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  1. 過去問
  2. 年度別
  3. 平成29年
  4. 問3

平成29年-問3 総論

レベル3

問題 更新:2017-12-05 11:50:01

人権の享有主体性をめぐる最高裁判所の判例に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。

  1. わが国の政治的意思決定またはその実施に影響を及ぼすなど、外国人の地位に照らして認めるのが相当でないと解されるものを除き、外国人にも政治活動の自由の保障が及ぶ。
  2. 会社は、自然人と同様、国や政党の特定の政策を支持、推進し、または反対するなどの政治的行為をなす自由を有する。
  3. 公務員は政治的行為を制約されているが、処罰対象となり得る政治的行為は、公務員としての職務遂行の政治的中立性を害するおそれが、実質的に認められるものに限られる。
  4. 憲法上の象徴としての天皇には民事裁判権は及ばないが、私人としての天皇については当然に民事裁判権が及ぶ。
  5. 憲法が保障する教育を受ける権利の背後には、子どもは、その学習要求を充足するための教育を施すことを、大人一般に対して要求する権利を有する、との観念がある。
  解答&解説

正解 4

解説

1.妥当である。

判例(最大判昭和53年10月4日マクリーン事件)は、外国人の政治活動の自由が問題となった事件において、「外国人の政治活動の自由はわが国の政治的意思決定又はその実施に影響を及ぼす活動等を除き保障される」旨を判示した。

2.妥当である。

法人の政治的行為が問題となった事件(八幡製鉄事件)で最高裁判所(最大判昭和45年6月24日)は、本肢のようなことを述べた。

3.妥当である。

最判平成24年12月7日では、本肢のように、「職務行為の政治的中立性が『実質的』に認められるものに限られる」としている。この「実質的」という部分は重要である。なお、公務員の政治的行為に関する猿払事件(最判昭和49年11月6日)との関係については、矛盾していないとされている。

4.妥当でない。

判例(最判平成1年11月20日)は、天皇には民事裁判権は及ばないとし、本肢のように「象徴」と「私人」を区別していない。なお、民事責任は負うものとされている。
また、皇室典範第21条が「摂政は、その在任中、訴追されない。ただし、これがため、訴追の権利は害されない。」と規定していることから、天皇には勿論解釈として刑事裁判権もないと考えられている。

5.妥当である。

教育を受ける権利を保障する背景には当然教育をする者の存在を考えなければならない。その義務を負うのは、大人全体であると考えられる。したがって、本肢のように、子どもは、その学習要求を充足するための教育を施すことを大人一般に要求する権利を有すると考えられる。

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