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  4. 問43

平成29年-問43 行政法

問題 更新:2018-07-13 16:29:36

次の文章の空欄[ ア ]~[ エ ]に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1~20)から選びなさい。

行政救済制度としては、違法な行政行為の効力を争いその取消し等を求めるものとして行政上の不服申立手続及び抗告訴訟があり、違法な公権力の行使の結果生じた損害をてん補するものとして・・・[ ア ]請求がある。両者はその目的・要件・効果を異にしており、別個独立の手段として、あいまって行政救済を完全なものとしていると理解することができる。後者は、憲法17条を淵源とする制度であって歴史的意義を有し、被害者を実効的に救済する機能のみならず制裁的機能及び将来の違法行為を抑止するという機能を有している。このように公務員の不法行為について国又は公共団体が・・・責任を負うという憲法上の原則及び[ ア ]請求が果たすべき機能をも考えると、違法な行政処分により被った損害について[ ア ]請求をするに際しては、あらかじめ当該行政処分についての取消し又は[ イ ]確認の判決を得なければならないものではないというべきである。この理は、金銭の徴収や給付を目的とする行政処分についても同じであって、これらについてのみ、法律関係を早期に安定させる利益を優先させなければならないという理由はない。原審は、・・・固定資産税等の賦課決定のような行政処分については、過納金相当額を損害とする[ ア ]請求を許容すると、実質的に[ ウ ]の取消訴訟と同一の効果を生じさせることとなって、[ ウ ]等の不服申立方法・期間を制限した趣旨を潜脱することになり、[ ウ ]の[ エ ]をも否定することになる等として、[ ウ ]に[ イ ]原因がない場合は、それが適法に取り消されない限り、[ ア ]請求をすることは許されないとしている。しかしながら、効果を同じくするのは[ ウ ]が金銭の徴収を目的とする行政処分であるからにすぎず、[ ウ ]の[ エ ]と整合させるために法律上の根拠なくそのように異なった取扱いをすることは、相当でないと思われる。

(最一小判平成22年6月3日民集64巻4号1010頁・裁判官宮川光治の補足意見)

  1. 不当
  2. 損失補償
  3. 授益処分
  4. 撤回
  5. 住民監査
  6. 無効
  7. 執行カ
  8. 強制徴収
  9. 既判力
  10. 課税処分
  11. 国家賠償
  12. 不存在
  13. 取立
  14. 形成力
  15. 差止
  16. 支払
  17. 不作為
  18. 不可変更カ
  19. 通知
  20. 公定力
  解答&解説

正解

11
6
10
20

解説

ア.国家賠償

行政救済には訴訟、不服申し立て、国家賠償、損失補償がある。このうち、アには、違法な公権力の行使の結果生じた損害を補てんするものとあるので、「国家賠償」が入る。

イ.無効

[イ]の前に「行政処分の取消し」とあるのでイには「無効」が入るのが分かる。

ウ.課税処分

過納金相当額を損害とする国家賠償請求を許容すると、実質的には処分が無効になる。

エ.公定力

公定力とは、行政行為が法令等の規定に違反しても、重大かつ明白な違反を除いて、権限ある国家機関が正式にこれを取り消さない限り、有効であるとする効力である。国家賠償を使って公定力を潜脱するのではないか、という疑問である。

空欄に補充した文章は、つぎのとおり。

行政救済制度としては、違法な行政行為の効力を争いその取消し等を求めるものとして行政上の不服申立手続及び抗告訴訟があり、違法な公権力の行使の結果生じた損害をてん補するものとして・・・[ア:国家賠償]請求がある。両者はその目的・要件・効果を異にしており、別個独立の手段として、あいまって行政救済を完全なものとしていると理解することができる。後者は、憲法17条を淵源とする制度であって歴史的意義を有し、被害者を実効的に救済する機能のみならず制裁的機能及び将来の違法行為を抑止するという機能を有している。このように公務員の不法行為について国又は公共団体が・・・責任を負うという憲法上の原則及び[ア:国家賠償]請求が果たすべき機能をも考えると、違法な行政処分により被った損害について[ア:国家賠償]請求をするに際しては、あらかじめ当該行政処分についての取消し又は[イ:無効]確認の判決を得なければならないものではないというべきである。この理は、金銭の徴収や給付を目的とする行政処分についても同じであって、これらについてのみ、法律関係を早期に安定させる利益を優先させなければならないという理由はない。原審は、・・・固定資産税等の賦課決定のような行政処分については、過納金相当額を損害とする[ア:国家賠償]請求を許容すると、実質的に[ウ:課税処分]の取消訴訟と同一の効果を生じさせることとなって、[ウ:課税処分]等の不服申立方法・期間を制限した趣旨を潜脱することになり、[ウ:課税処分][エ:公定力]をも否定することになる等として、[ウ:課税処分][イ:無効]原因がない場合は、それが適法に取り消されない限り、[ア:国家賠償]請求をすることは許されないとしている。しかしながら、効果を同じくするのは[ウ:課税処分]が金銭の徴収を目的とする行政処分であるからにすぎず、[ウ:課税処分][エ:公定力]と整合させるために法律上の根拠なくそのように異なった取扱いをすることは、相当でないと思われる。

(最一小判平成22年6月3日民集64巻4号1010頁・裁判官宮川光治の補足意見)

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