瑕疵の治癒」と呼ばれるものである。 |
| 問9 | 練習問題>行政法>行政総論7-9 |
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肢イ カルテル行為を行ったことによって独占禁止法* 違反被告事件において罰金刑が確定している者に対し、さらに独占禁止法の規定に基づき課徴金の納付を命ずることは、課徴金を課せられるべき違反者の行為を犯罪とし、それに対する刑罰として、これを課する趣旨でないことは明らかであるから、二重処罰の禁止には違反しない。 |
解説肢5 義務違反者に対する課徴金の賦課と刑罰の併科や追徴税と刑罰の併科は、その目的を異にすることから、二重処罰の禁止に抵触しない(最判平成10年10月13日、最大判昭和33年4月30日)。 |
| 問9 | 練習問題>行政法>行政総論7-4 |
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肢ウ 所得税の確定申告において虚偽記載を行い所得税を脱税したことにより、懲役刑と罰金刑を併科された者に対して、さらに重加算税を科すことは、重加算税が申告納税を怠った者に対し、その行為の反社会性ないし反道徳性に着目し、これに対する制裁として科せられるものでもあるから、二重処罰の禁止に抵触する。 |
解説肢2 行政刑罰は、文字通り刑罰であるが、刑罰以外の他の処分とは、目的・趣旨が異なるので二重に科すことは認められている。 代執行や強制徴収することは当然として、秩序罰である過料を併科することも可能である(最判昭和39年6月5日など)。 ほかに、公務員等の「懲戒罰」、運転免許における道交法の行政処分である「免許停止や免許取消し」、脱税における「加算税」などを行政刑罰と併科することができる。 |
| 問9 | 練習問題>行政法>行政総論7-4 |
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肢エ 刑事裁判において正当な理由がなく証言を拒んだ場合に、刑事訴訟法に基づき裁判官により秩序罰として科される過料と、同法に基づき通常の刑事手続により科される罰金は、法廷秩序の維持という点で目的が共通しているから、両者を併科することは許されない。 |
解説肢2 行政刑罰は、文字通り刑罰であるが、刑罰以外の他の処分とは、目的・趣旨が異なるので二重に科すことは認められている。 代執行や強制徴収することは当然として、秩序罰である過料を併科することも可能である(最判昭和39年6月5日など)。 ほかに、公務員等の「懲戒罰」、運転免許における道交法の行政処分である「免許停止や免許取消し」、脱税における「加算税」などを行政刑罰と併科することができる。 |
| 問10 | 練習問題>行政法>行政総論4-3 |
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肢1 行政庁は、行政行為に附款を付すことができる旨の法令の根拠が存在しない場合でも、裁量の範囲内で行政行為に附款を付すことができる。 |
問題肢1 行政行為の附款は、法令で附款を付することができる旨を明示していなければ、付することはできない。 解説肢1 行政行為の附款とは、行政行為の効果を制限したり、特別の義務を課したりするために主たる意思表示の内容に附加される従たる意思表示をいう。 行政行為に附款を付すことができるのは、法令が認めている場合の他に、法律行為的行政行為のうち当該行政行為につき、行政庁の裁量を認めている場合にも可能である。 |
| 問10 | 練習問題>行政法>行政総論4-3 |
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肢3 行政行為の附款は行政庁の意思表示の一部を形成するものであるから、道路占用許可に付された使用料の納付などの負担を課す附款に違反した場合、当該占用許可は許可の時点に遡って無効となる。 |
問題肢5 行政行為の附款の一種である負担を相手方が所定の期限までに履行しない場合であっても、当然に行政行為が無効となるわけではない。 解説肢5 負担義務の不履行は、当然に直接行政行為の効力へ影響を与える訳ではない。 もっとも、負担の不履行を理由に撤回や強制徴収の対象になることはある。 |
| 問10 | 練習問題>行政法>行政総論3-5 |
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肢4 道路の占用許可について、開始と終了の具体的な日付を示す附款は、講学上の「条件」に該当する。 |
解説肢4 河川の占用や道路の占用といった、公物を占用する許可は講学上の特許にあたる。 公物を占用することは、本来、国民が有している権利ではなく、新たに設定して与えるものであるから、特許にあたる。 |
| 問10 | 練習問題>行政法>行政総論4-5 |
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肢5 行政行為の附款において、行政庁が負担として課すことができるのは作為義務に限られ、不作為義務を課すことはできない。 |
解説肢2 「負担」とは、主たる意思表示に付随して、行政行為の「相手方」に対し、作為・不作為義務等の特別の義務を命ずる意思表示をいう。 |
| 問11 | 練習問題>行政法>行政手続法9-1 |
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肢1 不利益処分の名宛人となるべき者として弁明の機会の付与の通知を受けた者は、代理人を選任することができる。 |
問題肢3 弁明の機会の付与では、代理人を選任することができる。 解説肢3 弁明の機会の付与では、聴聞の規定のうち、相手方の所在が判明しない場合における所定の書面を掲示場に掲示する通知方法(行政手続法15条3項)と代理人の規定(行政手続法16条)を準用している(行政手続法31条)。 なお、準用はこの2つだけであり、利害関係人の参加や文書等の閲覧など、聴聞で認められていても弁明では認められていないものも多くある。 |
| 問11 | 練習問題>行政法>行政手続法9-1 |
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肢2 不利益処分の名宛人となるべき者として弁明の機会の付与の通知を受けた者は、行政庁に対し、弁明を記載した書面(弁明書)を提出する時までの間、当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができる。 |
解説肢3 弁明の機会の付与では、聴聞の規定のうち、相手方の所在が判明しない場合における所定の書面を掲示場に掲示する通知方法(行政手続法15条3項)と代理人の規定(行政手続法16条)を準用している(行政手続法31条)。 なお、準用はこの2つだけであり、利害関係人の参加や文書等の閲覧など、聴聞で認められていても弁明では認められていないものも多くある。 |
| 問11 | 練習問題>行政法>行政手続法9-1 |
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肢3 弁明を記載した書面(弁明書)が提出された後、当該不利益処分に利害関係を有する者が当該弁明書の閲覧を求めた場合、行政庁は、正当な理由があるときでなければ、その閲覧を拒むことができない。 |
解説肢3 弁明の機会の付与では、聴聞の規定のうち、相手方の所在が判明しない場合における所定の書面を掲示場に掲示する通知方法(行政手続法15条3項)と代理人の規定(行政手続法16条)を準用している(行政手続法31条)。 なお、準用はこの2つだけであり、利害関係人の参加や文書等の閲覧など、聴聞で認められていても弁明では認められていないものも多くある。 |
| 問11 | 練習問題>行政法>行政手続法9-1 |
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肢4 弁明を記載した書面(弁明書)の提出を受けた行政庁は、当該弁明についての調書及び報告書を作成しなければならない。 |
解説肢3 弁明の機会の付与では、聴聞の規定のうち、相手方の所在が判明しない場合における所定の書面を掲示場に掲示する通知方法(行政手続法15条3項)と代理人の規定(行政手続法16条)を準用している(行政手続法31条)。 なお、準用はこの2つだけであり、利害関係人の参加や文書等の閲覧など、聴聞で認められていても弁明では認められていないものも多くある。 |
| 問11 | 練習問題>記述式>行政法Ⅱ>1-15 |
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肢5 行政庁は、弁明を記載した書面(弁明書)が提出された後に新たな事情が生じたときは、弁明書を提出した者に対しその再提出を求めなければならない。 |
解説 行政手続法25条 行政庁は、聴聞の終結後に生じた事情にかんがみ必要があると認めるときは、主宰者に対し、前条3項の規定により提出された報告書を返戻して聴聞の再開を命ずることができる。 |
| 練習問題>行政法>行政手続法9-1 | |
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解説肢3 弁明の機会の付与では、聴聞の規定のうち、相手方の所在が判明しない場合における所定の書面を掲示場に掲示する通知方法(行政手続法15条3項)と代理人の規定(行政手続法16条)を準用している(行政手続法31条)。 なお、準用はこの2つだけであり、利害関係人の参加や文書等の閲覧など、聴聞で認められていても弁明では認められていないものも多くある。 |
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| 問12 | 練習問題>行政法>行政手続法10-2 |
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肢イ 勧告に携わる者は、その相手方に対し、勧告の趣旨及び内容並びに責任者を明確に示さなければならない。 |
問題肢1 行政指導において、その相手方に対し、明確に示さなければならないものは、当該行政指導の趣旨とその内容及び責任者である。 解説肢1 行政指導に携わる者は、その相手方に対して、当該行政指導の趣旨及び内容並びに責任者を明確に示さなければならない(行政手続法35条1項)。 |
| 問12 | 練習問題>行政法>行政手続法10-8 |
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肢ウ 勧告を受けた者は、これに続く命令が個人情報保護法に規定する要件に適合しないと思料する場合、個人情報保護委員会に対し、行政手続法の定めに従って、当該命令をしないよう求めることができる。 |
解説肢3 法令に違反する行為の是正を求める行政指導(その根拠となる規定が法律に置かれているものに限る。)の相手方は、当該行政指導が当該法律に規定する要件に適合しないと思料するときは、当該行政指導をした行政機関に対し、その旨を申し出て、当該行政指導の中止その他必要な措置をとることを求めることができる(行政手続法36条の2第1項)。 |
| 問12 | 練習問題>行政法>行政手続法1-5 |
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肢エ 個人情報保護委員会は、命令をする場合、その名宛人に対し、原則として、同時にその理由を示さなければならない。 |
解説肢1 行政庁は、不利益処分をする場合には、その名あて人に対し、同時に、当該不利益処分の理由を示さなければならない(行政手続法14条1項本文)。 この場合、不利益処分を書面でするときは、理由も書面により示さなければならない(行政手続法14条3項)。 |
| 問13 | 練習問題>行政法>行政手続法4-2 |
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肢1 行政庁は、申請を拒否する処分については申請者に対し当該処分の理由を示さなければならないが、それは申請者からの求めがあった場合に限られ、当該申請者の求める形で行えば足りる。 |
問題肢4 申請により求められた許認可等を客観的に明らかでない理由で拒否する処分をする場合の理由提示 解説肢4 行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合、原則として申請者に対し、同時に、当該処分の理由を示さなければならない(行政手続法8条1項)。 |
| 問13 | 練習問題>行政法>行政手続法4-9 |
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肢2 行政庁は、申請者に対し、当該申請にかかる審査の進行状況及び当該申請に対する処分の時期の見通しを示すよう努めなければならないが、それは申請者の求めに応じて行えば足りる。 |
問題肢3 行政庁は、申請者の求めに応じ、当該申請に係る審査の進行状況および当該申請に対する処分の時期の見通しを示すよう努めなければならない。 解説肢3 行政庁は、申請者の求めに応じ、当該申請に係る審査の進行状況及び当該申請に対する処分の時期の見通しを示すよう努めなければならない(行政手続法9条1項)。 |
| 問13 | 練習問題>行政法>行政手続法5-1 |
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肢3 行政庁は、申請に対する処分について処分基準を定めなければならないが、その処分基準を定めるにあたっては、処分の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。 |
問題肢1 審査基準を定めるにあたって、その内容は許認可等の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。 解説肢1 行政庁は、審査基準を定めるにあたっては、許認可等の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない(行政手続法5条2項)。 許認可等について、行政庁の裁量の余地を多く残すことは、恣意的な判断、更には裏金問題等の不正にも繋がることから、このような規定が設けられている。 |
| 問13 | 練習問題>行政法>行政手続法13-3 |
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肢4 行政庁は、申請を拒否する処分をしようとする場合には、当該申請者について意見陳述のための手続を執らなければならないが、その手続は原則として弁明の機会の付与で足りる。 |
問題肢3 一度なされた砂利採取業の登録を知事が取り消す場合には、相手方に対して聴聞を実施しなければならないが、砂利採取業の登録申請を拒否する処分をする場合には、申請者に弁明の機会を付与すべきこととされる。 解説肢3 申請を拒否する場合、申請者に弁明の機会を付与する必要はない。 聴聞と弁明の期の付与は、不利益処分をしようとする場合に執られる事前の意見陳述のための手続である(行政手続法13条)。そして、不利益処分には、申請拒否処分は含まれない(行政手続法2条4号ロ)。 |
| 問13 | 練習問題>行政法>行政手続法4-5 |
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肢5 行政庁は、申請がその形式上の要件に適合しない場合には、速やかに、当該申請者に対し相当の期間を定めてその補正を求めなければならず、補正を求めることなく許認可等を拒否してはならない。 |
問題肢4 申請書の記載事項の不備などの形式上の要件に適合しない申請がされた場合、行政庁は、申請者に対し、補正を求めた後でなければ、当該申請により求められた許認可等を拒否することはできない。 解説肢4 法令に定められた申請の形式上の要件に適合しない申請について、それが補正不可能の場合であれば補正を求める必要はない。 また、補正可能の場合は、法の趣旨からいえば補正を命じるべきであろうが、条文上はあくまでも補正と拒否は選択の関係であり、行政庁は本肢のように補正を求めなくても許認可等の拒否をすることができる(行政手続法7条)。 一方、行政不服審査法では、審査請求書に不備がある場合に、その補正を命じる規定であり、補正が義務となっている(行政不服審査法23条)。 |
| 問14 | 練習問題>行政法>行政不服審査法3-2 |
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肢1 法人でない社団または財団で代表者または管理人の定めがあるものは、その名で審査請求をすることができる。 |
問題肢5 法人でない社団または財団において、代表者または管理人の定めがない場合、その名で審査請求をすることができる。 解説肢5 法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものは、その名で審査請求をすることができる(行政不服審査法10条)。 |
| 問14 | 練習問題>行政法>行政不服審査法7-6 |
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肢2 審査庁は、必要があると認めるときは審査請求人の代理人の選任を命じることができるが、選任された代理人は、審査請求人のために、取下げを含めた当該審査請求に関する一切の行為をすることができる。 |
問題肢1 審査請求人の代理人は、原則として本人のために、当該審査請求に関する一切の行為をすることができるが、審査請求の取下げについては、審査請求人しかできないとされており、代理人がすることはできない。 解説肢1 「審査請求人しかできない」としているので誤り。 代理人による審査請求の取下げは、特別の委任を受けた場合に限り、することができる(行政不服審査法12条2項)。 |
| 問14 | 練習問題>行政法>行政不服審査法5-4 |
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肢3 審査庁となるべき行政庁は、審理員となるべき者の名簿を作成しなければならないが、当該名簿を公にする必要はない。 |
問題肢2 審理員は、審査庁に所属する職員のうちから指名され、審査庁となるべき行政庁は、審理員となるべき者の名簿を作成しなければならない。 解説肢2 「名簿を作成しなければならない」という点が誤り。 名簿の作成は努力義務である。しかし作成したときは公にする義務が生じる。 審理員は、審査庁に所属する職員から指名され(行政不服審査法9条1項、行政不服審査法9条2項参照)、審査庁となるべき行政庁は、審理員となるべき者の名簿を作成するよう努めなければならない(行政不服審査法17条)。 |
| 問14 | 練習問題>行政法>行政不服審査法3-4 |
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肢4 処分についての審査請求は、複数人が共同してすることはできず、各自がそれぞれ審査請求をする必要がある。 |
問題肢3 多数人が共同して審査請求をしようとするときは、総代を互選することができるが、混乱を防止するため、複数人の総代を互選することは、認められていない。 解説肢3 多数人が共同して審査請求しようとするときは、3人を超えない総代を互選することができる(行政不服審査法11条1項)。 |
| 練習問題>行政法>行政不服審査法5-4 | |
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問題肢4 多数人が共同して審査請求をしようとするときは、その共同審査請求人が総代を互選しない場合、必要があると認めるときは、審理員は、総代の互選を命ずることができる。 解説肢4 多人数が共同で審査請求をするときは、必要があると認めるときは、審理員は総代の互選を命ずることができる(行政不服審査法11条2項)。 共同審査請求や複数の総代がいる場合は、通知等は1名の総代に対してすれば足りると規定されているが(行政不服審査法11条5項)、総代互選命令については、全員に対してすることが必要と解されている。 |
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| 問14 | 練習問題>行政法>行政不服審査法9-1 |
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肢5 処分の申請に対する不作為について審査請求をすることができる者は、申請者に限られることはなく、当該処分がなされることにつき法律上の利益を有する者も含まれる。 |
問題肢4 処分についての不服申立てにおいては、不服申立てができるのは処分の相手方に限られていないが、不作為の不服申立てでは、不作為に係る処分についての申請をした者に限られる。 解説肢4 行政不服審査法では、処分の不服申立てにおいて、申立てできる者についての規定は設けていないが、判例により行政事件訴訟法の原告適格と同様に法律上の利益を有する者ができると解されている。 すなわち、処分の相手方でなくとも法律上の利益を有する者であれば、不服申立てをすることができる。 一方、不作為の不服申立てでは、不作為についての審査請求の不服申立適格を有する者は、法令に基づき行政庁に対して処分についての申請をした者に限定されている(行政不服審査法3条)。 |
| 問15 | 練習問題>行政法>行政不服審査法6-1 |
| 学生A:まず、行政処分について、(ア)処分庁以外の行政庁に対して審査請求をすることができる場合には、処分庁に対して再調査の請求を当然にすることができる。 |
問題肢1 行政庁の処分につき、処分庁以外の行政庁に対して審査請求をすることができる場合、処分庁に再調査の請求をすることは認められない 解説肢1 行政庁の処分につき処分庁以外の行政庁に対して審査請求をすることができる場合でも、法律に再調査の請求をすることができる旨の定めがあるときは、当該処分に不服がある者は、処分庁に対して再調査の請求をすることができる(行政不服審査法5条1項)。 |
| 問15 | 練習問題>行政法>行政不服審査法5-2 |
| 学生A:そして、(イ)再調査の請求は任意的なものであるので、再調査の請求ができる場合でも、直ちに審査請求を提起することもできる。 |
解説肢1 再調査の請求は、法律が特に再調査の請求を認めている場合には、不服申立人は審査請求と再調査の請求を選択できる(行政不服審査法5条1項前半)。 |
| 問15 | 練習問題>行政法>行政不服審査法7-12 |
| 学生A:ちょっと待って・・・。どうやら、(ウ)再調査の請求をすると、原則として、その決定を経た後でなければ審査請求はできないことになっている。 |
解説肢5 行政庁の処分につき処分庁以外の行政庁に対して審査請求をすることができる場合において、法律に再調査の請求をすることができる旨の定めがあるときは、当該処分に不服のある者は、処分庁に対して再調査の請求をすることができる。 再調査の請求と審査請求を選択制として、審査請求を選択したときは再調査の請求はできない(行政不服審査法5条1項)。 その上で、再調査の請求をしたときは、再調査の請求についての決定を経た後でなければ審査請求をすることができないことを原則としているが、この場合でも、「再調査の請求をした日の翌日から起算して3ヵ月を経過しても、処分庁が再調査の請求につき決定をしない場合」「その他正当な理由がある場合」は、決定を経ていなくても審査請求ができる(行政不服審査法5条2項各号)。 |
| 問15 | 練習問題>行政法>行政不服審査法6-2 |
| 学生A:その場合でも、決定を経ることなく、審査請求をすることができる。(エ)このような場合、行政不服審査法では、再調査の請求が棄却されたとみなされることになっている。 |
問題肢5 再調査の請求についての決定を経ないことについて正当な理由があり審査請求がされたときには、再調査の請求は取り下げられたとみなされる。 解説肢5 原則として再調査の請求をしたときは、再調査の請求についての決定を経た後でなければ審査請求をすることはできないが、例外として再調査の請求をした日の翌日から起算して3ヵ月を経過しても処分庁が決定をしない場合と、再調査の請求についての決定を経ないことにつき正当な理由がある場合は、審査請求をすることができる(行政不服審査法5条2項ただし書き)。 以上の規定により審査請求がされたときには、再調査の請求は取り下げられたものとみなされる。(行政不服審査法56条参照)。 |
| 問16 | 練習問題>行政法>行政不服審査法7-10 |
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肢1 行政庁は、利害関係人から、当該処分が不服申立てをすることができる処分であるかどうかや不服申立期間等につき教示を求められても、利害関係人は処分の相手方以外の者であることから、当該事項等を教示する必要はない。 |
問題肢3 行政庁は利害関係人に対して、教示義務はないので、当該処分が不服申立てをすることができる処分であるかどうかについて教示を求められても、行政庁は必ずしも当該事項を教示しなくてもよい。 解説肢3 行政庁は、利害関係人から、当該処分における不服申立てが可能か等、不服申立てに関して教示を求められたときは、当該事項を教示しなければならない(行政不服審査法82条2項)。 なお、書面による教示を求められたときは、書面でしなければならない(行政不服審査法82条3項) |
| 問16 | 練習問題>行政法>行政不服審査法7-5 |
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肢2 行政庁は、審査請求もしくは再調査の請求または他の法令に基づく不服申立てをすることができる処分を書面でする場合、当該処分の相手方に対し、不服申立てができること、不服申立てをすべき行政庁、不服申立てができる期間について、教示をしなければならないが、口頭による教示も認められている。 |
問題肢2 行政庁は、不服申立てをすることができる処分を口頭でする場合、処分の相手方に対し、当該処分につき不服申立てをすることができる旨、不服申立てをすべき行政庁および不服申立期間を教示しなければならない。 解説肢2 行政庁は、不服申立てをすることができる処分を書面でする場合は、処分の相手方に対し、当該処分につき不服申立てをすることができる旨、不服申立てをすべき行政庁および不服申立期間を教示しなければならないが、口頭でする場合は除かれる(行政不服審査法82条1項)。 |
| 問16 | 練習問題>行政法>行政不服審査法7-10 |
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肢3 行政庁は、利害関係人から、当該処分が不服申立てをすることができる処分であるかどうかや不服申立期間等につき書面による教示を求められた場合であっても、これに代えて口頭により教示をすることができる。 |
問題肢3 行政庁は利害関係人に対して、教示義務はないので、当該処分が不服申立てをすることができる処分であるかどうかについて教示を求められても、行政庁は必ずしも当該事項を教示しなくてもよい。 解説肢3 行政庁は、利害関係人から、当該処分における不服申立てが可能か等、不服申立てに関して教示を求められたときは、当該事項を教示しなければならない(行政不服審査法82条2項)。 なお、書面による教示を求められたときは、書面でしなければならない(行政不服審査法82条3項) |
| 問16 | 練習問題>行政法>行政不服審査法7-10 |
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肢4 処分庁により審査請求をすべき行政庁について誤った行政庁が教示された場合、誤って教示された行政庁に書面で審査請求がなされたときは、当該行政庁は、審査庁となるべき行政庁を改めて教示し、審査請求人に審査請求書を返送しなければならない。 |
問題肢1 審査請求をすることができる処分につき、処分庁が誤って審査請求すべきでない行政庁を審査請求すべき行政庁として教示した場合において、その誤った行政庁に審査請求がなされたときは、当該審査請求は却下される。 解説肢1 行政不服審査法では誤った教示をした場合、不服申立人に不利益とならないよう救済措置が規定されている。 本肢のような処分庁が誤って審査請求すべきでない行政庁を審査請求すべき行政庁として教示した場合において、その教示された行政庁に書面で審査請求がされたときは、当該行政庁は、速やかに審査請求書を処分庁又は審査庁となるべき行政庁に送付し、かつ、その旨を審査請求人に通知しなければならない(行政不服審査法22条1項)。 |
| 問16 | 総合テスト>Vol4>問13 |
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肢5 処分庁が不服申立てをすべき行政庁につき教示を怠った場合、当該処分に不服がある者は、処分庁に審査請求書を提出することができ、処分庁以外の行政庁に審査請求ができる処分であるときは、処分庁は、審査請求書を当該行政庁に送付しなければならず、送付された場合、初めから当該行政庁に審査請求がされたものとみなされる。 |
問題肢2 行政庁が教示をしなかった場合にも、当該処分について不服がある者は、当該処分庁に不服申立書を提出することができる。 解説肢2 行政不服審査法83条1項は、「行政庁が行政不服審査法82条の規定による教示をしなかった場合には、当該処分について不服がある者は、当該処分庁に不服申立書を提出することができる。」と規定している。 |
| 問17 | 練習問題>行政法>行政事件訴訟法2-32 |
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肢1 関税定率法(当時)の規定に基づく輸入禁制品に該当する貨物と認めるのに相当の理由がある旨の税関長による通知は、いわゆる観念の通知と見るべきものであるが、当該通知があった場合には、輸入申告者は貨物を適法に輸入する道を閉ざされるのであって、これは当該通知によって生ずるに至った法律上の効果と見るのが相当であり、当該通知は行政処分に当たる。 |
問題肢4 (旧)関税定率法の規定に基づき税関長が行う「輸入禁制品に該当する貨物と認めるのに相当の理由がある」旨の通知は、行政処分に該当しない。 解説肢4 税関長による輸入禁制品該当の通知は、観念の通知であるが、法律に準拠してされるものであり、これによって当該貨物を適法に輸入できなくなるという法律上の効果が生じるから行政処分に該当する(最判昭和54年12月25日)。 |
| 問17 | 練習問題>行政法>行政事件訴訟法2-32 |
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肢3 地方公共団体の水道事業において、水道料金を条例の適用範囲全域につき一律に値上げすることを内容とする水道給水条例が制定された場合、水道の利用者はかかる条例の施行によって値上げされた水道料金の支払義務を負うこととなるため、当該条例の制定行為は行政処分に当たる。 |
問題肢2 地方公共団体が営む簡易水道事業につき、水道料金の改定を内容とする条例の制定行為は、行政処分に該当しない。 解説肢2 普通地方公共団体が営む水道事業に係る条例所定の水道料金を改定する条例の制定行為は、同条例が水道料金を一般的に改定するものであって、限られた特定の者に対してのみ適用されるものではなく、同条例の制定行為をもって行政庁が法の執行として行う処分と実質的に同視することはできないから行政処分には該当しない(最判平成18年7月14日)。 |
| 問17 | 練習問題>行政法>行政事件訴訟法5-3 |
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肢4 登録免許税を過大に納付して登記を受けた者が、登記機関に対して税務署長への還付通知を行うように登録免許税法に基づいて請求した場合、当該通知を拒否する旨の登記機関による通知は、登記等を受けた者の手続上の地位を否定する法的効果を有さないため、行政処分に当たらない。 |
問題肢1 登記等を受けたAが登録免許税法に基づいてした登記機関から税務署長に還付通知をすべき旨の請求に対し、登記機関が拒否通知をした場合、Aは当該拒否通知が行政処分にあたるとして取消訴訟を提起することができる。 解説肢1 登記等を受けた者が登録免許税法に基づいてした登記機関から税務署長に還付通知をすべき旨の請求に対し、登記機関のする拒否通知は、抗告訴訟の対象となる行政処分にあたる(最判平成17年4月14日)。 |
| 問17 | 練習問題>行政法>行政事件訴訟法2-32 |
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肢5 都市計画法に基づく都市計画決定としてなされる工業地域指定は、これによって当該地域内において、建築物の建築を制限する法的効果が土地所有者等に対して生じることとなるため、具体的な権利侵害を伴うものであるから、行政処分に当たる。 |
問題肢3 都市計画法の規定に基づき都道府県知事が行う用途地域の指定は、行政処分に該当する。 解説肢3 ①処分性が否定された例 都市計画法に基づく用途地域・高度地区の指定(最判昭和57年4月22日) 道路に関する都市計画変更決定(最判昭和62年9月22日) 都市計画法に基づく地区計画(最判平成6年4月22日) |
| 問18 | 練習問題>行政法>行政事件訴訟法2-3 |
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肢1 行訴法は、行訴法14条1項のほかに、処分の日から一定期間を経過したときは、取消訴訟を提起することができない旨の定めを置いているが、この定めには「正当な理由があるときは、この限りでない。」とのただし書きは付されていない。 |
解説肢2 取消訴訟は、原則として処分または裁決があったことを知った日から6ヵ月以内に提起しなければならず(行政事件訴訟法14条1項)、知らずに処分または裁決の日から1年を経過したときも、原則として提起することができない(行政事件訴訟法14条2項)。 なお、どちらの期間においても正当な理由があるときは、除かれる。 |
| 問18 | 練習問題>行政法>行政事件訴訟法3-1 |
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肢3 行訴法14条1項が定める出訴期間の定めは、無効等確認訴訟の他、形式的当事者訴訟にも準用されることが行訴法において規定されている。 |
問題肢2 無効等確認の訴えは、出訴期間の制限を受け、その期間を経過した場合、正当な理由があるときを除き、提起できない。 解説肢2 取消訴訟の出訴期間に関する規定を無効等確認の訴えは準用しておらず、また、独自での規定もないため、無効等確認の訴えは出訴期間の制限をうけない(行政事件訴訟法14条1項、行政事件訴訟法38条)。 無効等確認の訴えは、行政行為の無効又は不存在を前提に提訴するものであり、無効又は不存在な行政行為には、その効力として公定力が生じず、不可争力も生じないため、出訴期間の制限を受けないのである。 もっとも、あまりに長期間が経過している場合などでは、信義則に違反するとされることはありうる。 |
| 問18 | 練習問題>記述式>行政法Ⅱ3-4 |
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肢4 審査請求をすることができる処分についてそれがなされた場合、当該処分に係る取消訴訟は、当該審査請求をした者については、行訴法14条1項の規定にかかわらず、当該審査請求を行った日が基準日とされる。 |
解説 主観的出訴期間とは、訴えを提起しようとする者の主観に関係する期間で、一般に「○○があったことを知った日から○○まで」というのが、該当し、この場合は「裁決があったことを知った日から6ヵ月を経過するまで」である。一方、客観的出訴期間とは、訴えを提起しようとする者の主観に関係しない期間で、この場合は「当該裁決の日から1年を経過するまで」である。 |
| 問18 | 練習問題>行政法>行政不服審査法4-5 |
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肢5 都市計画法における都市計画事業の認可のように、処分が個別の通知ではなく告示をもって多数の関係権利者等に画一的に告知される場合には、当該告示があった日が基準日とされる。 |
問題肢4 「処分があったことを知った日」とは、現実に知った日を指すものであり、行政処分が個別の通知ではなく告示をもって多数の関係権利者等に画一的に告知される場合、告示があった日を「処分があったことを知った日」とすることはできない。 解説肢4 「処分が個別の通知ではなく告示をもって多数の関係権利者等に画一的に告知される場合には、そのような告知方法が採られている趣旨にかんがみて、『処分があったことを知った日』というのは、告示があった日をいうと解する」(最判平成14年10月24日) |
| 問19 | 練習問題>行政法>行政不服審査法12-5 |
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肢ア 処分差止めの訴えは、一定の処分がされることにより生ずる償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があるときに限り提起することができる。 |
問題肢4 差止めの訴えが提起できるのは、一定の処分又は裁決がされることにより「 」を生ずるおそれがあり、かつ、その損害を避けるため他に適当な方法がないときである。 解説肢4 差止めの訴えは、一定の処分又は裁決がされることにより重大な損害を生ずるおそれがある場合に限り、提起することができる。 ただし、その損害を避けるため他に適当な方法があるときは、この限りでない(行政事件訴訟法37条の4)。 |
| 問19 | 過去問>令和5年>問25 |
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肢イ 処分差止めの訴えは、対象となる処分がされることにより生ずるおそれのある損害が、処分がされた後に取消訴訟等を提起して執行停止の決定を受けることなどにより容易に救済を受けることができないときに提起することができるとするのか判例である。 |
解説肢3 自衛隊が設置した飛行場における航空機の運航による騒音被害を理由として自衛隊の使用する航空機の運航の差止めを求める訴えについて、行政事件訴訟法37条の4第1項所定の「重大な損害を生ずるおそれ」があるとした差止訴訟の対象となることが認められた。 「自衛隊機の運航により生ずるおそれのある損害は、処分がされた後に取消訴訟等を提起することなどにより容易に救済を受けることができるものとはいえず、本件飛行場における自衛隊機の運航の内容、性質を勘案しても、第1審原告らの自衛隊機に関する主位的請求(運航差止請求)に係る訴えについては、上記の「重大な損害を生ずるおそれ」があると認められる。」(最大判平成28年12月8日) |
| 問19 | 練習問題>行政法>行政事件訴訟法1-4 |
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肢ウ 処分差止めの訴えは、義務付けの訴えと同様、申請に対する処分を対象にする場合とそれ以外の処分を対象にする場合に区分され、訴訟要件と本案勝訴要件につき、それぞれ別個の定めが置かれている。 |
解説肢ア なお、義務付けの訴えは、大きく分けて非申請型と申請型があり、本肢のような申請型(処分拒否型)においては、取消訴訟又は無効等確認の訴えと併合提起することを要する(行政事件訴訟法37条の3)。・・・(中略) |
| 練習問題>行政法>行政不服審査法12-5 | |
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解説肢4 差止めの訴えは、一定の処分又は裁決がされることにより重大な損害を生ずるおそれがある場合に限り、提起することができる。 ただし、その損害を避けるため他に適当な方法があるときは、この限りでない(行政事件訴訟法37条の4)。 |
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| 問19 | 練習問題>行政法>行政事件訴訟法3-1 |
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肢エ 取消しの訴えについては、処分又は裁決を取り消す判決は、第三者に対しても効力を有する旨の規定が置かれているが、この規定は、処分差止めの訴えには準用されていない。 |
解説肢3 無効等確認の訴えでは、取消訴訟の多くの規定を準用しているが、不服申立前置(行政事件訴訟法8条1項ただし書き)については準用されていないため、取消訴訟について個別法で不服申立ての前置が要件とされている処分でも、無効等確認の訴えを提起することができる。 なお、取消訴訟の規定を準用していないもので注意が必要なものとしては「不服申立前置が取られている場合」の他、「第三者効(対世効)」(肢5参照)、「事情判決」、「出訴期間」などがある(行政事件訴訟法38条)。 |
| 問19 | 練習問題>行政法>行政事件訴訟法5-10 |
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肢オ 仮の差止めは、処分差止めの訴えを提起する前においても申し立てることができるが、本案について理由がないとみえるときは、仮の差止めの決定をすることができない。 |
問題肢1 執行停止の申立ては、取消訴訟または無効等確認訴訟を提起しなければ、申立てることはできないが、仮の義務付けおよび仮の差止めはそれぞれ単独でこれを申立てることができる。 解説肢1 執行停止の申立ては、行政事件訴訟法25条2項で「処分の取消しの訴えの提起があった場合において・・・執行停止をすることができる。」としており、取消訴訟または無効等確認訴訟を提起していることが必要である(行政事件訴訟法25条2項、行政事件訴訟法38条3項)。 また、仮の義務付けおよび仮の差止めについても、単独の訴訟類型ではないため、それぞれその前提となる義務付け訴訟又は差止め訴訟を提起してなければ申立てることはできない(行政事件訴訟法37条の5第1項、2項)。 |
| 問20 | 練習問題>行政法>国家賠償法1-5 |
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肢ア 国家賠償法1条は「公権力の行使」によって生じた損害に適用されるが、ここにいう「公権力の行使」は、行政事件訴訟法において抗告訴訟の対象を表す「公権力の行使」と同じ意味であるから、国会議員が行う立法行為は、この概念には含まれないとするのが判例である。 |
問題肢2 国会議員の立法行為は、抽象的な法規範を定めるものであるから、個別の国民の権利に対応した関係での法的義務を負うものではないというべきであって、憲法上保障されている権利を違法に侵害することが明白であっても、国家賠償法における違法の評価は受けるものではない。 解説肢2 国家賠償法1条1項に規定する「公権力の行使」には、行政作用だけでなく、立法権の行使も含まれる。 もっとも、司法権同様、例外的に対象となるにすぎない。・・・(中略) |
| 問20 | 練習問題>行政法>国家賠償法1-7 |
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肢イ 国家賠償法1条は「公権力の行使」によって生じた損害に適用されるが、行政指導や情報提供などの非権力的行政作用も、ここにいう「公権力の行使」に含まれうるとするのが判例である。 |
解説肢3 市がマンションを建築しようとする事業主に対して指導要綱に基づき教育施設負担金の寄付を求めた場合において、事業主による納付の任意性を損なうものでなければ、違法ではないが、指導要綱がこれに従わない事業主には水道の給水を拒否するなどの制裁措置を背景として義務を課することを内容とするものであるときは、事実上強制しようとするものであり、行政指導の限度を超え、違法な公権力の行使にあたる(最判平成5年2月18日)。 |
| 問20 | 練習問題>行政法>国家賠償法1-8 |
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肢ウ 国家賠償法1条による賠償責任を認めるには、加害公務員が「職務を行うについて」他人に損害を与えていることが必要であり、公務員が職務執行の意思をもたずに私的な目的のためになした違法行為については、その外形のいかんにかかわらず、行政主体の賠償責任は成立しないとするのが判例である。 |
解説肢1 客観的に職務執行の外形を備える行為であれば、「公務員が、その職務を行うについて」に含まれ、国又は公共団体は、賠償の責任を負うとされている。 「A巡査がもっぱら自己の利をはかる目的で警察官の職務執行をよそおい、被害者に対し不審尋問の上、犯罪の証拠物名義でその所持品を預り、しかも連行の途中、これを不法に領得するため所持の拳銃で、同人を射殺して、その目的をとげた、判示のごとき職権濫用の所為をもって、同条(国家賠償法1条)にいわゆる職務執行について違法に他人に損害を加えたときに該当する・・・同条は公務員が主観的に権限行使の意思をもってする場合にかぎらず自己の利をはかる意図をもってする場合でも、客観的に職務執行の外形をそなえる行為をしてこれによって、他人に損害を加えた場合には、国又は公共団体に損害賠償の責を負わしめて、ひろく国民の権益を擁護することをもって、その立法の趣旨とするものと解すべきであるからである。」(最判昭和31年11月30日) なお、当該判例は非番の警察官による犯行であるが、これが仮に公務員ではない者による犯行の場合は、外形理論をもっても「公務員が、その職務を行うについて」には含まれないと解されている。 |
| 問20 | 練習問題>行政法>国家賠償法5-1 |
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肢エ 国家賠償法1条による賠償責任を認めるには、加害公務員が職務上尽くすべき注意義務に違反していることが必要であるが、公務員が法律解釈を誤って違法行為を行ったとしでも、それにつき異なる見解が対立し、そのいずれについても相当の根拠が認められる場合には、行政主体の賠償責任は成立しないとするのが判例である。 |
解説肢3 通達は、国民の権利義務に直接具体的な法律上の影響を及ぼすものではないから取消を求める訴を提起することは許されないとされているが(最判昭和43年12月24日)、国家賠償法の責任についての近時判例では、重大な結果を伴う定めを内容とする通達においては、発出する担当者が慎重な検討を行うべき職務上の注意義務を怠って違法な通達を発出すれば、その事自体について国家賠償法上の違法の評価を受けるとしている(最判平成19年11月1日)。 「元来、通達は、原則として、法規の性質をもつものではなく、上級行政機関が関係下級行政機関および職員に対してその職務権限の行使を指揮し、職務に関して命令するために発するものであり、このような通達は右機関および職員に対する行政組織内部における命令にすぎないから、これらのものがその通達に拘束されることはあっても、一般の国民は直接これに拘束されるものではなく、このことは、通達の内容が、法令の解釈や取扱いに関するもので、国民の権利義務に重大なかかわりをもつようなものである場合においても別段異なるところはない。 このように、通達は、元来、法規の性質をもつものではないから、行政機関が通達の趣旨に反する処分をした場合においても、そのことを理由として、その処分の効力が左右されるものではない。また、裁判所がこれらの通達に拘束されることのないことはもちろんで、裁判所は、法令の解釈適用にあたっては、通達に示された法令の解釈とは異なる独自の解釈をすることができ、通達に定める取扱いが法の趣旨に反するときは独自にその違法を判定することもできる筋合である」(前掲、最判昭和43年12月24日)として、本件で問題となった墓地の埋葬に関する通達も墓地の管理・経営者の権利義務に直接具体的な法律上の影響を及ぼすものではないから取消を求める訴を提起することは許されないとした。 |
| 問21 | 練習問題>行政法>国家賠償法1-7 |
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肢1 国又は公共団体の損害賠償の責任については、民法の規定が補充的に適用されるとされており、失火責任法* もここにいう民法に含まれるが、消防署職員の消火活動が不十分なため残り火が再燃して火災が発生した事案は、失火責任法にいう「失火」に該当せず、失火責任法の適用はない。 |
問題肢2 最高裁判例によれば、失火責任法では、失火者に重大な過失がないときは不法行為責任を負わない旨を規定しているが、消防職員の消火ミスにより、一度鎮火したはずの火災が再燃し、家屋が全焼した場合は、同法の適用はされないため、被害者は国又は公共団体に対して国家賠償法1条に基づく損害賠償を求めることができる。 解説肢2 消防職員の消火ミスに係る火災の再燃について判例は「公権力の行使にあたる公務員の失火による国又は公共団体の損害賠償責任については、国家賠償法4条により失火責任法が適用され、当該公務員に重大な過失のあることを必要とするものといわなければならない。」としている(最判昭和53年7月17日)。 |
| 問21 | 過去問>令和6年>問21 |
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肢2 国又は公共団体の公権力の行使に当たる複数の公務員が、その職務を行うについて、共同して故意によって違法に他人に加えた損害につき、国又は公共団体がこれを賠償した場合において、当該加害公務員は、国又は公共団体に対し、各自が負う責任の度合いや資力の有無に応じて分割された求償債務を負う。 |
問題肢3 国または公共団体の公権力の行使にあたる複数の公務員が、その職務を行うについて、共同して故意によって違法に他人に加えた損害につき、国または公共団体がこれを賠償した場合においては、当該公務員らは、国または公共団体に対し、国家賠償法1条2項による求償債務を負うが、この債務は連帯債務であると解される。 解説肢3 「国または公共団体の公権力の行使にあたる複数の公務員が、その職務を行うについて、共同して故意によって違法に他人に加えた損害につき、国または公共団体がこれを賠償した場合においては、当該公務員らは、国または公共団体に対し、連帯して国家賠償法1条2項による求償債務を負うものと解すべきである。」 「当該公務員らは、国または公共団体に対する関係においても一体を成すものというべきであり、当該他人に対して支払われた損害賠償金に係る求償債務につき、当該公務員らのうち一部の者が無資力等により弁済することができないとしても、国または公共団体と当該公務員らとの間では、当該公務員らにおいてその危険を負担すべきものとすることが公平の見地から相当であると解されるからである」(最判令和2年7月14日) |
| 問21 | 過去問>令和3年>問26 |
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肢3 市町村が設置する学校の教諭につき、当該教諭の給与を都道府県が負担する場合において、当該教諭がその職務を行うについて故意又は過失によって違法に生徒に損害を与えたときは、当該教諭の給与を負担する都道府県が、国家賠償法に基づく損害賠償の義務を負い、学校の設置主体である当該市町村は、同法に基づく損害賠償責任を負わない。 |
問題肢エ 市が設置する中学校の教員が起こした体罰事故について、当該教員の給与を負担する県が賠償金を被害者に支払った場合、県は国家賠償法に基づき、賠償金の全額を市に求償することができる。 解説肢エ 国家賠償法3条1項では、国家賠償請求は公務員又は営造物に関し、選任、監督、管理者及び費用負担者のいずれもがその賠償責任を負うと定めており、また、国家賠償法3条2項では、被害者たる国民に賠償した場合、損害を賠償した者は内部関係でその損害を賠償する責任ある者に対して求償権を有するとしている。 判例は、「法令上、損害を賠償するための費用をその事務を行うための経費として負担すべきものとされている者が、同項にいう内部関係でその損害を賠償する責任ある者にあたると解する」とし、公立中学校の教諭の体罰によって生徒が受けた損害を都道府県(教諭の給与負担者)が賠償した場合は、学校教育法及び地方財政法を根拠に当該中学校を設置する市町村(中学校の経費負担者)に対してその全額を求償することができるとした(最判平成21年10月23日)。 |
| 問21 | 練習問題>行政法>国家賠償法3-1 |
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肢4 公の営造物の設置又は管理に瑕疵があることによる国家賠償責任につき、当該営造物の設置又は管理に当たる者とその費用の負担者とが異なるときは、その双方が責任を負うことになるが、ここにいう設置費用の負担者には、当該営造物の設置費用につき法律上の負担義務を負う者のほか、この者と同等もしくはこれに近い設置費用を負担し、実質的には事業を共同して執行していると認められる一定範囲の者も含まれる。 |
問題肢4 国家賠償法2条により国又は公共団体が損害賠償責任を負う場合、同法3条によって、設置費用の負担者も、その損害の賠償をする責任を負うが、ここにいう設置費用の負担とはその全額を負担している者に限られる。 解説肢4 公の営造物の瑕疵による責任について、公の営造物の設置管理に責任を持つ者と、その費用負担者とが異なる場合は、費用負担者も賠償責任を負うが、ここにいう費用の負担者とは必ずしもその全額の負担を要するわけではない。 「同法(国家賠償法)3条1項所定の設置費用の負担者には、当該営造物の設置費用につき法律上負担義務を負う者のほか、この者と同等もしくはこれに近い設置費用を負担し、実質的にはこの者と当該営造物による事業を共同して執行していると認められる者であって、当該営造物の瑕疵による危険を効果的に防止しうる者も含まれると解すべきである」(最判昭和50年11月28日) |
| 問21 | 練習問題>行政法>国家賠償法1-6 |
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肢5 国又は公共団体の公務員による一連の職務上の行為の過程において他人(被害者)に被害を生せしめた事案においては、それらの一連の行為を組成する各行為のいずれもが国又は同一の公共団体の公務員の職務上の行為にあたる場合であったとしても、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償責任が成立するためには、被害者において、当該事案における加害行為とそれを行った者を特定しなければならない。 |
問題肢3 国又は地方公共団体の公務員による一連の職務上の行為の過程において他人に損害を与えた場合、その被害者が国又は公共団体が損害賠償請求するには、その損害が具体的にどの公務員のどのような違法行為によるものであるかを特定しなければならない。 解説肢3 「具体的にどの公務員のどのような違法行為によるものであるかを特定することができなくても、右の一連の行為のうちのいずれかに行為者の故意又は過失による違法行為があったのでなければ右の被害が生ずることはなかったであろうと認められ、かつ、それがどの行為であるにせよこれによる被害につき行為者の属する国又は公共団体が法律上賠償の責任を負うべき関係が存在するときは、国又は公共団体は、加害行為不特定の故をもって国家賠償法又は民法上の損害賠償責任を免れることができない」(最判昭和57年4月1日) |
| 問22 | 練習問題>憲法>経済的自由1 |
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肢1 ため池の破損等の原因となる堤とうの使用行為は憲法、民法の保障する財産権の行使の埒外にあることから、これを条例をもって禁止し、処罰の対象にしても憲法および法律に抵触するものとはいえない。 |
問題肢1 財産権の内容は法律で定めることとされており、条例により財産権に制限を加えることは一切許されない。 解説肢1 「ため池の堤とうを使用する財産上の権利を有する者の・・・ため池の破損、決かいの原因となるため池の堤とうの使用行為は、・・・条例をもって禁止、処罰しても憲法および法律に抵触またはこれを逸脱するものとはいえない」(奈良県ため池条例事件:最大判昭和38年6月26日) |
| 問22 | 練習問題>行政法>地方自治法5-2 |
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肢2 地方自治法の定める相当に具体的な内容の事項につき、同法に基づき限定された刑罰の範囲内において、条例をもって罰則を定めることは憲法31条に反するとはいえない。 |
問題肢3 法律の委任がある事項につき、委任の範囲内で地方公共団体が条例に罰則を定めることは可能である。 解説肢3 法律の授権による条例の刑罰について判例は「法律の授権によってそれ以下の法令によって定めることもできると解すべきで・・・条例は、法律以下の法令といっても、・・・国民の公選した議員をもって組織する国会の議決を経て制定される法律に類するものであるから、条例によって刑罰を定める場合には、法律の授権が相当な程度に具体的であり、限定されておればたりると解する」(最大判昭和37年5月30日)としている。 |
| 問22 | 練習問題>行政法>地方自治法5-8 |
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肢5 集団行進および集団示威行為における交通秩序の維持を目的とする条例は、道路交通法と同一の行為を処罰することになるため、憲法31条に違反する。 |
問題肢5 地方公共の安寧と秩序を維持することを条例によって規制する場合、国の法令による規制とその目的が同一であったり、部分的に共通することは許されない。 解説肢5 「特定事項についてこれを規律する国の法令と条例とが併存する場合でも、後者が前者とは別の目的に基づく規律を意図するものであり、その適用によって前者の規定の意図する目的と効果をなんら阻害することがないときや、両者が同一の目的に出たものであっても、国の法令が必ずしもその規定によって全国的に一律に同一内容の規制を施す趣旨ではなく、それぞれの普通地方公共団体において、その地方の実情に応じて、別段の規制を施すことを容認する趣旨であると解されるときは、国の法令と条例との間にはなんらの矛盾抵触はなく、条例が国の法令に違反する問題は生じえない」(徳島市公安条例事件:最大判昭和50年9月10日) |
| 問23 | 練習問題>行政法>地方自治法12-11 |
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肢1 議会の議決に属する事項については、軽易な事項であるか杏かにかかわらず、議会が議決により知事の専決処分に委ねることはできない。 |
問題肢1 議会の権限に属する軽易な事項で、その議決により特に指定したものは、長において専決処分にすることができる。 解説肢3 普通地方公共団体の議会の権限に属する軽易な事項で、その議決により特に指定したものは、普通地方公共団体の長において、これを専決処分にすることができる(地方自治法180条1項)。 「専決処分」とは、本来は議会の議決・決定を経なければならない事柄について、地方自治法の規定に基づいて、地方公共団体の長が自ら処理することである。 その内容は、大きく分けて「任意代理的専決処分」と「法定代理的専決処分」がある。 |
| 問23 | 練習問題>行政法>地方自治法11-4 |
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肢2 知事は、議会における議決について異議があるときは、その議決が法令に違反しないものである場合であっても、当該議決を再議に付すことができる。 |
問題肢1 普通地方公共団体の議会の議決について異議があるときは、当該普通地方公共団体の長は、理由を示してこれを再議に付することができる。 解説肢3 普通地方公共団体の議会の議決について異議があるときは、当該普通地方公共団体の長は、この法律に特別の定めがあるものを除くほか、その議決の日(条例の制定若しくは改廃又は予算に関する議決については、その送付を受けた日)から10日以内に理由を示してこれを再議に付することができる(地方自治法176条1項)。 |
| 問23 | 練習問題>行政法>地方自治法12-5 |
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肢4 知事は、緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認める場合には、議決事項を専決処分とすることができるが、後に議会がこれを承認しない場合には、当該専決処分は無効となる。 |
問題肢1 普通地方公共団体の長が、特に緊急を要し、議会を招集する時間的余裕がないため、専決処分をした場合においては、長は、次の会議においてこれを議会に報告し、その承認を求めなければならない。 解説肢1 専決処分とは、本来は議会の議決・決定を経なければならない事柄について地方自治法の規定に基づいて議会の議決・決定を経ずに地方公共団体の長自らが処理することをいう。 その内容としては、議会が成立しないとき、規定の議員の定数の出席等がなく、会議を開くことができないとき、緊急を要するとき、議会が議決すべき事件を議決しないとき、議決により特に指定した軽易な事項、これらについて地方公共団体の長は専決処分にすることができる(地方自治法179条1項、地方自治法180条1項)。 議決により特に指定した軽易な事項の専決処分は議会の報告で足りるが、その他の専決処分については、長は、次の会議においてこれを議会に報告し、その承認を求めなければならない。 なお、承認を得られなかった場合については規定されてないが、その場合も専決処分は有効であり、長の政治責任が問われるに過ぎないと解されている。 |
| 問23 | 練習問題>行政法>地方自治法11-10 |
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肢5 議会により不信任が議決された場合には、知事は議会を解散することができるが、解散後初めて議会が招集された時に自動的に失職する。 |
問題肢3 地方公共団体の長は、不信任の議決を受けて解散権行使に基づく議会議員の選挙の後、議会が招集されたときは、直ちに辞職しなければならない。 解説肢3 普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体の長の不信任の議決を受けて議会を解散した場合、その解散後初めて招集された議会において再び不信任の議決があったときは、その旨の通知があった日にその職を失う(地方自治法178条2項)。 |
| 問24 | 過去問>平成28年>問23 |
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肢ア 各大臣は、その担任する事務に関し、都道府県の自治事務の処理が法令の規定に違反していると認めるときは、当該都道府県に対し、是正の要求をすることができる。 |
問題肢ウ 各大臣は、その担任する事務に関し、都道府県の自治事務の処理が法令の規定に違反していると認めるとき、または著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害していると認めるときは、当該都道府県に対し、当該自治事務の処理について違反の是正または改善のため必要な措置を講ずべきことを求めることができる。 解説肢ウ 各大臣は、その担任する事務に関し、都道府県の自治事務の処理が法令の規定に違反していると認めるとき、又は著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害していると認めるときは、当該都道府県に対し、当該自治事務の処理について違反の是正又は改善のため必要な措置を講ずべきことを求めることができる(地方地自法245条の5第1項)。 |
| 問24 | 過去問>令和2年>問23 |
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肢ウ 都道府県知事は、市町村長の担任する自治事務の処理が法令の規定に違反していると認めるときは、各大臣の指示によることなく、当該市町村に対し、是正の要求をすることができる。 |
問題肢5 都道府県知事は、市町村長の担任する自治事務の処理が法令の規定に違反していると認めるとき、または著しく適正を欠き、かつ明らかに公益を害していると認めるときは、当該市町村に対し、当該自治事務の処理について違反の是正または改善のため必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。 解説肢5 都道府県の執行機関は、市町村の当該各号に定める自治事務の処理が法令の規定に違反していると認めるとき、又は著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害していると認めるときは、当該市町村に対し、当該自治事務の処理について違反の是正又は改善のため必要な措置を講ずべきことを勧告することができる(地方自治法245条の6柱書き、1号)。 |
| 問24 | 過去問>平成28年>問23 |
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肢エ 各大臣は、その所管する法律又はこれに基づく政令に係る都道府県の法定受託事務の処理が法令の規定に違反していると認めるときは、当該都道府県に対し、是正の指示をすることができる。 |
問題肢エ 各大臣は、その所管する法律またはこれに基づく政令に係る都道府県の法定受託事務の処理が法令の規定に違反していると認めるとき、または著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害していると認めるときは、当該都道府県に対し、当該法定受託事務の処理について違反の是正または改善のため講ずべき措置に関し、必要な指示をすることができる。 解説肢エ 各大臣は、その所管する法律又はこれに基づく政令に係る都道府県の法定受託事務の処理が法令の規定に違反していると認めるとき、又は著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害していると認めるときは、当該都道府県に対し、当該法定受託事務の処理について違反の是正又は改善のため講ずべき措置に関し、必要な指示をすることができる(地方自治法245条の7第1項)。 |
| 問25 | 練習問題>記述式>行政法Ⅰ>1-10 |
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肢1 東京都建築安全条例に基づく安全認定を先行処分とする建築確認の取消訴訟において、当該安全認定について裁判所が審査できるのは、重大かつ明白な瑕疵があり無効か否かに限定される。 |
解説 その判例(最判平成21年12月17日)では、建築確認の取消訴訟において、先行する建築安全条例による安全認定(異なる機関による処分であり、既に出訴期間が徒過している)の違法を主張することが許されるかが争点となった。 そして、判例は、建築確認と安全認定は、避難又は通行の安全の確保という同一の目的を達成するために行われるもので、結合して初めて建築主に一定の地位を付与するという効果を発揮する点や安全認定についてその適否を争うための手続的保障が十分ではなく、その段階では判断が難しいことを理由に先行する安全認定の違法を主張することは許されるとした。・・・(中略) |
| 問25 | 練習問題>行政法>行政事件訴訟法2-13 |
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肢3 建築確認は、建築工事の開始前に、当該建築物の計画が建築関係規定に適合することを公権的に判断する行為にすぎないため、建築確認に対する取消訴訟の係属中に、当該建築確認に係る建築工事が完了した場合、当該取消訴訟の訴えの利益は消滅する。 |
問題肢5 建築確認処分の取消訴訟を提起し、その係属中に対象建築物の工事が完了した場合であっても、当該建築確認処分の取消しにより行政庁が是正措置命令を発することが一般的に期待されるから、訴えの利益は失われない。 解説肢5 建築確認処分の取消しを求める訴えにおいて、訴えの利益は、建築物の建築工事の完了によって失われる。 「建築確認は、それを受けなければ工事をすることができないという法的効果を付与されているにすぎないものというべきであるから、当該工事が完了した場合においては、建築確認の取消しを求める訴えの利益は失われるものといわざるを得ない。」(最判昭和59年10月26日)。 |
| 問25 | 過去問>令和6年>問21 |
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肢4 民間の指定確認検査機関が行った建築確認につき、その取消訴訟を提起した原告が、この訴えを、損害賠償を求める訴えに変更することの許可を申し立てる場合、変更後の訴えの被告は、当該指定確認検査機関である民間法人となる。 |
問題肢1 指定確認検査機関による建築確認に係る建築物について、確認をする権限を有する建築主事が置かれた地方公共団体は、指定確認検査機関が行った当該確認について、国家賠償法1条1項の国または公共団体としての責任を負うことはない。 解説肢1 当該地方公共団体は、国家賠償法1条1項の国または公共団体としての責任を負うことになるので妥当でない。 近頃、民による行政の拡大に伴い、行政事務の民間委託との関係で国家賠償法の適用が争われている事例が増えている。 そして本肢のように指定確認検査機関は民間機関とはいえ、公務員と同様である建築主事と同様に行政とみなされることから判例は、「指定確認検査機関による確認に関する事務は、建築主事による確認に関する事務の場合と同様に、地方公共団体の事務であり、その事務の帰属する行政主体は、当該確認に係る建築物について確認をする権限を有する建築主事が置かれた地方公共団体である」 「したがって、指定確認検査機関の確認に係る建築物について確認をする権限を有する建築主事が置かれた地方公共団体は、指定確認検査機関の当該確認につき行政事件訴訟法21条1項所定の「当該処分または裁決に係る事務の帰属する国または公共団体」にあたる。」 「本件の事情の下においては、本件確認の取消請求を抗告人に対する損害賠償請求に変更することが相当である」としている(最決平成17年6月24日) |
| 問25 | 過去問>平成30年>問20 |
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肢5 一級建築士により構造計算書に偽装が行われていた建築物の計画について、これを看過した建築主事による建築確認が国家賠償法の適用上違法となる余地はなく、当該建築確認の申請者である建築主による国家賠償請求は認められない。 |
問題肢ア 建築主事は、建築主の申請に係る建築物の計画について建築確認をするに当たり、建築主である個人の財産権を保護すべき職務上の法的義務を負うものではないから、仮に当該建築主の委託した建築士が行った構造計算書の偽装を見逃したとしても、そもそもその点について職務上の法的義務違反も認められないことから、当該建築確認は国家賠償法1条1項の適用上違法にはならない。 解説肢ア 判例によれば、「建築士の設計に係る建築物の計画についての建築主事による建築確認は、当該計画の内容が建築基準関係規定に明示的に定められた要件に適合しないものであるときに、申請書類の記載事項における誤りが明らかで、当該事項の審査を担当する者として他の記載内容や資料と符合するか否かを当然に照合すべきであったにもかかわらずその照合がされなかったなど、建築主事が職務上通常払うべき注意をもって申請書類の記載を確認していればその記載から当該計画の建築基準関係規定への不適合を発見することができたにもかかわらずその注意を怠って漫然とその不適合を看過した結果当該確認を行ったと認められる場合に、国家賠償法1条1項の適用上違法となる。」 さらに、建築主事が「職務上通常払うべき注意をもって申請書類の記載を確認していればその記載から本件建築物の計画の建築基準関係規定との不適合を発見することができたにもかかわらずその注意を怠って漫然とその不適合を看過したものとは認められず、他にそのように認められるべき事情もうかがわれないから、本件建築確認が国家賠償法1条1項の適用上違法となるとはいえない」としている(最判平成25年3月26日)。 |
| 問26 | 練習問題>行政法>情報公開法2-8 |
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肢1 開示請求にかかる行政文書に個人に関する情報が含まれている場合、開示請求者は、法が定める範囲内で、行政機関において、特定の個人を識別することができないように個人情報を加工した情報を記載した新たな別の行政文書を作成し、その交付を求めることができる。 |
問題肢5 行政機関の長は、開示請求に係る行政文書の一部に不開示情報が記録されている場合において、不開示情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができるときは、当該部分を除いた部分につき開示しなければならない。 解説肢5 行政機関の長は、開示請求に係る行政文書の一部に不開示情報が記録されている場合において、不開示情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができるときは、原則として開示請求者に対し、当該部分を除いた部分につき開示しなければならない(情報公開法6条)。 |
| 問26 | 過去問>令和2年>問25 |
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肢2 法にいう「行政文書」とは、行政機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録であって、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして、事案処理手続における決裁、縦覧を経た上で当該行政機関が保有しているものをいう。 |
解説肢2 情報公開法における行政文書とは、行政機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録であり、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして、当該行政機関が保有しているものをいうと定められている(情報公開法2条2項本文)。 |
| 問26 | 練習問題>行政法>情報公開法2-11 |
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肢3 法は、国民主権の理念にのっとり、行政文書の開示を請求する権利につき定めることにより、政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにすることを目的としていることから、外国に在住する外国人は、行政文書の開示を請求する権利を有しない。 |
問題肢5 自然人及び法人は情報公開法に基づき、行政文書の開示請求することができるが、いわゆる権利能力なき社団等の法人でない社団は開示請求権者になることはできない。 解説肢5 情報公開法3条では、「何人も」、情報公開法の定めるところにより、行政機関の長に対し、当該行政機関の保有する行政文書の開示を請求することができるとしているが、ここにいう「何人も」には、法人や外国人のみならず、いわゆる権利能力なき社団も含むと解されている。 判例も下級審判決だが、権利能力なき社団が開示請求権者になることを肯定している(東京高判平成17年8月9日)。 |
| 問26 | 練習問題>行政法>情報公開法2-6 |
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肢4 法は、個人に関する情報について、それが一般に他人に知られたくないと望むことが正当であると認められる情報であるか否かにかかわりなく、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるものを不開示情報としている。 |
問題肢1 個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの。 解説肢1 特定の個人を識別することができるものは、不開示情報にあたるが、他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものはこれに含まれる(情報公開法5条1号本文)。 |
| 問26 | 練習問題>行政法>情報公開法2-8 |
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肢5 行政機関の長は、開示請求に係る行政文書の一部に不開示情報が記録されている場合において、不開示情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができるときは、法の定める場合を除き、開示請求者の求めに応じ、当該部分を除いた情報の概要を記載した新たな別の文書を作成し、これを交付しなければならない。 |
問題肢5 行政機関の長は、開示請求に係る行政文書の一部に不開示情報が記録されている場合において、不開示情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができるときは、当該部分を除いた部分につき開示しなければならない。 解説肢5 行政機関の長は、開示請求に係る行政文書の一部に不開示情報が記録されている場合において、不開示情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができるときは、原則として開示請求者に対し、当該部分を除いた部分につき開示しなければならない(情報公開法6条)。 |
民法
| 令和7年本試験 | 合格道場掲載 |
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| 問27 | 過去問>平成27年>問27 |
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肢2 後見開始の審判をする場合において、本人が被保佐人又は被補助人であるときは、家庭裁判所は、その本人に係る保佐開始又は補助開始の審判を取り消さなければならない。 |
問題肢オ 後見開始の審判をする場合において、本人が被保佐人または被補助人であるときは、家庭裁判所は、その本人に係る保佐開始または補助開始の審判を取り消す必要はないが、保佐開始の審判をする場合において、本人が成年被後見人であるときは、家庭裁判所は、その本人に係る後見開始の審判を取り消さなければならない。 解説肢オ 後見開始の審判をする場合において、本人が被保佐人または被補助人であるときは、家庭裁判所は、その本人に係る保佐開始または補助開始の審判を取り消さなければならない(民法19条1項)。 また、民法19条1項の規定は、保佐開始の審判をする場合において本人が成年被後見人もしくは被補助人であるとき、または補助開始の審判をする場合において本人が成年被後見人もしくは被保佐人であるときについて準用する(民法19条2項)。 後見、保佐、補助は、それぞれの本人の事理弁識能力も違えば、後見人等監護者の権限も異なるため、制度を二重に走らせることはしないのである。 |
| 問27 | 練習問題>民法>総則3-5 |
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肢3 被保佐人が遺産の分割をする場合には、その保佐人の同意を得る必要はないが、被保佐人が相続の承認又は放棄をする場合には、その保佐人の同意を得なければならない。 |
解説肢イ 被保佐人の贈与に関しては単に贈与を受けることは保佐人の同意を得なくてよいが、「贈与の申込みの拒絶」「負担付贈与の申込みを承諾」「贈与すること」のような財産上の重要な行為については同意を要する(民法13条1項5号、7号)。 |
| 問27 | 練習問題>民法>総則3-4 |
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肢4 制限行為能力者が、行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない。 |
問題肢3 買主Dが成年被後見人である場合に、DがAに対し行為能力者であると信じさせるために詐術を用いたときには、制限行為能力を理由として当該契約を取り消すことはできない。 解説肢3 制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない(民法21条)。 詐術とは、制限行為能力者が相手方に行為能力者であることを信じさせるため積極的手段(未成年者が戸籍謄本を偽造して、成年者にみせる等)を用いたり、法定代理人や保佐人の同意があるかのように信じさせることである。 制限行為能力者が単に黙示をしているのみでは詐術にあたらないが、他の言動と相まって相手方を誤信させ、または誤信を強めたと認められるときには詐術にあたるとされている(最判昭和44年2月13日)。 |
| 問27 | 練習問題>記述式>民法Ⅰ>15 |
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肢5 制限行為能力者の相手方が、制限行為能力者が行為能力者とならない間に、その法定代理人、保佐人又は補助人に対し、その権限内の行為について、1箇月以上の期間を定めて、その期間内にその取り消すことができる行為を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をした場合、これらの者がその期間内に確答を発しないときは、その行為を追認したものとみなす。 |
解説 民法20条 制限行為能力者の相手方は、その制限行為能力者が行為能力者(行為能力の制限を受けない者をいう。以下同じ。)となった後、その者に対し、1ヵ月以上の期間を定めて、その期間内にその取り消すことができる行為を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、その者がその期間内に確答を発しないときは、その行為を追認したものとみなす。 2項 制限行為能力者の相手方が、制限行為能力者が行為能力者とならない間に、その法定代理人、保佐人又は補助人に対し、その権限内の行為について前項に規定する催告をした場合において、これらの者が同項の期間内に確答を発しないときも、同項後段と同様とする。 |
| 問28 | 練習問題>民法>総則5-5 |
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肢イ 法定代理人は、任意代理人と異なり、いつでも復代理人を選任することができるが、やむを得ない事由があるときは、本人に対してその選任及び監督についての責任のみを負う。 |
問題肢1 法定代理人は、やむを得ない理由により復代理人を選任した場合には、その選任及び監督について本人に対して責任を負うに過ぎない。 解説肢1 法定代理人は、自己の責任で自由に復代理人を選任でき、その復代理人が何か本人に損害をもたらした場合は、原則として、復代理人に過失があるときは法定代理人に過失がなくてもその責任を負う。ただし、やむを得ない事由があって、選任したときは、復代理人の選任・監督についてのみ、その責任を負う(民法105条)。 |
| 問28 | 練習問題>民法>総則5-5 |
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肢ウ 法定代理人も任意代理人も、本人が死亡した場合には当然に代理権を失うが、任意代理については、本人と任意代理人との間に本人が死亡した後も代理権が存続する旨の合憲がある場合には、本人が死亡した後も代理権が存続する。 |
解説肢3 代理権の消滅事由(民法111条1項、2項、民法653条) 本人 死亡 破産手続開始(委任代理のみ) 委任の終了(委任代理のみ) 代理人 死亡 破産手続開始 後見開始 委任の終了(委任代理のみ) |
| 問28 | 練習問題>民法>総則5-16 |
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肢エ 代理人であった者がその代理権が消滅した後に、その代理権の範囲内において代理行為を行った場合、その者が当該代理人が任意代理人であったか法定代理人であったかを問わず、本人は、代理権の消滅について善意・無過失の第三者に対して、その責任を負う。 |
解説肢4 他人に代理権を与えた者は、代理権の消滅後にその代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、代理権の消滅の事実を知らなかった第三者に対してその責任を負う。 ただし、第三者が過失によってその事実を知らなかったときは、この限りでない(民法112条1項)。 |
| 問28 | 一問一答>民法>総則87 |
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肢オ 代理人が制限行為能力者であったとしても、当該代理人の代理行為を制限行為能力を理由として取り消すことはできず、これは当該代理人が他の制限行為能力者の法定代理人である場合でも同様である。 |
制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。ただし、制限行為能力者が他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為については、この限りでない(民法102条)。制限行為能力者を任意代理人として選任した場合、本人は制限行為能力を理由に意思表示を取り消すことができないが、法定代理人が制限行為能力者の場合は例外が認められる。これは、取り消しが認められないと、本人の保護という制限行為能力制度の目的が達せられないおそれがあることと、本人が代理人を選任したわけではないのに、代理人が制限行為能力者であることのリスクを本人に負担させることを防ぐためである。 したがって、制限行為能力者Bが制限行為能力者Aの法定代理人として締結した売買契約は、取り消すことができる。 |
| 問29 | 練習問題>民法>物権5-4 |
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肢ア Aは、相続により、被相続人Bが現に占有していた動産甲を、それが設置された不動産と共に承継したが、甲はCの所有物であった。この場合、甲がBの所有物でないことにつきAが善意・無過失であれば、Aは甲を即時取得する。 |
解説 即時取得の要件等について ①対象が動産であること(例外:登録制度のある、自動車、船舶などは対象外) ②前主が無権利者であること ③取引行為によること ④平穏、公然、善意、無過失に占有開始したこと |
| 問29 | 練習問題>民法>物権5-4 |
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肢イ Aは、売買により動産乙を、現にそれを占有する未成年者Bから購入して現実の引渡しを受けたが、その後、Bの法定代理人Cが、AB間の売買契約を未成年を理由に取り消した。この場合、Bが未成年者であったことにつきAが善意・無過失であれば、Aは乙を即時取得する。 |
解説 即時取得の要件等について ①対象が動産であること(例外:登録制度のある、自動車、船舶などは対象外) ②前主が無権利者であること ③取引行為によること ④平穏、公然、善意、無過失に占有開始したこと ※制限行為能力者、詐欺、錯誤、強迫、無権代理人である場合などは対象外 以上の要件に一つでも合致しなければ、即時取得成立はせず、また要件を満たしても盗品または遺失物については、もともとの権利者に回復請求権または、買取請求権が認められている。 |
| 問29 | 練習問題>民法>物権5-4 |
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肢ウ Aは、売買により動産丙を、現にそれを占有するBから購入して現実の引渡しを受けた。丙が自動車である場合、丙が登録済みであるか否かにかかわらず、Aは丙を即時取得しない。 |
問題肢エ Aの所有する未登録の自動車をCが窃取し、CがこれをBに売却したが、Bは、その自動車が盗品である事実について善意・無過失であった場合 解説肢エ Bは、自動車を即時取得する余地がある。 道路運送車両法によって登録されている自動車は、登録制度によって公示されているものなので即時取得における対象となる動産には含まれない(最判昭和62年4月24日)。 しかし、未登録の自動車については、即時取得における対象となる動産には含まれる(最判昭和45年12月4日)。 なお、同様に登録制度によって公示されている船舶、航空機なども即時取得における対象となる動産には含まれないことになる。 |
| 問29 | 練習問題>民法>物権5-4 |
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肢エ Aは、売買により動産丁を、それを占有代理人Cによって占有するBから購入し、BはCに今後Aのために占有するように指示してAがそれを承諾した。丁はAからBに寄託されているものであった場合、承諾時において丁がBの所有物でないことにつきAが善意・無過失であれば、後にその事実を知るに至ったとしても、Aは丁を即時取得する。 |
問題肢オ AはDから預かっていた時計について、自己のものとして、そのことについて善意・無過失のBに売却したが、時計はCが保管していたため、AはBの承諾を得たうえでCに対し、以後Bのためにその時計を保管することを命じた場合 解説肢オ 本肢は、指図による占有移転である。 指図による占有移転とは代理人によって占有をする場合において、本人がその代理人に対して以後第三者のためにその物を占有することを命じ、その第三者の承諾を得ることによって成立する(民法184条)。 指図による占有移転での即時取得は、判例において認められている。 「寄託者が倉庫業者に対して発行した荷渡指図書に基づき倉庫業者が寄託者台帳上の寄託者名義を変更して右寄託の目的物の譲受人が指図による占有移転を受けた場合には、民法192条の適用がある。」(最判昭和57年9月7日) なお、占有改定による即時取得が認められていない事と混同しないように注意。 |
| 問29 | 練習問題>民法>物権5-4 |
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肢オ Aは、売買により動産戊を、現にそれを占有するBから購入したが、その際、AがBの元に戊を引取りにいくこととし、それまでの間、BがAのために占有することが合意された。戊はBが他から賃借したものであった場合、AがBから戊の現実の引渡しを受ける時点において、戊がBの所有物でないことにつきAが善意・無過失であれば、Aは戊を即時取得する。 |
解説 即時取得の要件等について ①対象が動産であること(例外:登録制度のある、自動車、船舶などは対象外) ②前主が無権利者であること ③取引行為によること ④平穏、公然、善意、無過失に占有開始したこと |
| 問30 | 練習問題>民法>物権11-14 |
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肢1 AはBに対して、催告した上で代金不払を理由として本件売買契約を解除する旨の通知を行った場合、その後Bは甲をCに売却して引き渡したとしても、Aは、Cに対して甲の返還を求めることができる。 |
問題肢オ Aが甲をすでにBに引き渡しており、さらにBがこれをCに引き渡した場合であっても、Bが売買代金を支払わないことを理由にAが本件売買契約を解除(債務不履行解除)したときは、Aは、Cに対して所有権に基づく甲の引渡請求をすることができる。 解説肢オ Cは既に引渡しを受けているから、AはCに対して所有権に基づく甲の引渡請求をすることができない。 当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。ただし、第三者の権利を害することはできない(民法545条1項)。 このただし書きの第三者として保護されるためには、善意・悪意は問わないが、権利保護要件としての対抗要件が必要であり(最判昭和33年6月14日)、甲は動産であるから、引渡しが対抗要件となる(民法178条)。 |
| 問31 | 練習問題>民法>物権11-14 |
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肢1 本件債権譲渡通知がZに到達する前に、ZがすでにAに対して本件債権を弁済していた場合、Zは、Bから本件債権の弁済を請求されたとしても、これを拒むことができる。 |
解説肢5 債権の譲渡について通知を受けたBは虚偽表示であることを善意の譲受人Cに主張することができない。 債務者は、対抗要件具備時までに譲渡人に対して生じた事由をもって譲受人に対抗することができる(民法468条1項)。 一方で、虚偽表示(通謀虚偽表示)による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができないとされている(民法94条2項)。 |
| 問31 | 練習問題>民法>債権Ⅰ>7-4 |
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肢2 Aは、本件債権をBに譲渡した直後にCに対しても譲渡し、その旨の債権譲渡通知が内容証明郵便によって行われ、これが本件債権譲渡通知と同時にZに到達した。Zが、Bから本件債権の弁済を求められた場合、同順位の対抗要件を具備したCの存在を理由として、これを拒むことができる。 |
問題肢4 Cへの譲渡についてのAの確定日付証書による通知と、第三者Dの同一債権に対する差押命令とが、同時にBに到達したとき、Bは、Dへの支払、供託等によりこの債権が消滅していない以上、Cからの請求を拒むことはできない。 解説肢4 債権が二重に譲渡された場合、譲受人相互間の優劣は、確定日付のある通知が債務者に到達した日時又は確定日付のある債務者の承諾の日時の先後によって決する(最判昭和49年3月7日、最判昭和58年11月4日)。 確定日付のある各譲渡通知や差押命令の複数が同時に債務者に到達したり、到達時期の前後が不明であったりしたときは、その優劣を決したり、優劣を主張したりすることはできないが(最判平成5年3月30日)、各譲受人は、債務者に対しそれぞれの譲受債権全額の弁済を請求することができ、譲受人の一人から弁済の請求を受けた債務者は、他の譲受人に対する弁済その他の債務消滅事由が存在しない限り、弁済の責を免れることができない(最判昭和55年1月11日)。 |
| 問31 | 練習問題>民法>債権Ⅰ>7-4 |
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肢4 本件債権譲渡通知がZに到達する前に、ZがすでにAに対して貸金債権を有している場合、当該通知の到達後に、Aに対して本件債権と当該貸金債権を相殺する旨の意思表示を行ったとしても、Zは、この相殺による本件債権の消滅をBに対して主張することができる。 |
問題肢2 Aが金銭債権をCに譲渡することをBが承諾した後でも、債権譲渡前にBがAに貸し付けていた金銭債権をもって、Bは相殺をすることができる。 解説肢2 債務者は、対抗要件具備時より前に取得した譲渡人に対する債権による相殺をもって譲受人に対抗することができる(民法469条1項)。 対抗要件具備時とは、譲渡通知を受け、又は譲渡の承諾をした時までとされている。 よって、BはCに対して相殺をもって対抗することができる。 |
| 問31 | 一問一答>民法>債権Ⅱ36 |
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肢5 本件債権譲渡通知がZに到達した後になって、AZ間の売買契約の履行としてAから引き渡された目的物の品質が契約に適合しておらず、ZのAに対する損害賠償請求権が発生したため、Zは、Aに対して本件債権と当該損害賠償請求権を相殺する旨の意思表示を行った。Zは、この相殺による本件債権の消滅をBに対して主張することができる。 |
解説 債務者が対抗要件具備時より後に取得した譲渡人に対する債権であっても、対抗要件具備時より前の原因に基づいて生じた債権であれば、債務者は譲受人に対抗することができる(民法469条2項1号)。 民法469条のポイント 債権者に対して有している債権(自働債権)の弁済期がいつであるか、両債権が相殺適状にあるかは、問題ではなく、対抗要件具備時に自働債権の弁済期がまだ来ていなくても、また、受働債権の弁済期のほうが先であっても、対抗要件具備時より前に自働債権を取得してさえいれば、相殺をもって譲受人に対抗できる。 |
| 問32 | 練習問題>民法>債権Ⅱ>11-6 |
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肢2 Aが、Cに400万円を弁済するのに先立ち、Bに事前の通知をしないで弁済をし、共同の免責を得た場合において、Bは、Cに対して200万円の反対債権を有していたときは、自己の負担部分の200万円について、Aの求償に対して相殺をもって対抗できる。 |
解説肢5 民法443条1項(通知を怠った連帯債務者の求償の制限) 他の連帯債務者があることを知りながら、連帯債務者の一人が共同の免責を得ることを他の連帯債務者に通知しないで弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得た場合において、他の連帯債務者は、債権者に対抗することができる事由を有していたときは、その負担部分について、その事由をもってその免責を得た連帯債務者に対抗することができる。 この場合において、相殺をもってその免責を得た連帯債務者に対抗したときは、その連帯債務者は、債権者に対し、相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。 |
| 問32 | 練習問題>民法>債権Ⅱ>11-5 |
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肢3 Aが、Cに対して400万円の反対債権を有する場合において、Aが相殺を援用したときは、Aの負担部分の200万円についてのみ、Bの利益のためにも、その効力を生ずる。 |
解説肢4 連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合において、その連帯債務者が相殺を援用したときは、債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅する(民法439条1項)。 |
| 問32 | 練習問題>民法>債権Ⅱ>11-1 |
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肢4 Cが、Aに対して債務を免除した場合において、Aの負担部分の200万円の限度で、Bは、Cに対して債務の履行を拒むことができる。 |
問題肢3 DがAに対して債務免除をした場合、DはBに対しては120万円の請求ができない。 解説肢3 DはBに対して120万円の請求ができる。 連帯債務者の1人に対してした免除は、相対的効力事由につき、他の連帯債務者の利益のためにその効力を生じない(民法441条)。 |
| 問32 | 練習問題>民法>債権Ⅱ>11-2 |
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肢5 AのためにCの貸金債権の消滅時効が完成した場合において、BがCに400万円を弁済したときは、Bは、Aに求償権を行使することができない。 |
問題肢2 時効の完成によりDに対するAの債務が消滅しても、Bが900万円をDに弁済した場合、BはAに300万円を求償することができる。 解説肢2 連帯債務者の一人に対して債務の免除がされ、又は連帯債務者の一人のために時効が完成した場合においても、他の連帯債務者は、その一人の連帯債務者に対し、民法442条1項の求償権を行使することができる(民法445条)。 Aの債務が時効により消滅しても、Bが債務を弁済した場合は、BはAに求償できるかを問う問題である。 負担部分は均等につき、BはAに300万円を求償することができる。 |
| 問33 | 一問一答>民法>債権Ⅳ229 |
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肢ア 消費貸借契約は書面によっても行うことができるが、書面でする消費貸借契約の貸主は、借主が消費貸借契約の目的物を受け取るまでの間は当該消費貸借契約を解除することができ、解除によって損害を受けた借主は、貸主に対してその損害の賠償を請求することができる。 |
問題 貸主Aと借主Bは金銭消費貸借契約を書面で約した。Aが金銭をBに交付する前なら、Aから金銭消費貸借契約を解除することができる。 解説 書面でする消費貸借の借主は、貸主から金銭その他の物を受け取るまで、契約の解除をすることができる(民法587条の2第2項本文)。書面による消費貸借契約の目的物を受領する前の解除権は、借主側にある。したがって、貸主Aから契約解除することはできない。 |
| 問33 | 練習問題>民法>債権Ⅱ>22α-2 |
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肢ウ 消費貸借契約は原則として利息の発生を伴い、無利息とするためには特約が必要である。 |
問題肢3 消費貸借契約において利息に関する特約がなかった場合は、貸主は、借主に対して法定利率による利息を請求することができる。 解説肢3 特約がないので、利息を請求することができない。 貸主は、特約がなければ、借主に対して利息を請求することができない(民法589条1項)。 消費貸借は無利息が原則とされているからである。 |
| 問33 | 練習問題>民法>債権Ⅱ>22α-2 |
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肢エ 消費貸借契約において、契約内容に適合しない物が借主に引き渡された場合、当該消費貸借契約が利息付きであるか無利息であるかにかかわらず、借主はその物の価額を返還することができる。 |
問題肢5 貸主から引き渡された物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないものであるときは、借主は、その物の価額を返還することができる。 解説肢5 利息の特約の有無にかかわらず、貸主から引き渡された物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないものであるときは、借主は、その物の価額を返還することができる(民法590条2項)。 |
| 問33 | 練習問題>民法>債権Ⅱ>22α-2 |
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肢オ 消費貸借契約において返還時期の定めがない場合、当該消費貸借契約が利息付きであるか無利息であるかにかかわらず、貸主は借主に対していつでもその貸借物の返還を求めることができ、借主は返還請求があった時から直ちに履行遅滞の責任を負う。 |
問題肢4 消費貸借契約において返還の時期が定められていなかった場合において、貸主が期間を明示せずに返還の催告をしたときであっても、借主が催告を受けた時から返還の準備をするのに相当な期間を経過したときは、借主は、返還義務について遅滞の責任を負う。 解説肢4 当事者が返還の時期を定めなかったときは、貸主は、相当の期間を定めて返還の催告をすることができる(民法591条1項)。 貸主が期間を明示せずに返還の催告をした場合について、判例は「催告に一定の時期や期間を、当事者が明示していなくとも、その催告の時から返還の準備をするのに相当の期間が経過した後には、借主は遅滞の責めに任ずる」(大判昭和5年1月29日)としている。 |
| 問34 | 練習問題>民法>債権Ⅰ>4-1 |
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肢2 他人物である動産乙の売買契約に基づいてその引渡しを受けた買主が、その後乙を所有者に返還して売買契約を解除した場合、その買主は売主に対して、返還するまでの間における乙の使用利益相当額を支払う義務を負わない。 |
問題肢5 Aが、B所有の自動車をCに売却する契約を締結し、Cが、使用していたが、その後、Bが、所有権に基づいてこの自動車をCから回収したため、Cは、A・C間の売買契約を解除した。この場合、Cは、Aに対しこの自動車の使用利益(相当額)を返還する義務を負う。 解説肢5 本肢では、CはAに自動車の使用利益(相当額)を返還する義務を負う。 他人物売買契約において売主がその売却した権利を取得して買主に移転することができないときは、買主は、債務不履行の一般規定により契約の解除をすることができるが(民法565条、民法564条)、他方で、当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う(民法545条1項本文)。 本肢では、AC間の売買契約が解除されたのであるから、AC間の契約は初めからなかったことになり、Cにも原状回復義務が生じ、その内容として、給付された物から生じた使用利益も返還する必要がある(最判昭和51年2月13日)。 |
| 問34 | 練習問題>民法>債権Ⅱ>27-1 |
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肢3 違法な賭博を目的とする契約に基づいて賭金を支払った者は、いつでも当該契約が無効であることを理由として、相手方に対して賭金の返還を求めることができる。 |
解説肢5 賭博行為は、公序良俗違反にあたり(民法90条)、また、賭博に負けたことによる債務の弁済として、骨董品を引き渡すことは不法原因給付にあたるため、本来は、その給付の返還を請求することができない(民法708条)。 |
| 問34 | 練習問題>民法>債権Ⅱ>27-4 |
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肢4 不倫関係の維持を目的として丙建物(既登記建物)の所有者Aが丙建物を受贈者Bに贈与してこれを引き渡したが、所有権移転登話手続が未了であった場合、その贈与者Aは当該契約が無効であることを理由として、Bに対して丙建物の返還を求めることができる。 |
問題肢エ A名義の登記がなされた甲建物がBに引き渡されたときには、Aは、Bからの甲建物についての移転登記請求を拒むことはできない。 解説肢エ 本肢は、不法原因給付における給付がされていない場合であり、甲建物の所有権はまだAにあるため、AはBからの甲建物の移転登記請求を拒むことができる。 不法原因給付における既登記不動産の贈与の場合は、引渡しのみならず登記まで移さなければ「給付」したといえないとするのが判例である(最判昭和46年10月28日)。 |
| 問34 | 練習問題>民法>債権Ⅱ>27-1 |
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肢5 Aを貸主、Bを借主とする金銭消費貸借契約において、AがBに対して有する貸金債権につき、BがCから騙取した金銭をもって弁済を行った場合、Cは、弁済として受領した金銭が騙取金である旨をAが知っていたか否かを問わず、Aに対してその返還を求めることができる。 |
問題肢2 AがBから横領した金銭で、Aの債権者であるCに対して債務を弁済した場合、当該弁済の受領につきCが悪意であるときは、BはCに対して当該金銭の取得は不当利得であるとして、返還を請求することができる。 解説肢2 BはCに対し、不当利得として返還請求することができる。 甲が乙から騙取又は横領した金銭により自己の債権者丙に対する債務を弁済した場合において、当該弁済の受領につき丙に悪意又は重大な過失があるときは、丙の当該金銭の取得は、乙に対する関係においては法律上の原因を欠き、不当利得となる(最判昭和49年9月26日)。 |
| 問35 | 練習問題>民法>親族>3-1 |
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肢2 父が胎内にある子を認知する場合には、母の承諾を得なければならない。 |
問題肢4 父が胎児のうちに認知するには、母の承諾を得なければならない。 解説肢4 父は、胎内に在る子でも、認知することができる。この場合においては、母の承諾を得なければならない(民法783条1項)。 |
| 問35 | 練習問題>民法>親族>3-3 |
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肢3 認知は、認知の時からその効力を生ずる。 |
解説肢4 認知は、出生の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者が既に取得した権利を害することはできない(民法784条)。 |
商法-会社法
| 令和7年本試験 | 合格道場掲載 |
|---|---|
| 問37 | 練習問題>商法>会社法Ⅰ>2-8 |
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肢3 設立時募集株式と引換えに給付した現物出資財産の価額が当該現物出資財産について定款に記載され、または記録された価額に著しく不足するときは、当該現物出資財産を給付した引受人は、発起人および設立時取締役と連帯して、株式会社に対し当該不足額を支払う義務を負う。 |
問題肢1 株式会社の成立の時における現物出資財産等の価額が当該現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額に著しく不足するときは、発起人及び設立時取締役は、当該株式会社に対し、連帯して、当該不足額を支払う義務を負う。 解説肢1 株式会社の成立の時における現物出資財産等の価額が当該現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額(定款の変更があった場合にあっては、変更後の価額)に著しく不足するときは、発起人及び設立時取締役は、当該株式会社に対し、連帯して、当該不足額を支払う義務を負う(会社法52条1項)。 |
| 問37 | 練習問題>商法>会社法Ⅰ>2-10 |
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肢4 株式会社の成立により発起人が受ける報酬その他の特別の利益について定款の定めがない場合には、株式会社の成立の時までに、発起人の全員の同意または創立総会の決議によって当該事項を決定することができる。 |
問題肢ウ 会社の成立により発起人が報酬その他の特別の利益を受ける場合には、報酬の額、特別の利益の内容および当該発起人の氏名または名称を定款に記載または記録しなければ、その効力を生じない。 解説肢ウ 本肢は発起人の報酬その他特別の利益についてである。 この点に関して、会社法28条3号は「株式会社の成立により発起人が受ける報酬その他の特別の利益及びその発起人の氏名又は名称」が相対的記載事項(変態設立事項にあたる)である旨を規定している。 これらが変態設立事項として定款に記載する必要があるのは、発起人自身に報酬を決定させると、いわゆる「お手盛り」により会社の財産的基盤を危うくするおそれがあるからである。 |
| 問38 | 練習問題>商法>会社法Ⅱ>2-11 |
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肢1 取締役会は、募集社債の総額その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項の決定を取締役に委任することができない。 |
解説肢1 取締役会は、会社法によって取締役会が決定すべきものとされている事項(重要な財産の処分及び譲受け 、多額の借財、支配人その他の重要な使用人の選任及び解任など)、その他の重要な業務執行の決定権限について、取締役に委任することができない(会社法362条4項)。 |
| 問38 | 練習問題>商法>会社法Ⅱ>2-2 |
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肢2 株式会社の取締役は、自己のために当該株式会社の事業の部類に属する取引をした場合には、当該取引後、遅滞なく、当該取引についての重要な事実を取締役会に報告しなければならない。 |
解説肢5 取締役設置会社において利益相反取引をした取締役は、当該取引後、遅滞なく、当該取引についての重要な事実を取締役会に報告しなければならない(会社法365条2項、会社法356条1項2号)。 |
| 問38 | 練習問題>商法>会社法Ⅱ>2-9 |
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肢3 取締役会を招集する取締役については、定款または取締役会で定めることもできる。 |
解説肢3 取締役会は、各取締役が招集する。ただし、取締役会を招集する取締役を定款又は取締役会で定めたときは、その取締役が招集する(会社法366条1項)。・・・(中略) |
| 問38 | 練習問題>商法>会社法Ⅱ>2-10 |
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肢4 取締役会の決議について特別の利害関係を有する取締役は、議決に加わることができない。 |
問題肢1 取締役会決議は、本来、議決に加わることができる取締役であっても、特別の利害関係を有する場合は、議決に加わることができない。 解説肢1 取締役会の決議について、特別の利害関係を有する取締役は、議決に加わることができない(会社法369条2項)。 なお、混同しやすい点として、株主総会等の決議については、特別の利害関係を有する者も議決権の行使は認められており、議決権を行使したことによって、著しく不当な決議がされたときはその決議を取消し得るにすぎない(会社法831条1項3号)。 |
| 問38 | 練習問題>商法>会社法Ⅱ>2-2 |
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肢5 取締役会の決議に参加した取締役が、当該取締役会の議事録に異議をとどめないで署名または記名押印した場合には、当該決議に賛成したものとみなされる。 |
問題肢3 Aへの金銭貸付の承認決議に参加した他の取締役は、取締役会議事録に当該貸付について異議をとどめなければ、決議に賛成したものと推定される。 解説肢3 取締役会の決議に参加した取締役であって取締役会議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する(会社法369条5項)。 |
| 問39 | 練習問題>商法>会社法Ⅱ>2-13 |
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肢1 会計監査人設置会社(監査等委員会設置会社および指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役を置かなければならない。 |
問題肢4 会計監査人設置会社には、監査役を置かなくてよい。 解説肢4 監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く、会計監査人設置会社は、監査役を置かなければならない(会社法327条3項)。 |
| 問39 | 練習問題>商法>会社法Ⅱ>2-14 |
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肢3 公開会社でない株式会社(監査役会設置会社および会計監査人設置会社を除く。)は、その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨を定款で定めることができる。 |
問題肢2 取締役会設置会社は監査役を選任しなければならないが、会社法上の公開会社でない取締役会設置会社の場合には、会計監査人設置会社であっても、定款で、監査役の監査権限を会計監査に限定することができる。 解説肢2 公開会社でない株式会社(監査役会設置会社及び会計監査人設置会社を除く。)は、その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨を定款で定めることができる(会社法389条1項)。 したがって、会計監査人設置会社は、定款で、監査役の監査権限を会計監査に限定することはできない。 |
| 問39 | 練習問題>商法>会社法Ⅱ>2-6 |
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肢4 監査役会設置会社においては、常勤の監査役は、監査役の中から株主総会の決議によって選任しなければならない。 |
解説肢2 監査役会は、すべての監査役で組織する(会社法390条1項)。また、監査役会は、監査役の中から常勤の監査役を選定しなければならない(会社法390条3項)。 |
| 問40 | 練習問題>商法>会社法Ⅰ>3-11 |
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肢ア 株券発行会社における株式の譲渡は、当該株式を取得した者の氏名または名称および住所を株主名簿に記載し、または記録しなければ、当該株券発行会社その他の第三者にも対抗することができない。 |
問題肢4 株券発行会社において、株式の譲受人は、株主名簿の名義書換えをしていなければ、当該会社に対して株式の取得を対抗できない。 解説肢4 株券を発行していない会社における株式の譲渡は、その株式を取得した者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができず(会社法130条1項)、株券発行会社の場合は、株式会社に対抗できない(会社法130条2項)。 なお、株券の占有者は、株式についての権利を適法に有するものと推定されるため(会社法131条)、第三者には株式の取得を対抗することができる。 |
| 問40 | 練習問題>商法>会社法Ⅰ>3-10 |
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肢イ 株券発行会社が自己株式の処分により行う株式の譲渡は、当該株式に係る株券を交付しなくても、その効力を生ずる。 |
解説肢2 株券発行会社の株式の譲渡は、自己株式の処分による株式の譲渡を除き、当該株式に係る株券を交付しなければ、その効力を生じない(会社法128条1項)。 なお、株券を発行していない株式会社の株式の譲渡は、当事者の意思表示によってその効力が生じる。 |
多肢選択式
| 令和7年本試験 | 合格道場掲載 |
|---|---|
| 問41 | 練習問題>憲法>総論>26 |
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憲法13条は、人格的[ア]に関わる重要な権利として、自己の意思に反して[イ]を受けない自由を保障しているところ(最高裁令和2年(ク)第993号同5年10月25日大法廷決定・民集77巻7号1792頁参照)、不妊手術は、生殖能力の喪失という重大な結果をもたらす[イ]であるから、不妊手術を受けることを強制することは、上記自由に対する重大な制約に当たる。したがって、正当な理由に基づかずに不妊手術を受けることを強制することは、同条に反し許されないというべきである。 ・・・(中略)・・・。 憲法13条は[ウ]と人格の尊重を宣言しているところ、〔不妊手術を強制する当時の優生保護法の〕本件規定の[エ]は、特定の障害等を有する者が不良であり、そのような者の出生を防止する必要があるとする点において、立法当時の社会状況をいかに勘案したとしても、正当とはいえないものであることが明らかであり、本件規定は、そのような[エ]の下で特定の個人に対して生殖能力の喪失という重大な犠牲を求める点において、[ウ]と人格の尊重の精神に著しく反するものといわざるを得ない。 (最大制令和6年7月3日民集78巻3号382頁) |
解説肢ア 憲法13条は、人格的生存に関わる重要な権利として、自己の意思に反して身体への侵襲を受けない自由を保障しているところ、不妊手術は、生殖能力の喪失という重大な結果をもたらす身体への侵襲であるから、不妊手術を受けることを強制することは、その自由に対する重大な制約にあたる。 したがって、正当な理由に基づかずに不妊手術を受けることを強制することは、憲法13条に反し許されない(最大判令和6年7月3日)。 解説肢イ 憲法13条は個人の尊厳と人格の尊重を宣言しているところ、本件規定の立法目的は、特定の障害等を有する者が不良であり、そのような者の出生を防止する必要があるとする点において、立法当時の社会状況をいかに勘案したとしても、正当とはいえないものであることが明らかであり、本件規定は、そのような立法目的の下で特定の個人に対して生殖能力の喪失という重大な犠牲を求める点において、個人の尊厳と人格の尊重の精神に著しく反するものといわざるを得ない。 したがって、本件規定により不妊手術を行うことに正当な理由があるとは認められず、本件規定により不妊手術を受けることを強制することは、憲法13条に反し許されない(最大判令和6年7月3日)。 |
| 問42 | 練習問題>多肢選択式>憲法>7-1 |
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条例が国の法令に違反するかどうかは、両者の[ア]と規定文言を対比するのみでなく、それぞれの趣旨、[イ]、内容及び効果を比較し、両者の間に[ウ]があるかどうかによってこれを決しなければならない。例えば、ある事項について国の法令中にこれを規律する明文の規定がない場合でも、当該法令全体からみて、右規定の欠如が特に当該事項についていかなる規制をも施すことなく放置すべきものとする趣旨であると解されるときは、これについて規律を設ける条例の規定は国の法令に違反することとなりうるし、逆に、特定事項についてこれを規律する国の法令と条例とが併存する場合でも、後者が前者とは別の[イ]に基づく規律を意図するものであり、その適用によって前者の規定の意図する[イ]と効果を何ら阻害することがないときや、両者が同一[イ]に出たものであっても、国の法令が必ずしもその規定によって全国的に一律に同一内容の規制を施す趣旨ではなく、それぞれの普通地方公共団体において、その[エ]に応じて、別の規制を施すことを容認する趣旨であると解されるときは、国の法令と条例との間にはなんらの[ウ]はなく、条例が国の法令に違反する問題は生じえないのである。 (最大判昭和50年9月10日刑集29巻8号489頁) |
解説 空欄に補充した文章は以下のとおり。 地方自治法14条1項は、普通地方公共団体は[ア:法令]に違反しない限りにおいて同法2条2項の事務に関し条例を制定することができる、と規定しているから、普通地方公共団体の制定する条例が国の[ア:法令]に違反する場合には効力を有しないことは明らかであるが、条例が国の[ア:法令]に違反するかどうかは、両者の対象事項と規定文言を対比するのみでなく、それぞれの趣旨、[イ:目的]、内容及び[ウ:効果]を比較し、両者の間に[エ:矛盾牴触]があるかどうかによってこれを決しなければならない。 例えば、ある事項について国の[ア:法令]中にこれを規律する明文の規定がない場合でも、当該[ア:法令]全体からみて、右規定の欠如が特に当該事項についていかなる規制をも施すことなく放置すべきものとする趣旨であると解されるときは、これについて規律を設ける条例の規定は国の[ア:法令]に違反することとなりうるし、逆に、特定事項についてこれを規律する国の[ア:法令]と条例とが併存する場合でも、後者が前者とは別の目的に基づく規律を意図するものであり、その適用によって前者の規定の意図する[イ:目的]と[ウ:効果]をなんら阻害することがないときや、両者が同一の[イ:目的]に出たものであっても、国の[ア:法令]が必ずしもその規定によって全国的に一律に同一内容の規制を施す趣旨ではなく、それぞれの普通地方公共団体において、その地方の実情に応じて、別段の規制を施すことを容認する趣旨であると解されるときは、国の[ア:法令]と条例との間にはなんらの[エ:矛盾牴触]はなく、条例が国の[ア:法令]に違反する問題は生じえないのである。 (最大判昭和50年9月10日刑集第29巻8号489頁) |
| 問43 | 練習問題>多肢選択式>憲法>7-1 |
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いわゆる在外邦人国民審査権訴訟は、現に国外に居住していて国内の市町村の区域内に住所を有していない日本国民(在外国民)が原告となり、在外国民に最高裁判所裁判官国民審査(国民審査)に係る審査権の行使が認められていないことの適否等が争われた事件である。原告は、被告・国に対し、①主位的に、次回の最高裁判所裁判官国民審査において審査権を行使することができる地位にあることの確認を求めるとともに(本件地位確認の訴え)、②予備的に、被告・国が原告に対して国外に住所を有することをもって次回の国民審査において審査権の行使をさせないことが憲法の規定に違反して違法であることの確認(本件違法確認の訴え)を求めた。 これについて、最高裁判所大法廷は、最高裁判所裁判官国民審査法(国民審査法)が在外国民に審査権の行使を全く認めていないことは、憲法に違反するとし、とりわけ、本件違法確認の訴えにつき、要旨次のような判示を行った(最大判令和4年5月25日民集76巻4号711頁)。 ①本件地位確認の訴えは、[ア]に関する確認の訴えと解され、国民審査法4条、8条の解釈に基づいて、次回の国民審査において審査権を行使することができる地位にあることの確認を求めているものと解される。しかしながら、国民審査法の規定により在外国民に審査権の行使が認められていると解することはできないから、本件地位確認の訴えに係る請求は理由がなく、[イ]である。 ②本件違法確認の訴えは、国民審査法が在外国民に審査権の行使を全く認めていないことが違憲であることを理由として、被告・国が原告に対して国外に住所を有することをもって次回の国民審査において審査権の行使をさせないことが違法であると主張し、その確認を求めるものである。このような訴えは、[ア]に関する確認の訴えと解され、当該訴えにおいて[ウ]が確定した場合、国会において、裁判所がした違憲である旨の判断が尊重されるものと解されることも踏まえると、結果的に上記の争いを解決するために[エ]な手段であると認められ、[ア]に関する確認の訴えとして適法である。上記の違憲判断を踏まえ、本件違法確認の訴えに係る請求も認容すべきものである。 |
解説 当該違憲判決のポイント ① 国民審査法が在外国民に審査権の行使を全く認めていないことは、憲法15条1項、79条2項、3項に違反する。 ② 違法確認の訴えは、公法上の法律関係に関する確認の訴えとして適法である。 ③ 在外国民が国民審査権を行使する制度の創設について立法府たる国会が立法措置を何らとらなかったことにより国は国家賠償法上の賠償責任を負う。 |
| 練習問題>行政法>行政事件訴訟法>2-16 | |
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解説肢ア 棄却判決は本案審理を行ったうえで、その主張内容に理由がないと判断して否定する判決である。 一方、却下判決は法律上の訴訟要件を欠き不適法な場合に、本案審理自体を拒否する判決である。 |
記述式
| 令和7年本試験 | 合格道場掲載 |
|---|---|
| 問44 | 過去問>平成27年>問44 |
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Xは、自己の所有地甲に建築物を建てるために、Y市の建築主事に建築確認を申請したが、建築基準法による建築制限に適合しないとして建築確認を拒否する処分(以下「本件処分」という。)がなされた。Xは本件処分を不服として、Y市建築審査会に対して行政不服審査法に基づく審査請求を行ったが、審査庁は本件処分を適法であると判断し、請求を棄却する裁決を行った。ところが、建築審査会において議事に加わった委員の一人が、当該建築確認につき利害関係を有する者(建築基準法第82条)に当たるという手続上の瑕疵があることが判明した。そこで、Xは、この瑕疵を主張して、抗告訴訟を提起したいと考えている。 主張しようとする瑕疵がどのようなものであり、そのため、Xは、誰を被告としてどのような抗告訴訟を提起すべきか。40字種度で記述しなさい。 (参照条文) 建築基準法 (委員の除斥) 第82条 委員は、自己又は三親等以内の親族の利害に関係のある事件については、・・・(中略)・・・審査請求に対する裁決に関する議事に加わることができない。 |
解説 ①について 行政事件訴訟法11条1項柱書きは、「処分または裁決をした行政庁(処分または裁決があった後に当該行政庁の権限が他の行政庁に承継されたときは、当該他の行政庁)が国または公共団体に所属する場合には、取消訴訟は、次の各号に掲げる訴えの区分に応じてそれぞれ当該各号に定める者を被告として提起しなければならない。」としている。 ・訴訟の種類 被告 ・処分の取り消しの訴え 当該処分をした行政庁の所属する国または公共団体 ・裁決の取消しの訴え 当該裁決をした行政庁の所属する国または公共団体 以上より、当該裁決をした行政庁の所属する公共団体を被告とすることとなる。 ②について 行政事件訴訟法10条2項は「処分の取消しの訴えとその処分についての審査請求を棄却した裁決の取消しの訴えとを提起することができる場合には、裁決の取消しの訴えにおいては、処分の違法を理由として取消しを求めることができない。」と規定している。 したがって、裁決取消訴訟においては、処分の違法を理由とすることが許されず、裁決固有の瑕疵のみを主張することができる。 |
| 問45 | 練習問題>記述式>民法Ⅲ>29 |
| Aの配偶者であるBは、Aから法律行為に関する代理権を授与されていないにもかかわらず、Aが所有する高級腕時計甲につき、自身の海外旅行費用に充てるために、Aの代理人と称してCに売却する旨の売買契約(以下「本件契約」という。)を締結した。このような場合におけるCのAに対する本件契約の履行請求の可否につき、判例は、民法110条(権限外の行為の表見代理)の趣旨を類推して相手方保護を図る旨を示した。判例は、Cにおいて、どのような場合に上記の類推適用を認めているかについて、40字程度で記述しなさい。 |
問題 AとBは夫婦であるが、Aが海外へ単身赴任している際に、妻Bが代理権の付与はされてないにもかかわらず夫Aに無断でAの代理人と称して、Aの所有する動産をCに売却してしまった。このような状況であっても、判例は、Cが保護される場合があるとしているが、それはどのようなときか。「当該越権行為の相手方であるCにおいてその行為が」に続けて40字程度で記述しなさい。 解説 「夫婦の一方が民法761条所定の日常の家事に関する代理権の範囲を越えて第三者と法律行為をした場合においては、その代理権を基礎として一般的に同法110条所定の表見代理の成立を肯定すべきではなく、その越権行為の相手方である第三者においてその行為がその夫婦の日常の家事に関する法律行為に属すると信ずるにつき正当の理由のあるときにかぎり、同条の趣旨を類推して第三者の保護をはかるべきである」(最判昭和44年12月18日) |
| 問46 | 練習問題>民法>債権Ⅱ>25-2 |
| Aは、Bの所有する隣家の火災(以下「本件火災」という。本件火災は、A及びBの故意・過失によるものではない。)を見つけ、消防署に通報した。本件火災は、ボヤ(小火)であったので、これを消し止めることができると思い、Aは、Aの家に備え付けてあったA所有の消火器を用いて消火活動を開始した。この場合に、どのような法的根拠に基づき消火活動を継続しなければならないか。また、Aは、消火器を使ったため新たな消火器を購入する必要が生じたが、そのための費用を、どのような法的性質を有するものとしてBに対して償還を請求することができるか。民法の規定に照らして、40字程度で記述しなさい。 |
解説肢1 Bは、Aに対して損害賠償を請求することができない。 本肢はAから予め甲の管理を依頼されていなかったのであるから「事務管理(民法697条)」である。 委任の場合、受任者は、委任事務を処理するため自己に過失なく損害を受けたときは、委任者に対し、その賠償を請求することができるが(民法650条3項)、事務管理ではなんら規定がないため、損害賠償請求は否定されると解されている。 なお、損害賠償請求自体は認められないが、学説(多数説)では、民法702条1項は、「管理者は、本人のために有益な費用を支出したときは、本人に対し、その償還を請求することができる」としており、ここにいう「費用」の意味を広く解釈することで(=治療費等を費用に含める)、妥当な解決を得るべきとされる。 |
基礎知識
| 令和7年本試験 | 合格道場掲載 |
|---|---|
| 問47 | 練習問題>行政法>地方自治法>5-3 |
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肢4 原子力発電所の設置に関して住民投票が行われた事例はない。 |
解説肢3 都道府県において初めて実施された住民投票は、1996年6月に制定された住民投票条例に基づき、同年9月に実施された沖縄県の米軍基地の整理・縮小と日米地位協定の見直しについて賛否を問うものである。 なお、市町村レベルまで含めると日本で初めて住民投票条例が制定されたのは、1982年7月に制定された高知県窪川町の原発設置に関する条例であり、制定された住民投票に基づいて実際に実施されたのは、新潟県巻町の1995年6月に制定された原発設置に関する住民投票条例に基づき、1996年8月に実施されたのが初事例である。 |
| 問48 | 練習問題>基礎知識>一般知識>1-27 |
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肢ア 政党助成法に基づく政党交付金の交付の対象となる政党には、法人格を取得していない政党も含まれる。 |
問題肢2 政党交付金は、所属する国会議員が5人以上、または直近の国政選挙の得票率2%以上があれば法人格を取得していない政党にも交付される。 解説肢2 法人格を取得していない政党には交付されない。 政党交付金の交付の対象となる政党は、次のいずれかに該当するものとされている。 ・国会議員5人以上を有する政治団体 ・国会議員を有し、かつ、前回の衆議院議員総選挙の小選挙区選挙若しくは比例代表選挙又は前回若しくは前々回の参議院議員通常選挙の選挙区選挙若しくは比例代表選挙で得票率が2%以上の政治団体 ただし、法人格を取得していない政党には交付されない。 なお、政党交付金は、受給資格のある政党のうち、日本共産党を除く政党が受給している。 |
| 問48 | 過去問>令和6年>問47 |
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肢イ 政治資金規正法は、政治活動の公明と公正を確保し、民主政治の健全な発達に寄与することを目的として制定された。 |
問題肢3 政治資金規正法は、政治資金の収支の公開や寄附の規則などを通じ政治活動の公明と公正を確保するためのルールを規定している。 解説肢3 政治資金規正法は、1948年に制定された法律であり、議会制民主政治の下における政党その他の政治団体の機能の重要性および公職の候補者の責務の重要性にかんがみ、政治団体および公職の候補者により行われる政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、政治団体の届出、政治団体に係る政治資金の収支の公開並びに政治団体および公職の候補者に係る政治資金の授受の規正その他の措置を講ずることにより、政治活動の公明と公正を確保し、もって民主政治の健全な発達に寄与することを目的とする(政治資金規正法1条)。 なお、この法律は1994年に改正され、政治資金の調達は政治家個人ではなく、政党中心に改められた。 |
| 問49 | 一問一答>一般知識>経済>39 |
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肢3 1970年代の日本の食糧管理制度では、政府は、米などの価格を規制する一方、米の過剰生産を抑えるために減反(生産調整)を行った。 |
解説 令和の米騒動とは、2024年から2025年にかけて、急激な米の価格高騰と品薄が発生し、買い占めや駆け込み需要が起きた現象を指す。 その原因としては、1971年から約半世紀にわたり実施された減反政策による供給力の低下、食生活の多様化、人口減少による需要の変化、インバウンドによる外国人観光客の増加など、様々な要因が複合的に絡み合ったものとされている。 |
| 問50 | 練習問題>基礎知識>一般知識>1-15 |
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肢1 第二次世界大戦後に「関税及び貿易に関する一般協定」(GATT)が締結され、現在では世界貿易機関(WTO)が設立されている。 |
解説肢1 GATT(関税および貿易に関する一般協定)は、第二次世界大戦の背景に保護貿易主義が一因となっていたという反省を踏まえ、円滑な国際貿易の実現、すなわち自由貿易の促進を目的とし、多国間の協定締結により1948年に発足した国際協定である。 計8回にわたる多角的貿易交渉(ラウンド)を通して、世界貿易の発展に大きな役割を果たしてきたが、1995年末をもってWTO(世界貿易機関)に発展解消している。 |
| 問50 | 一問一答>一般知識>経済>79 |
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肢2 環太平洋経済連携協定(TPP)は、日本が離脱した後、新たにアジア太平洋経済協力(APEC)としで締結された。 |
解説 環太平洋パートナーシップ(TPP)協定とは、オーストラリア、日本、アメリカおよびベトナムなどの合計12ヵ国で交渉が進められてきた経済連携協定である。 2016年2月、ニュージーランドで署名されるも、その後、2017年1月にアメリカが離脱を表明したことを受けて、アメリカ以外の11ヵ国の間で協定の早期発効を目指して協議を行い、2018年3月、チリで「環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(TPP11協定)」が署名され、2018年12月30日に発効した。 |
| 問50 | 練習問題>基礎知識>一般知識>1-15 |
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肢3 輸入の急増によって国内産業に重大な損害を与える、あるいは与える恐れがある場合に、輸入数量制限や関税引き上げ等を行うことを、セーフガードと呼ぶ。 |
解説肢4 セーフガードとはWTO協定やGATTの特例に基づく緊急輸入制限ことで、特定輸入品目の輸入が急増し、自国の競合産業に重大な被害を及ぼすか、又はその恐れのある場合に、国内市場の攪乱を防止するため、緊急措置として当該輸入品に対して輸入制限、又は禁止を行うことができる。 |
| 問52 | 一問一答>一般知識>経済>79 |
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肢5 日本の男女雇用機会均等法* では、妊娠や出産を理由とする解雇は禁止されていない。 |
問題 男女雇用機会均等法は事業主に対して、その事業主が雇用する女性の妊娠や出産を理由とした不利益取扱いの禁止までは規定していない。 解説 事業主は、その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、労働基準法の規定による休業を請求し、または休業をしたことその他の妊娠または出産に関する事由であって厚生労働省令で定めるものを理由として、当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない(男女雇用機会均等法9条3項)とし、不利益取扱いを禁止している。 |
| 問53 | 練習問題>基礎知識>行政書士法>12-11 |
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肢ア 行政書士が、この法律若しくはこれに基づく命令、規則その他都道府県知事の処分に違反したとき又は行政書士たるにふさわしくない重大な非行があったときは、都道府県知事は、当該行政書士に対し、戒告処分をすることができる。 |
解説肢3 行政書士が、この法律もしくはこれに基づく命令、規則その他都道府県知事の処分に違反したときまたは行政書士たるにふさわしくない重大な非行があったときは、都道府県知事は、当該行政書士に対し、戒告、2年以内の業務停止または業務禁止の処分をすることができる(行政書士法14条)。 業務停止または業務禁止の処分をする場合には、聴聞を行わなければならない(行政書士法14条の3第4項、行政手続法13条1項1号ロ)。 |
| 問53 | 練習問題>基礎知識>行政書士法>12-13 |
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肢イ 行政書士が、この法律若しくはこれに基づく命令、規則その他都道府県知事の処分に違反したとき又は行政書士たるにふさわしくない重大な非行があったときは、都道府県知事は、当該行政書士に対し、法定年数以内の業務の停止処分をすることができる。 |
解説肢5 行政処分をするのは「行政書士会」ではなく「都道府県知事」である。また、「1年以内」ではなく「2年以内」である。 行政書士が、この法律もしくはこれに基づく命令、規則その他都道府県知事の処分に違反したときまたは行政書士たるにふさわしくない重大な非行があったときは、都道府県知事は、当該行政書士に対し、2年以内の業務の停止処分をすることができる(行政書士法14条2号、3号)。 |
| 問53 | 練習問題>基礎知識>行政書士法>4-2 |
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肢エ 行政書士が、この法律若しくはこれに基づく命令、規則その他都道府県知事の処分に違反したとき又は行政書士たるにふさわしくない重大な非行があったときに、都道府県知事が懲戒処分として業務を禁止した行政書士について、日本行政書士会連合会は登録を抹消することはできない。 |
問題肢3 日本行政書士会連合会は、行政書士が業務の停止の処分を受けたときは、その登録を取り消さなければならない。 解説肢3 「業務の停止の処分を受けたとき」という点が誤り。 行政書士の登録が取消されるのは、偽りその他不正の手段により行政書士の登録を受けたことが判明したときである(行政書士法6条の5第1項)。 なお、登録の「抹消」と混同しないよう注意。 登録の抹消は、業務の禁止の処分を受け処分の日から3年を経過しない者等、欠格事由に該当する場合である(行政書士法7条1項1号、行政書士法2条の2第6号)。 |
| 問54 | 練習問題>基礎知識>戸籍法>1-4 |
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肢ア 出生の届出は、出生から3日以内にこれをしなければならない。 |
問題肢1 国内における出生の届出は、[ ア ]以内にこれをしなければならない。 解説肢1 国内における出生の届出は、14日以内にこれをしなければならない(戸籍法49条1項)。 なお、国外で出生があったときは、3ヵ月以内に届出をしなければならない(戸籍法49条1項)。 |
| 問55 | 一問一答>一般知識>情報通信>61 |
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肢1 ディープフェイクは、生成AI技術によって作成されることがある。 |
問題 ディープフェイクとは、人工知能(AI)を使って画像や動画の一部を交換させる技術のことで、裁判の証拠操作など身近な場面での脅威が現実味を帯び、国家の安全保障リスクになるとの懸念が強まっている。 解説肢 本来は映画やテレビなどの動画コンテンツを制作するための加工技術として使われているが、悪意を持った人が利用すると、虚偽の事実を示す動画や写真を作り出せることになり、裁判証拠の偽造、選挙での世論誘導、ウェブ会議映像の偽装など商取引で悪用されるリスクがある。 特に影響力のある人の演説や、女優のポルノ映像などのフェイク動画の被害が増えている。 |
| 問55 | 一問一答>一般知識>情報通信>61 |
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肢2 ディープフェイクは、著名人や公人以外の人にも被害を及ぼすことがある。 |
問題 ディープフェイクとは、人工知能(AI)を使って画像や動画の一部を交換させる技術のことで、裁判の証拠操作など身近な場面での脅威が現実味を帯び、国家の安全保障リスクになるとの懸念が強まっている。 解説肢 本来は映画やテレビなどの動画コンテンツを制作するための加工技術として使われているが、悪意を持った人が利用すると、虚偽の事実を示す動画や写真を作り出せることになり、裁判証拠の偽造、選挙での世論誘導、ウェブ会議映像の偽装など商取引で悪用されるリスクがある。 特に影響力のある人の演説や、女優のポルノ映像などのフェイク動画の被害が増えている。 |
| 問55 | 一問一答>一般知識>情報通信>61 |
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肢4 ディープフェイクは、詐欺などの犯罪行為に利用されることがある。 |
問題 ディープフェイクとは、人工知能(AI)を使って画像や動画の一部を交換させる技術のことで、裁判の証拠操作など身近な場面での脅威が現実味を帯び、国家の安全保障リスクになるとの懸念が強まっている。 解説肢 本来は映画やテレビなどの動画コンテンツを制作するための加工技術として使われているが、悪意を持った人が利用すると、虚偽の事実を示す動画や写真を作り出せることになり、裁判証拠の偽造、選挙での世論誘導、ウェブ会議映像の偽装など商取引で悪用されるリスクがある。 特に影響力のある人の演説や、女優のポルノ映像などのフェイク動画の被害が増えている。 |
| 問55 | 一問一答>一般知識>情報通信>61 |
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肢5 ディープフェイクは、写真や動画の他、音声データとしても作成される。 |
問題 ディープフェイクとは、人工知能(AI)を使って画像や動画の一部を交換させる技術のことで、裁判の証拠操作など身近な場面での脅威が現実味を帯び、国家の安全保障リスクになるとの懸念が強まっている。 解説肢 本来は映画やテレビなどの動画コンテンツを制作するための加工技術として使われているが、悪意を持った人が利用すると、虚偽の事実を示す動画や写真を作り出せることになり、裁判証拠の偽造、選挙での世論誘導、ウェブ会議映像の偽装など商取引で悪用されるリスクがある。 特に影響力のある人の演説や、女優のポルノ映像などのフェイク動画の被害が増えている。 |
| 問57 | 練習問題>基礎知識>個人情報保護>29 |
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肢1 個人情報保護法* では、民間事業者への罰則として、年間の売上高に応じた額を上限とした罰金が定められている。 |
解説肢1~5を参照 |
| 問57 | 練習問題>基礎知識>個人情報保護>29 |
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肢2 個人情報保護法には、刑事罰としての罰金以外に、制定時以来、課徴金が定められている。 |
解説肢1~5を参照 |
| 問57 | 過去問>令和4年>問57 |
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肢3 個人情報保護委員会は、いわゆるマイナンバーカード(個人番号カード)の交付事務を行っている。 |
問題肢3 個人番号カードは、個人情報保護法に基づいて、各都道府県が交付している。 解説肢3 「個人情報保護法に基づいて、各都道府県が交付している」という点が誤り。 個人番号カードは、個人番号法(番号法、マイナンバー法)に基づいて、市町村長が交付している(個人番号法17条1項)。 |
| 問57 | 総合テスト>VOL1>問54 |
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肢4 個人情報保護委員会は、個人情報保護法の定める行政機関等に対しては監視を行わない。 |
解説肢1 委員会は、個人情報取扱事業者等その他の関係者に対し、個人情報等の取扱いに関し、必要な報告もしくは資料の提出を求め、またはその職員に、当該個人情報取扱事業者等その他の関係者の事務所その他必要な場所に立ち入らせ、個人情報等の取扱いに関し質問させ、もしくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる(個人情報保護法143条1項)。 同様に、委員会は、行政機関の長等(会計検査院長を除く)に対し、行政機関等における個人情報等の取扱いに関する事務の実施状況について、資料の提出および説明を求め、またはその職員に実地調査をさせることができる(個人情報保護法153条)。 |
| 問57 | 総合テスト>VOL1>問54 |
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肢5 個人情報保護委員会は、個人情報保護法の定める個人情報取扱事業者等に対して立入検査を行うことができる。 |
解説肢2 委員会は、個人情報取扱事業者等その他の関係者に対し、個人情報等の取扱いに関し、必要な報告もしくは資料の提出を求め、またはその職員に、当該個人情報取扱事業者等その他の関係者の事務所その他必要な場所に立ち入らせ、個人情報等の取扱いに関し質問させ、もしくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる(個人情報保護法143条1項)。 |
※合格道場の問題番号・タイトル・内容は2025年11月時のものです。
修正等により変更されている場合があります。