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令和3年-問40 商法 会社法

Lv4

問題 更新:2024-01-07 12:35:45

剰余金の株主への配当に関する次のア~オの記述のうち、会社法の規定に照らし、正しいものの組合せはどれか。

ア.株式会社は、剰余金の配当をする場合には、資本金の額の4分の1に達するまで、当該剰余金の配当により減少する剰余金の額に10分の1を乗じて得た額を、資本準備金または利益準備金として計上しなければならない。

イ.株式会社は、金銭以外の財産により剰余金の配当を行うことができるが、当該株式会社の株式等、当該株式会社の子会社の株式等および当該株式会社の親会社の株式等を配当財産とすることはできない。

ウ.株式会社は、純資産額が300万円を下回る場合には、剰余金の配当を行うことができない。

エ.株式会社が剰余金の配当を行う場合には、中間配当を行うときを除いて、その都度、株主総会の決議を要し、定款の定めによって剰余金の配当に関する事項の決定を取締役会の権限とすることはできない。

オ.株式会社が最終事業年度において当期純利益を計上した場合には、当該純利益の額を超えない範囲内で、分配可能額を超えて剰余金の配当を行うことができる。

  1. ア・ウ
  2. ア・エ
  3. イ・エ
  4. イ・オ
  5. ウ・オ
  解答&解説

正解 1

解説

ア、ウが正しい。

株式会社は、剰余金の配当をする場合には、資本金の額の4分の1に達するまで、当該剰余金の配当により減少する剰余金の額に10分の1を乗じて得た額を、資本準備金または利益準備金として計上しなければならない。 ア.正しい

剰余金の配当をする場合には、株式会社は、法務省令(会社計算規則22条)で定めるところにより、当該剰余金の配当により減少する剰余金の額に1/10を乗じて得た額を資本準備金又は利益準備金として計上しなければならない(会社法445条4項)。

株式会社は、金銭以外の財産により剰余金の配当を行うことができるが、当該株式会社の株式等、当該株式会社の子会社の株式等および当該株式会社の親会社の株式等を配当財産とすることはできない。 イ.誤り

剰余金の配当財産は金銭に限られるものではないが、当該株式会社の株式等(株式、新株予約権または社債)にすることはできない(会社法454条1項1号)。

ここで配当が禁止される自社株等に親会社、子会社の株式等は含まれない。

株式会社は、純資産額が300万円を下回る場合には、剰余金の配当を行うことができない。 ウ.正しい

債権者保護の要請から株式会社の純資産の額が300万円を下回る場合には、剰余金の配当が禁止されている(会社法458条)。

株式会社が剰余金の配当を行う場合には、中間配当を行うときを除いて、その都度、株主総会の決議を要し、定款の定めによって剰余金の配当に関する事項の決定を取締役会の権限とすることはできない。 エ.誤り

取締役会設置会社は、一事業年度の途中において一回に限り取締役会の決議によって剰余金の配当(中間配当)をすることができる旨を定款で定めることができる(会社法454条5項)。
中間配当であってもその都度株主総会の決議が必要であることが原則であるし、中間配当についての決議を取締役会の権限とすることもできる。

また株式会社の機関設計などの条件によっては中間配当に限らず剰余金の配当に関する事項の決定を定款で取締役会の決議に委ねることができる(会社法459条)。

株式会社が最終事業年度において当期純利益を計上した場合には、当該純利益の額を超えない範囲内で、分配可能額を超えて剰余金の配当を行うことができる。 オ.誤り

株主に対して交付する金銭等の帳簿価額の総額は、当該行為がその効力を生ずる日における分配可能額を超えてはならない(会社法461条1項)。
分配可能額を超えて剰余金の配当を行うのは違法配当である。

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