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令和元年-問35 民法 親族

Lv4

問題 更新:2023-11-20 13:02:13

氏に関する次のア~オの記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。

ア.甲山太郎と乙川花子が婚姻届に署名捺印した場合において、慣れ親しんだ呼称として婚姻後もそれぞれ甲山、乙川の氏を引き続き称したいと考え、婚姻後の氏を定めずに婚姻届を提出したときは、この婚姻届は受理されない。

イ.夫婦である乙川太郎と乙川花子が離婚届を提出し受理されたが、太郎が慣れ親しんだ呼称として、離婚後も婚姻前の氏である甲山でなく乙川の氏を引き続き称したいと考えたとしても、離婚により復氏が確定し、離婚前の氏を称することができない。

ウ.甲山太郎を夫とする妻甲山花子は、夫が死亡した場合において、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって婚姻前の氏である乙川を称することができる。

エ.夫婦である甲山花子と甲山太郎の間に出生した子である一郎は、両親が離婚をして、母花子が復氏により婚姻前の氏である乙川を称するようになった場合には、届け出ることで母と同じ乙川の氏を称することができる。

オ.甲山花子と、婚姻により改氏した甲山太郎の夫婦において、太郎が縁組により丙谷二郎の養子となったときは、太郎および花子は養親の氏である丙谷を称する。

  1. ア・イ
  2. ア・ウ
  3. イ・エ
  4. ウ・オ
  5. エ・オ
  解答&解説

正解 2

解説

甲山太郎と乙川花子が婚姻届に署名捺印した場合において、慣れ親しんだ呼称として婚姻後もそれぞれ甲山、乙川の氏を引き続き称したいと考え、婚姻後の氏を定めずに婚姻届を提出したときは、この婚姻届は受理されない。 ア.妥当である。

婚姻の届出の受理について条文は、「婚姻の届出は、その婚姻が第731条から第736条まで及び前条第2項の規定その他の法令の規定に違反しないことを認めた後でなければ、受理することができない」と規定しており(民法740条)、夫婦の氏については、「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する」と規定している(民法750条)。
そして、婚姻について「婚姻をしようとする者は、夫婦が称する氏を届書に記載して、その旨を届け出なければならない」と規定している(戸籍法74条1号)。

以上のことから、婚姻後の氏を定めずに婚姻届を提出した婚姻届は受理されない。

夫婦である乙川太郎と乙川花子が離婚届を提出し受理されたが、太郎が慣れ親しんだ呼称として、離婚後も婚姻前の氏である甲山でなく乙川の氏を引き続き称したいと考えたとしても、離婚により復氏が確定し、離婚前の氏を称することができない。 イ.妥当でない。

離婚による復氏等について条文は、「婚姻によって氏を改めた夫又は妻は、協議上の離婚によって婚姻前の氏に復する(民法767条1項)。
前項の規定により婚姻前の氏に復した夫又は妻は、離婚の日から3ヵ月以内に戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、離婚の際に称していた氏を称することができる」と規定している(民法767条2項)。

甲山太郎を夫とする妻甲山花子は、夫が死亡した場合において、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって婚姻前の氏である乙川を称することができる。 ウ.妥当である。

生存配偶者の復氏等について条文は、「夫婦の一方が死亡したときは、生存配偶者は、婚姻前の氏に復することができる」と規定しており(民法751条1項)、「民法751条1項の規定によって婚姻前の氏に復しようとする者は、その旨を届け出なければならない」としている(戸籍法95条)。

したがって、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって婚姻前の氏である乙川を称することができる。

夫婦である甲山花子と甲山太郎の間に出生した子である一郎は、両親が離婚をして、母花子が復氏により婚姻前の氏である乙川を称するようになった場合には、届け出ることで母と同じ乙川の氏を称することができる。 エ.妥当でない。

子が母と同じ氏を称するためには、たんに届け出るだけでなく、家庭裁判所の許可を得て届出をしなければならない。

子の氏について条文は、「子が父又は母と氏を異にする場合には、子は、家庭裁判所の許可を得て、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その父又は母の氏を称することができる」と規定している(民法791条1項)。

甲山花子と、婚姻により改氏した甲山太郎の夫婦において、太郎が縁組により丙谷二郎の養子となったときは、太郎および花子は養親の氏である丙谷を称する。 オ.妥当でない。

太郎および花子は、養親の氏を称することなく、婚姻の際に定めた氏を称する。

養子の氏について条文は、「養子は、養親の氏を称する。ただし、婚姻によって氏を改めた者については、婚姻の際に定めた氏を称すべき間は、この限りでない。」と規定している(民法810条)。

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