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平成26年-問8 行政法 行政総論

Lv2

問題 更新:2023-11-14 11:00:00

次の会話の空欄[ ア ]~[ エ ]に当てはまる語句の組合せとして、正しいものはどれか。

A「私も30年近く前から自動車の運転免許を持っているのですが、今日はこれを素材にしてちょっと行政法のことについて聞きましょう。これが私の持っている免許証ですが、これにはいろいろな記載がなされています。これらの記載が行政法学上、どのように位置づけられるか答えてください。まず、最初に免許証について『平成29年08月15日まで有効』と書かれていますが、これはどうかな。」
B「その記載は、行政処分に付せられる附款の一種で、行政法学上、[ ア ]と呼ばれるものです。」
A「そうですね。次ですが、『免許の条件等』のところに『眼鏡等』と書かれています。これはどうでしょう。」
B「これは、運転にあたっては視力を矯正する眼鏡等を使用しなければならないということですから、それも附款の一種の[ イ ]と呼ばれるものです。」
A「それでは、運転免許は一つの行政行為とされるものですが、これは行政行為の分類ではどのように位置づけられていますか。」
B「運転免許は、法令により一度禁止された行為について、申請に基づいて個別に禁止を解除する行為と考えられますから、その意味でいえば、[ ウ ]に当たりますね。」
A「よろしい。最後ですが、道路交通法103条1項では、『自動車等の運転に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反したとき』、公安委員会は、『免許を取り消』すことができると規定しています。この『取消し』というのは、行政法の学問上どのような行為と考えられていますか。」
B「免許やその更新自体が適法になされたのだとすれば、その後の違反行為が理由になっていますから、それは行政法学上、[ エ ]と呼ばれるものの一例だと思います。」
A「はい、結構です。」

1. 条件負担免除取消し
2. 期限条件特許撤回
3. 条件負担特許取消し
4. 期限負担許可撤回
5. 期限条件許可取消し
  解答&解説

正解 4

解説

ア:期限、イ:負担、ウ:許可、エ:撤回

「・・・最初に免許証について『平成29年08月15日まで有効』と書かれていますが、これはどうかな。」
「その記載は、行政処分に付せられる附款の一種で、行政法学上、[ア]と呼ばれるものです。」
ア.期限

附款とは、行政行為に特殊な効果を加えることや行政行為の効果を一部制限することを目的として、主たる行政行為に付加される従たる意思表示のことである。

附款にはいくつか種類があるが、主なものを次にまとめる。

条件 行政行為の効果の発生消滅を、将来において発生することが不確実な事実にかからせる附款(民法における「条件」と同様の概念)
期限 行政行為の効果の発生消滅を、将来において発生することが確実な事実にかからせる附款(民法における「期限」と同様の概念)
負担 許可等をする際に、行政行為に伴う特別の義務を行政行為の相手方に課す附款

そして免許証に『平成29年08月15日まで有効』と記載されていることは、確実に到来する平成29年8月15日をもって、当該免許証に基づいては運転ができなくなることを意味する。これは「期限」に該当する。

「これは、運転にあたっては視力を矯正する眼鏡等を使用しなければならないということですから、それも附款の一種の[イ]と呼ばれるものです。」 イ.負担

肢ア解説参照。

「免許の条件等」のところに「眼鏡等」と記載されているということは、運転をするためには「眼鏡をかける」という特別の義務を課されているのであるから、これは「負担」である。

なお、イが「条件」ではないのは、「条件」は行政行為の効果の発生消滅に関わるものであるのに対し、「負担」は行政行為の効力それ自体に関わるものではないからである。眼鏡をかけないことで、運転免許の許可それ自体が消えるなどの事情はないのだから、やはりイには「負担」が入るのである。

「運転免許は、法令により一度禁止された行為について、申請に基づいて個別に禁止を解除する行為と考えられますから、その意味でいえば、[ウ]に当たりますね。」 ウ.許可

そもそも行政行為とは、行政庁の判断に基づいて、国民の権利義務等を具体的に決定する行為をいう。主なものは次のとおり。

許可 一般的には禁止されている事柄を、特定の場合に禁止を解除して当該行為を行わせること
特許 特定の者に、新たな権利や能力を設定すること
認可 当事者間の契約等の法律行為を補充して、その法律上の効果を完成させること

そして運転免許は、禁止された行為について、申請に基づいて個別に禁止を解除する行為であるから「許可」にあたる。

「・・・『自動車等の運転に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反したとき』、公安委員会は、『免許を取り消』すことができると規定しています。この『取消し』というのは、行政法の学問上どのような行為と考えられていますか。」
「免許やその更新自体が適法になされたのだとすれば、その後の違反行為が理由になっていますから、それは行政法学上、[エ]と呼ばれるものの一例だと思います。」
エ.撤回

本肢は撤回と取消しの違いを問うている。
撤回は、成立当初は問題のなかった行政行為について、その後の事情の変化によって、その効力を将来に向かって失わせることをいう。撤回のポイントは「事後的な事情の変化」と「遡及効がない(逆にいうと将来効)」という点である。

一方で取消しとは、当初から行政行為に瑕疵があった場面において、初めに遡ってその効果を否定するものである。取消しのポイントは「原始的な瑕疵」と「遡及効」である。

本肢は事後的な事情の変化に基づくものであることから、「取消し」ではなく「撤回」が妥当すると分かる。

行政法テキスト1参照。

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