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平成29年-問29 物権Ⅱ

レベル2

問題 更新:2019-08-02 20:44:46

物権の成立に関する次のア~オの記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものの組合せはどれか。

ア.他人の土地の地下または空間の一部について、工作物を所有するため、上下の範囲を定めて地上権を設定することは認められない。

イ.一筆の土地の一部について、所有権を時効によって取得することは認められる。

ウ.構成部分の変動する集合動産について、一括して譲渡担保の目的とすることは認められない。

エ.土地に生育する樹木について、明認方法を施した上で、土地とは独立した目的物として売却することは認められる。

オ.地役権は、継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるものに限り、時効によって取得することができる。

  1. ア・イ
  2. ア・ウ
  3. イ・エ
  4. ウ・エ
  5. エ・オ
  解答&解説

正解 2

解説

ア.妥当でない。

条文によると「地下又は空間は、工作物を所有するため、上下の範囲を定めて地上権の目的とすることができる」とされている(民法269条の2第1項)。区分地上権と呼ばれるもので、たとえばモノレールや地下鉄を通すために利用される権利である。
したがって本肢は妥当でない。

イ.妥当である。

判例によれば、一筆の土地の一部であっても取得時効の対象となる(大判大正13年10月7日)。
したがって本肢は妥当である。
なお、一筆の土地の一部を時効によって取得し、不動産の登記名義を取得者の名義にするためには分筆登記が必要となる。

ウ.妥当でない。

判例によると、「構成部分の変動する集合動産であっても、その種類所在場所及び量的範囲を指定するなどの方法により目的物の範囲が特定される場合には、一個の集合物として譲渡担保の目的となりうる」とされている(最判昭和54年2月15日)。
したがって本肢は妥当でない。
そもそも譲渡担保権とは、非典型担保であり、判例理論によって認められたものである。
動産を対象として抵当権のような権利(つまり占有は設定者に残したまま、対象物の経済的価値を担保権者がおさえる権利)を設定しようにも、明文では認められていない。これを実現するために、実務と判例において「譲渡担保権」が考え出されたのである(いわゆる「動産抵当」が可能となった)。
本肢は、その譲渡担保権を「構成部分の変動する集合動産」に設定できるかを問うている。対象物が集合物(複数の物)である以上、集合物に一括して(つまり一つの)譲渡担保権を設定することは一物一権主義との兼ね合いで問題となる。がしかし判例にあるように、一定の要件を満たせば、本来は複数個から成り立つ集合物であっても、「一個の」集合物として一括して譲渡担保の目的となりうるのである。

エ.妥当である。

土地とは別に、当該土地に生育する樹木(立木)について譲渡することができる。その際、「明認方法」を施せば、それは立木譲渡の対抗要件となる(最判昭和36年5月4日参照)。
したがって本肢は妥当である。

オ.妥当である。

条文によれば「地役権は、継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるものに限り、時効によって取得することができる」とされている(民法283条)。隣接地を通行するなどの行為を、当該隣接地の権利者が許容するのは「近隣のよしみ」といえるため、地役権の時効による取得に、一定の要件を課しているのである。
したがって本肢は妥当である。

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