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  4. 問44

令和4年-問44 記述式 行政法

Lv3

問題 更新:2023-01-17 10:46:29

開発事業者であるAは、建築基準法に基づき、B市建築主事から建築確認を受けて、マンションの建築工事を行い、工事完成後、Aは当該マンションの建物につき、検査の上、検査済証の交付を受けた。これに対して、当該マンションの隣地に居住するXらは、当該マンションの建築計画は建築基準法令に適合せず、建築確認は違法であり、当該マンションも、そのような建築計画に沿って建てられたものであるから違法であって、当該マンションの建物に火災その他の災害が発生した場合、建物が倒壊、炎上することにより、Xらの身体の安全や家屋に甚大な被害が生ずるおそれがあるとして、建築基準法に基づき違反建築物の是正命令を発出するよう、特定行政庁であるB市長に申し入れた。しかしながら、B市長は、当該建築確認および当該マンションの建物に違法な点はないとして、これを拒否することとし、その旨を通知した。

このようなB市長の対応を受け、Xらは、行政事件訴訟法の定める抗告訴訟を提起することにした。この場合において、①誰を被告として、②前記のような被害を受けるおそれがあることにつき、同法の定める訴訟要件として、当該是正命令がなされないことにより、どのような影響を生ずるおそれがあるものと主張し(同法の条文の表現を踏まえて記すこと。)、③どのような訴訟を起こすことが適切か。40字程度で記述しなさい。

(参照条文)
建築基準法
(違反建築物に対する措置)
第9条
特定行政庁は、建築基準法令の規定又はこの法律の規定に基づく許可に付した条件に違反した建築物又は建築物の敷地については、当該建築物の建築主、当該建築物に関する工事の請負人(請負工事の下請人を含む。)若しくは現場管理者又は当該建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者に対して、当該工事の施工の停止を命じ、又は、相当の猶予期限を付けて、当該建築物の除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用禁止、使用制限その他これらの規定又は条件に対する違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる。

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正解例 B市を被告として、重大な損害が生ずるおそれがあるものと主張し、義務付け訴訟を起こす。(42字)

解説

本問は、行政事件訴訟法の定める抗告訴訟のうち、義務付け訴訟に関する訴訟要件を問われているものである。

「義務付けの訴え」とは、行政庁がその処分又は裁決をすべき旨を命ずることを求める訴訟であり、行政庁が一定の処分をすべきであるにかかわらずこれがされないとき、または、行政庁に対し一定の処分又は裁決を求める旨の法令に基づく申請又は審査請求がされた場合において、当該行政庁がその処分又は裁決をすべきであるにかかわらずこれがされないときに訴えることができる(行政事件訴訟法3条6項)。

原告であるXらが求めているのは、B市長が違反建築物の是正命令を発出することであり、被告については、行政事件訴訟法38条1項に準用される同11条により「当該処分をすべき行政庁の所属する国又は公共団体」であるため、処分をすべき行政庁であるB市長が所属する公共団体のB市となる。
また、義務付け訴訟については、一定の処分がされないことにより重大な損害を生ずるおそれがあり、かつ、その損害を避けるため他に適当な方法がないときに限り、提起することができると定められている(行政事件訴訟法37条の2第1項)。

これらを①②③の設問に沿って記述すると、解答例のようになる。

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