「行政書士試験の施行に関する定め」の一部改正について
一般財団法人行政書士試験研究センターによると、「行政書士試験の施行に関する定め」(告示)の一部、従来の「一般知識等」が改正され、令和6年(2024年)度試験から適用するとしています。
改正内容 | ||
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旧 | 行政書士の業務に関連する一般知識等 | |
内容 | 政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解 | |
新 | 行政書士の業務に関し必要な基礎知識 | |
内容 | 一般知識、行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令、情報通信・個人情報保護及び文章理解 |
「行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令」については随時更新します。
行政書士の業務に関し必要な法令等
行政書士の試験科目のうち「行政書士の業務に関し必要な法令等」に関しては、憲法、行政法(行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法及び地方自治法を中心とする。)、民法、商法及び基礎法学の中からそれぞれ出題し、試験を実施する日の属する年度の4月1日現在施行されている法令に関して出題されています。
2024年度以降に改正施行される主な法令については、以下のとおりです。※随時更新
①行政事件訴訟法(被告を誤つた訴えの救済)
>この法律は、公布の日から起算して4年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
公布日 2022年05月25日 施行日 未定
(改正前)
取消訴訟において、原告が故意又は重大な過失によらないで被告とすべき者を誤ったときは、裁判所は、原告の申立てにより、決定をもって、被告を変更することを許すことができ(行政事件訴訟法15条1項)、
『この決定は、書面でするものとし、その正本を新たな被告に送達しなければならない(行政事件訴訟法15条2項)。』
(改正後)
取消訴訟において、原告が故意又は重大な過失によらないで被告とすべき者を誤ったときは、裁判所は、原告の申立てにより、決定をもって、被告を変更することを許すことができ(行政事件訴訟法15条1項)、
『この決定は、電子決定書を作成してするものとし、その電子決定書を新たな被告に送達しなければならない(行政事件訴訟法15条2項)。』
②民法(「再婚禁止期間」廃止や「嫡出推定」見直し等)
>この法律は、公布の日から起算して1年6ヶ月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
公布日 2022年12月16日 施行日 2024年4月1日
①嫡出推定規定の見直し・女性の再婚禁止期間の廃止
・嫡出推定の範囲に例外を設ける方策
婚姻の解消等の日から300日以内に生れた子は、前夫の子と推定するとの原則は維持しつつ、無戸籍者問題を解消する観点から、母が前夫以外の男性と再婚した後に生まれた子は、再婚後の夫の子と推定するとの例外を設けるものとする。
・女性の再婚禁止期間の廃止
女性の再婚禁止期間を廃止する。
②嫡出否認制度に関する規律の見直し
・否認権者を拡大する方策
否認権者を、子及び母に拡大する。
再婚後の夫の子と推定される子については、母の前夫にも否認権を認める。
・嫡出否認の訴えの出訴期間を伸長する方策
嫡出否認の訴えの出訴期間を、現行法の1年から伸長する。
- 父が提起する場合:父が子の出生を知った時から3年
- 子・母が提起する場合:子の出生の時から3年
- 前夫が提起する場合:前夫が子の出生を知った時から3年
③認知無効の訴えの規律の見直し
子、認知をした者及び子の母は、原則的に、所定の起算点から7年以内に限り、認知について反対の事実があることを理由に、認知の無効の訴えを提起することができるものとする。
行政書士の業務に関し必要な基礎知識
一般知識、行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令、情報通信・個人情報保護及び文章理解
①個人情報の保護に関する法律
2022年に刑法の一部が改正され、懲役と禁錮の両刑を一元化し、これらに代えて『拘禁刑』が創設されました。これに伴い、令和4年(2022年)6月17日に公布された「刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律」により個人情報保護法が一部改正されました。
>一部の規定を除き、刑法等の一部を改正する法律の施行の日(公布の日から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日)
公布日 2022年06月17日 施行日 未定
個人情報の保護に関する法律の一部を次のように改正する。
- 個人情報保護法48条3号イ、113条4号及び136条3号中「禁錮」を「拘禁刑」に改める。
- 176条から181条までの規定中「懲役」を「拘禁刑」に改める。
上記の個人情報保護法以外にも、会社法・国家公務員法・地方自治法・行政不服審査法等で規程されている懲役及び禁錮は、拘禁刑に改正されます。