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  4. 問18

令和3年-問18 行政法 行政事件訴訟法

Lv3

問題 更新:2023-01-27 20:37:58

行政事件訴訟法が定める処分取消訴訟に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 処分をした行政庁が国または公共団体に所属する場合における処分取消訴訟は、当該処分をした行政庁を被告として提起しなければならない。
  2. 処分取消訴訟は、原告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所または処分をした行政庁の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する。
  3. 処分をした行政庁が国または公共団体に所属しない場合における処分取消訴訟は、法務大臣を被告として提起しなければならない。
  4. 裁判所は、訴訟の結果により権利を害される第三者があるときは、決定をもって、当該第三者を訴訟に参加させることができるが、この決定は、当該第三者の申立てがない場合であっても、職権で行うことができる。
  5. 処分取消訴訟は、当該処分につき法令の規定により審査請求をすることができる場合においては、特段の定めがない限り、当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければこれを提起することができない。
  解答&解説

正解 4

解説

処分をした行政庁が国または公共団体に所属する場合における処分取消訴訟は、当該処分をした行政庁を被告として提起しなければならない。 1.誤り

「当該処分をした行政庁を被告」としているので誤り。

処分又は裁決をした行政庁(処分又は裁決があった後に当該行政庁の権限が他の行政庁に承継されたときは、当該他の行政庁。以下同じ。)が国又は公共団体に所属する場合には、取消訴訟は、当該処分をした行政庁の所属する国又は公共団体を被告として提起しなければならない(行政事件訴訟法11条1項1号)。

従来、取消訴訟の被告適格は、処分又は裁決をした行政庁となっていたが、国民側にしてみると、処分又は裁決の主体が誰であるかというのは、必ずしも明確でないこともあり、どこを被告として提起すればよいか迷ったり、時には誤ったり、更にはその代表者が誰であるかを知ることも容易ではないという問題点があった。
そこで、平成16年の改正によって、原則として国又は公共団体に所属する行政庁がした処分について、処分の取消しの訴えの被告適格を有するのは処分又は裁決をした行政庁の所属する国又は公共団体とした。

処分取消訴訟は、原告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所または処分をした行政庁の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する。 2.誤り

裁判所の管轄を「原告の」としているので誤り。

取消訴訟は、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所又は処分若しくは裁決をした行政庁の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する(行政事件訴訟法12条1項)。
提起できる裁判所の規定は、複数あるため、結果的に原告の所在地を管轄する裁判所に提起できることは多いが、当事者間の公平と被告の保護という観点から、原則的には管轄裁判所は被告側の所在地であるというのは、民事訴訟法と同様であり、取消訴訟では、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所又は処分若しくは裁決をした行政庁の所在地を管轄する裁判所の管轄に属している。

処分をした行政庁が国または公共団体に所属しない場合における処分取消訴訟は、法務大臣を被告として提起しなければならない。 3.誤り

「法務大臣を被告」としているので誤り。

処分又は裁決をした行政庁が国又は公共団体に所属しない場合には、取消訴訟は、当該行政庁を被告として提起しなければならない(行政事件訴訟法11条2項)。
処分又は裁決をした行政庁が国又は公共団体に所属しない場合の例としては、民間の法人であり、法律に基づき、主務大臣等の行政庁の指定を受け、一定の業務に関する資格認定試験・講習、試験・製品等の技術基準適合性や安全性に関わる検査・検定・確認・登録などの行政事務を代行する指定法人や、普通地方公共団体の指定を受けて行う公共施設の管理・利用に関わる処分権限を与えられた指定管理者が該当する。

裁判所は、訴訟の結果により権利を害される第三者があるときは、決定をもって、当該第三者を訴訟に参加させることができるが、この決定は、当該第三者の申立てがない場合であっても、職権で行うことができる。 4.正しい

裁判所は、訴訟の結果により権利を害される第三者があるときは、当事者若しくはその第三者の申立てにより又は職権で、決定をもって、その第三者を訴訟に参加させることができる(行政事件訴訟法22条1項)。
取消判決の効力が第三者にも及び、訴訟に関与していない第三者が訴訟の結果によりその法律上の地位に影響を受ける場合がある。
そこで、その権利を保護するため、第三者を訴訟に参加させ、攻撃防御を行う機会を与えるためである。
本条に基づき、第三者は参加を申し立てることができるほか、当事者も行うことができる。また、裁判所の職権で、第三者を参加させることができる。

なお、裁判所の職権で参加させる義務までは認められない。

処分取消訴訟は、当該処分につき法令の規定により審査請求をすることができる場合においては、特段の定めがない限り、当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければこれを提起することができない。 5.誤り

行政事件訴訟は、自由選択主義を採用しており、原則として処分について不服がある場合に、審査請求をするか、審査請求を経ずに行政事件訴訟を提起するか、両者を同時にするかは、当事者の自由な選択に委ねられている。したがって誤り。

審査請求前置主義は、法律に定めがある場合にのみ認められる例外的なものである。

処分の取消しの訴えは、当該処分につき法令の規定により審査請求をすることができる場合においても、直ちに提起することを妨げない。
ただし、法律に当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ処分の取消しの訴えを提起することができない旨の定めがあるときは、この限りでない(行政事件訴訟法8条1項)。

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