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  4. 問12

令和3年-問12 行政法 行政手続法

Lv3

問題 更新:2023-01-27 20:31:03

理由の提示に関する次の記述のうち、行政手続法の規定または最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。

  1. 行政庁は、申請により求められた許認可等の処分をする場合、当該申請をした者以外の当該処分につき利害関係を有するものと認められる者から請求があったときは、当該処分の理由を示さなければならない。
  2. 行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合でも、当該申請が法令に定められた形式上の要件に適合しないことを理由とするときは、申請者に対して当該処分の理由を示す必要はない。
  3. 行政庁は、理由を示さないで不利益処分をすべき差し迫った必要がある場合であれば、処分と同時にその理由を示す必要はなく、それが困難である場合を除き、当該処分後の相当の期間内にこれを示せば足りる。
  4. 公文書の非開示決定に付記すべき理由については、当該公文書の内容を秘匿する必要があるため、非開示の根拠規定を示すだけで足りる。
  5. 旅券法に基づく一般旅券の発給拒否通知書に付記すべき理由については、いかなる事実関係に基づきいかなる法規を適用して拒否されたかに関し、その申請者が事前に了知しうる事情の下であれば、単に発給拒否の根拠規定を示すだけで足りる。
  解答&解説

正解 3

解説

行政庁は、申請により求められた許認可等の処分をする場合、当該申請をした者以外の当該処分につき利害関係を有するものと認められる者から請求があったときは、当該処分の理由を示さなければならない。 1.妥当でない

「当該申請をした者以外の当該処分につき利害関係を有するものと認められる者から請求があったときは、当該処分の理由を示さなければならない。」とする本肢は誤りである。

行政手続法上の申請は応答義務があるものをいうとしており(行政手続法2条3号)、申請がその事務所に到達したときは遅滞なく当該申請の審査を開始し、形式上の要件に適合しない申請については、速やかに、申請者に対し相当の期間を定めて当該申請の補正を求め、又は当該申請により求められた許認可等を拒否しなければならない(行政手続法7条)。

また行政手続法8条1項には、申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合は、申請者に対し、同時に、当該処分の理由を示さなければならないとされ、拒否する処分をする場合は、申請者に対して、どのような理由によって拒否されたかを書面で示さなければならないが、認容処分をする場合はその義務はない。また、当該申請をした者以外の利害関係への処分理由提示の規定はない。

行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合でも、当該申請が法令に定められた形式上の要件に適合しないことを理由とするときは、申請者に対して当該処分の理由を示す必要はない。 2.妥当でない

「行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合は、申請者に対し、同時に、当該処分の理由を示さなければならない」(行政手続法8条1項)とされ、許認可等を拒否する処分をする場合は、申請者に対して、どのような理由によって拒否されたかを書面で示す必要がある。
したがって妥当ではない。

申請に対する拒否処分では、不利益処分における意見陳述の手続き(聴聞・弁明の機会付与)は用意されてないため理由の提示が手続的保障手段となる。また、差し迫った必要があるからといって、理由提示することなく拒否処分することは認められていない。この点、不利益処分の理由提示の例外(行政手続法14条ただし書き)と異なっていることに注意されたい。

なお、許認可等の要件を満たしてないことが、客観的指標等により適合しないことが明らかであり、それを理由として拒否する場合は、申請者の求めがあったときに示せば足りる(行政手続法8条1項ただし書き)とされており、この場合は申請者に対して当該処分の理由を示す必要はない。

行政庁は、理由を示さないで不利益処分をすべき差し迫った必要がある場合であれば、処分と同時にその理由を示す必要はなく、それが困難である場合を除き、当該処分後の相当の期間内にこれを示せば足りる。 3.妥当である

行政庁は、不利益処分をする場合には、その名あて人に対して、同時に、当該不利益処分の理由を示さなければならないが、当該理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合はこの限りでない(行政手続法14条1項)。
しかし、名あて人の所在が判明しなくなったときなど処分後に理由を示す困難な事情があるときを除き、処分後相当の期間内に、理由を示さなければならない(行政手続法14条2項)。

不利益処分をする場合には、原則として理由を示す法的義務があるが、理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合は、理由を示さないで処分をすることができる。その場合、処分後相当の期間内に理由を示す必要がある。

なお、申請拒否処分の理由提示には、この例外がない点に注意されたい(肢2解説参照)。

公文書の非開示決定に付記すべき理由については、当該公文書の内容を秘匿する必要があるため、非開示の根拠規定を示すだけで足りる。 4.妥当でない

「非開示の根拠規定を示すだけで足りる」は、誤りである。

判例は、「公文書の非開示決定通知書に付記すべき理由としては、開示請求者において、本条例9条各号所定の非開示事由のどれに該当するのかをその根拠とともに了知し得るものでなければならず、単に非開示の根拠規定を示すだけでは、当該公文書の種類、性質等とあいまって開示請求者がそれらを当然知り得るような場合は別として、本条例7条4項の要求する理由付記としては十分でないといわなければならない」としている(最判平成4年12月10日)。

旅券法に基づく一般旅券の発給拒否通知書に付記すべき理由については、いかなる事実関係に基づきいかなる法規を適用して拒否されたかに関し、その申請者が事前に了知しうる事情の下であれば、単に発給拒否の根拠規定を示すだけで足りる。 5.妥当でない

「その申請者が事前に了知しうる事情の下であれば、単に発給拒否の根拠規定を示すだけで足りる」は、誤りである。

判例は、「一般旅券発給拒否通知書に付記すべき理由としては、いかなる事実関係に基づきいかなる法規を適用して一般旅券の発給が拒否されたかを、申請者においてその記載自体から了知しうるものでなければならず、単に発給拒否の根拠規定を示すだけでは、それによって当該規定の適用の基礎となった事実関係をも当然知りうるような場合を別として、旅券法の要求する理由付記として十分でないといわなければならない」としている(最判昭和60年1月22日)。

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