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令和3年-問44 記述式 行政法

Lv3

問題 更新:2022-01-08 01:54:11

私立の大学であるA大学は、その設備、授業その他の事項について、法令の規定に違反しているとして、学校教育法15条1項に基づき、文部科学大臣から必要な措置をとるべき旨の書面による勧告を受けた。しかしA大学は、指摘のような法令違反はないとの立場で、勧告に不服をもっている。この文部科学大臣の勧告は、行政手続法の定義に照らして何に該当するか。また、それを前提に同法に基づき、誰に対して、どのような手段をとることができるか。40字程度で記述しなさい。なお、当該勧告に関しては、A大学について弁明その他意見陳述のための手続は規定されておらず、運用上もなされなかったものとする。

(参照条文)
学校教育法
第15条第1項
文部科学大臣は、公立又は私立の大学及び高等専門学校が、設備、授業その他の事項について、法令の規定に違反していると認めるときは、当該学校に対し、必要な措置をとるべきことを勧告することができる。(以下略)

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正解例 行政指導に該当し、文部科学大臣に対して、当該勧告の中止等を求めることができる。(39字)

解説

行政機関からの行政指導に対して、法令の違反はないとして不服がある場合、行政手続法上、どのような手段があるかという問題である。

A大学は、その設備、授業、その他の事項について、法令の規定に違反しているとして、学校教育法15条1項に基づき、文部科学大臣から必要な措置をとるべき旨の勧告を受けており、これは行政手続法上の「行政指導」に該当する。
A大学は、そのような法令違反はないとして勧告に不服があるのであれば、当該行政指導をした行政機関に対し、その旨を申し出て、当該勧告の中止その他必要な措置をとることを求めることができる。

「行政指導」とは、「行政機関がその任務又は所掌事務の範囲内において一定の行政目的を実現するため特定の者に一定の作為又は不作為を求める指導、勧告、助言その他の行為であって処分に該当しないもの」(行政手続法2条6号)であり、不服がある場合には、「法令に違反する行為の是正を求める行政指導(その根拠となる規定が法律に置かれているものに限る。)の相手方は、当該行政指導が当該法律に規定する要件に適合しないと思料するときは、当該行政指導をした行政機関に対し、その旨を申し出て、当該行政指導の中止その他必要な措置をとることを求めることができる。」(行政手続法36条の2第1項本文)と規定されている。

なお、中止等の求めは、「当該行政指導をした行政機関に対し、その旨を申し出」ることとされており(行政手続法36条の2第1項)、模範解答では「文部科学大臣」に対してするべきであるということとしているが、行政機関の定義にいくつかの解釈があり、「文部科学大臣」を「文部科学省」とすべきという見解もある。

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