会員登録で大量のオリジナル練習問題、一問一答、各種テストなどが使えます。問題数3000超。「道場生受験体験記」は必見です!

  1. 過去問
  2. 年度別
  3. 平成27年
  4. 問31改題

平成27年-問31改題 民法 債権Ⅱ

Lv4

問題 更新:2021-12-30 19:29:03

代物弁済(担保目的の代物弁済契約によるものは除く。)に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものはどれか。

  1. 債務者が債権者と合意して、債権者に対し本来の債務の弁済に代えて自己が所有する土地を譲渡した場合、土地所有権の移転の効果は、原則として代物弁済契約の意思表示によって生じる。
  2. 債務者が債権者と合意して、債権者に対し本来の債務の弁済に代えて自己が所有する土地を譲渡した場合、債務消滅の効果は、原則として移転登記の完了時に生じる。
  3. 債務者が債権者と合意して、債権者に対し本来の債務の弁済に代えて自己が占有する時計を引き渡した場合、当該時計が他人から借りた時計であったとしても、債権者が、善意、無過失で、平穏に、かつ、公然と占有を開始したときには、時計の所有権を取得できる。
  4. 債務者が債権者と合意して、債権者に対し本来の債務の弁済に代えて自己が所有する時計を引き渡した場合、その時計が契約の内容に適合しないものであっても、債権者は、債務者に対し担保責任を追及することはできない。
  5. 債務者が債権者と合意して、債権者に対し本来の債務の弁済に代えて手形または小切手を交付した場合、これによって債務消滅の効果が生じるので、それらの不渡りがあっても、債権者は、債務者に対し損害賠償を請求することはできない。
  解答&解説

正解 4

解説

代物弁済についての問題である。代物弁済の問題を解くにあたっては、代物弁済における「物権関係の効果」と「債権関係の効果」を整理して把握しなければいけない。詳しくは、下記の選択肢1の解説を熟読いただきたい。

1.妥当である。

判例によると、代物弁済による所有権移転の効果は、原則として当事者間の代物弁済契約の意思表示によって生ずることを妨げるものではないと解するのが相当であるとしている(最判昭和57年6月4日、民法176条参照)。
したがって、代物弁済契約の意思表示によって、土地所有権の移転の効果が生じるとする本肢は妥当である。
ところで本問は、代物弁済の効果を、「物権関係」と「債権関係」にわけて把握しているかを問うものであることに気付いただろうか。
代物弁済の効果としては、目的物が債権者に移転するという物権関係としての効果と、代物弁済によって債権が消えるという債権関係としての効果がある。条文によると、弁済をすることができる者が、債権者との間で、債務者の負担した給付に代えて他の給付をすることにより債務を消滅させる旨の契約をした場合において、その弁済者が当該他の給付をしたときは、その給付は、弁済と同一の効力を有するとされている(民法482条)が、民法482条の効果は「弁済と同一の効力」といっているのだから、あくまで債権関係としての効果である。物権関係の効果がいつ生じるかは特段条文がないので解釈になるが、上記判例は「合意のときに目的物の所有権が移転する」として、通常通り民法176条が適用されることを示したのである。
本肢を読み、「これは物権関係について聞いているな」と気付けた者は、力が付いているといえよう。

2.妥当である。

上記選択肢1の解説を参照いただきたいが、本肢は代物弁済の効果のうち「債権関係」を問うている問題である。
判例によると、債務者がその負担した給付に代えて不動産所有権の譲渡をもって代物弁済する場合の債務消滅の効力は、原則として単に所有権移転の意思表示をなすのみでは足らず、所有権移転登記手続の完了によって生ずるものと解すべきであるとしている(最判昭和40年4月30日)。
したがって、登記までして債務消滅の効果が生じるとする本肢は妥当である。

3.妥当である。

即時取得の問題である。条文によると、取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得するとされている(民法192条)。問題なのは「取引行為によって」という部分であり、売買契約であれば問題なく民法192条の適用がある。それでは代物弁済契約も「取引行為」にあたり、民法192条の適用が認められるのであろうか。
判例によると、代物弁済契約も取引行為といえ、民法192条の適用が認められるとされている(大判昭和5年5月10日)。
したがって、代物弁済においても即時取得の適用があるとする本肢は妥当である。

4.妥当でない。

条文によると、代物弁済契約にも有償契約(売買契約等)の規定が準用される。ゆえに目的物が契約の内容に適合しない場合には、担保責任を追及することができる(民法559条、562条、563条、564条)。
したがって、代物弁済に瑕疵担保責任の規定が適用されないとする本肢は妥当でない。

5.妥当である。

代物弁済の効力が認められたら、弁済と同一の効力を有するのだから、債務は消滅し、その後に生じた事象は代物弁済契約の効力に影響はない。
したがって、本肢は妥当である。

  1. 過去問
  2. 年度別
  3. 平成27年
  4. 問31改題

ページ上部へ