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平成26年-問24 行政法 行政総論

Lv4

問題 更新:2023-03-13 14:43:02

国家公務員と地方公務員の相違について、妥当な記述はどれか。

  1. 国家公務員については、国家公務員法に、原則として日本国籍を有する者のみを任用する旨の規定があるが、地方公務員については、地方公務員法に、類似の明文規定は設けられていない。
  2. 国家公務員による争議行為は、一般的に禁止されているが、地方公務員による争議行為は、地方公務員法上、単純な労務に従事する職員について、一定の範囲で認められている。
  3. 国家公務員の政治的活動に対する制限の範囲は、国家公務員法およびその委任を受けた人事院規則により定められるが、地方公務員については、地方公務員法および条例により定められる。
  4. 国家公務員の給与や勤務条件の基準は、法律によって定められることとされているが、地方公務員の給与や勤務条件の基準は、議会の同意を得て長によって定められることとされている。
  5. 国家公務員については、職員団体の結成のみが認められているが、地方公務員については、警察職員および消防職員を除き、労働組合法に基づく労働組合の結成が認められている。
  解答&解説

正解 3

解説

国家公務員については、国家公務員法に、原則として日本国籍を有する者のみを任用する旨の規定があるが、地方公務員については、地方公務員法に、類似の明文規定は設けられていない。 1.誤り。

公務員について「原則として日本国籍を有する者のみを任用する旨の規定」は、国家公務員法、地方公務員法いずれにおいてもない。

なお、外国人が我が国において公権力行使等地方公務員になれるかについては、有名な判例がある(最判平成17年1月26日)ので確認すること。

国家公務員による争議行為は、一般的に禁止されているが、地方公務員による争議行為は、地方公務員法上、単純な労務に従事する職員について、一定の範囲で認められている。 2.誤り。

国家公務員法によると「職員は、政府が代表する使用者としての公衆に対して同盟罷業、怠業その他の争議行為をなし、又は政府の活動能率を低下させる怠業的行為をしてはならない」と規定されており(国家公務員法98条2項)、国家公務員には争議権が認められていないことがわかる。

そして地方公務員法においても「職員は、地方公共団体の機関が代表する使用者としての住民に対して同盟罷業、怠業その他の争議行為をし、又は地方公共団体の機関の活動能率を低下させる怠業的行為をしてはならない」と規定されており(地方公務員法37条1項)、地方公務員にも争議権がないことが分かる。

国家公務員の政治的活動に対する制限の範囲は、国家公務員法およびその委任を受けた人事院規則により定められるが、地方公務員については、地方公務員法および条例により定められる。 3.正しい。

国家公務員法によると「職員は、政党又は政治的目的のために、寄附金その他の利益を求め、若しくは受領し、又は何らの方法を以てするを問わず、これらの行為に関与し、あるいは選挙権の行使を除く外、人事院規則で定める政治的行為をしてはならない」とされている(国家公務員法102条1項)。
国家公務員の政治的活動に対する制限の範囲は、国家公務員法と人事院規則で定められていることが分かる。

地方公務員法によると「職員は、政党その他の政治的団体の結成に関与し、若しくはこれらの団体の役員となってはならず、又はこれらの団体の構成員となるように、若しくはならないように勧誘運動をしてはならない」とされている(地方公務員法36条1項)。
そして地方公務員法36条2項において「条例で定める政治的行為」をしてはならない旨が規定されている。
地方公務員の政治的活動に対する制限の範囲は、地方公務員法と条例で定められていることが分かる。

国家公務員の給与や勤務条件の基準は、法律によって定められることとされているが、地方公務員の給与や勤務条件の基準は、議会の同意を得て長によって定められることとされている。 4.誤り。

国家公務員の給与の基準は、法律によって定められており、これを給与法定主義という。

国家公務員法によると「職員の給与は、別に定める法律に基づいてなされ、これに基づかずには、いかなる金銭又は有価物も支給することはできない」と定められている(国家公務員法63条)。
また、「職員の勤務条件その他職員の服務に関し必要な事項は、人事院規則でこれを定めることができる」と定められている(国家公務員法106条)。

他方で地方公務員については、地方公務員法に規定がある。
条文によると「職員の給与、勤務時間その他の勤務条件は、条例で定める」と定められているのである(地方公務員法24条5項)。
長が決めるわけではない。

国家公務員については、職員団体の結成のみが認められているが、地方公務員については、警察職員および消防職員を除き、労働組合法に基づく労働組合の結成が認められている。 5.誤り。

国家公務員法によると、「『職員団体』とは、警察職員及び海上保安庁又は刑事施設において勤務する職員以外の職員が、その勤務条件の維持改善を図ることを目的として組織する団体又はその連合体をいう」とされている(国家公務員法108条の2第1項、2項、5項)。
国家公務員であれば誰しもが職員団体を結成できるわけではない。

他方で、地方公務員法によると、「『職員団体』とは、警察職員及び消防職員以外の職員が、その勤務条件の維持改善を図ることを目的として組織する団体又はその連合体をいう」とされている(地方公務員法52条1項、2項、5項)。
そして条文は「警察職員及び消防職員は、職員の勤務条件の維持改善を図ることを目的とし、かつ、地方公共団体の当局と交渉する団体を結成し、又はこれに加入してはならない」と規定しており(地方公務員法52条5項)、警察職員及び消防職員には団結権は認められていないことが分かる。
また、地方公務員法において、職員には、労働組合法の規定は適用されない(地方公務員法58条1項参照)。

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