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  1. 過去問
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  3. 平成21年
  4. 問36

平成21年-問36 商行為

Level5

問題 更新:2019-05-01 15:18:50

商人間の取引に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。

  1. A株式会社は、輸入業者Bとの間で牛肉の売買契約を締結し、Aの仕入れ担当者が引渡しに立ち会った。4ヵ月後に、当該牛肉に狂牛病の可能性のある危険部位があることが分かったため、直ちにBに通知した。この場合に、AはBに対して売買契約の解除、代金の減額または損害賠償を請求することができる。
  2. A株式会社は、輸入業者Bとの間でコーヒー豆の売買契約を締結した。Aの仕入れ担当者はコーヒー豆の納入に立ち会い、数量の確認および品質の検査を行った。その際、コーヒー豆の品質の劣化を認識していたが、Bに直ちには通知しなかった。この場合に、AはBに対して売買契約の解除、代金の減額または損害賠償を請求することができない。
  3. A株式会社は、輸入業者Bとの間でチューリップの球根の売買契約を締結した。Aの仕入れ担当者が引渡しに立ち会ったところ、球根の種類が予定していたものと異なっていた。そこで、Aは直ちに売買契約の解除をBに通知した。Bの営業所が同一市内にあったため、Bが引き取りに来るまでの間、Aは球根を放置していたところ、発芽し、売り物には適さないものになったが、Aには責任はない。
  4. A株式会社は、輸入業者Bとの間でバナナの売買契約を締結した。履行期日になったが、Aの加工工場でストライキが起こり、Aは期日にバナナを受領することができなかった。そこでBは、Aへの催告なしに、そのバナナを競売に付し、競売の代金をバナナの代金に充当したが、これについて、Bに責任はない。
  5. A株式会社は、輸入業者Bとの間でクリスマス商品の売買契約を締結したが、輸出国の工場での製造工程にトラブルが生じ、商品の製造が遅れたため、納入がクリスマスに間に合わなかった。Aが、Bに対して契約の解除等何らの意向を示さずに、Bからの度重なる連絡を無視し続けた場合、クリスマス商品の受領を拒むことはできない。
  解答&解説

正解 5

解説

本問は、長文&事例形式であり、見た瞬間に腰が引けそうな問題ではあるが、論点自体はそれほど細かい部分ではなく、商法と民法の各規定の違いを把握していれば、解くことは可能である。こういった論点は今後も狙われやすいところなので商法テキスト1にて、その違いをしっかり把握しておきたい。

1.妥当である。

商人間の売買において、買主は、その売買の目的物を受領したときは、遅滞なく、その物を検査しなければならない(商法526条1項)。この場合において、買主は、当該検査により売買の目的物に瑕疵があること又はその数量に不足があることを発見したときは、直ちに売主に対してその旨の通知を発しなければ、その瑕疵又は数量の不足を理由として契約の解除又は代金減額若しくは損害賠償の請求をすることができない。売買の目的物に直ちに発見することのできない瑕疵がある場合において、買主が6ヵ月以内にその瑕疵を発見したときも、同様とする(商法526条2項)。
したがって、AはBに対して売買契約の解除又は損害賠償を請求することができる。
なお、条文上は、要件を満たせば「減額請求」もできると読み取れるが、判例は民法と同様に商法526条でも「買主が売買の目的物に瑕疵あることを理由とするときは、契約を解除し、又は損害賠償の請求をすることはできるけれども、これを理由として代金の減額を請求することはできない。」(最判昭和29年1月22日)としているため、本肢を瑕疵担保責任に関する条文事例問題として捉えた場合、「代金の減額」を含めて請求できるとしている点で、「妥当でない。(=誤植問題)」となる。かなり無理はあるが、債務不履行による減額請求(一部解除)ができる可能性を踏まえて、含めたということか。

2.妥当である。

商人間の売買において、買主は、その売買の目的物を受領したときは、遅滞なく、その物を検査しなければならない(商法526条1項)。この場合において、買主は、検査により売買の目的物に瑕疵があること又はその数量に不足があることを発見したときは、直ちに売主に対してその旨の通知を発しなければ、その瑕疵又は数量の不足を理由として契約の解除又は代金減額若しくは損害賠償の請求をすることができない(商法526条2項前段)。
Aはコーヒー豆の数量の確認および品質の検査を遅延なく行っているが、その品質の劣化を認識していながら、Bに直ちに通知をしていない。
したがって、AはBに対して売買契約の解除、代金の減額または損害賠償を請求することができない。

3.妥当である。

商人間売買における買主による目的物の検査及び通知によって、買主が、契約の解除をしたときであっても、売主の費用をもって売買の目的物を保管し、又は供託しなければならない(商法527条1項本文)。ただし、売主及び買主の営業所が同一の市町村の区域内にある場合には、その限りではない(商法527条4項)。
したがって、たとえ、球根が発芽し、売り物には適さなくなっても、Bは営業所が同一市内にあり、引き取りに来なかったBの責任であるから、Aには責任はない。

4.妥当である。

商人間の売買において、買主がその目的物の受領を拒み、又はこれを受領することができないときは、売主は、その物を供託し、又は相当の期間を定めて催告をした後に競売に付することができる(商法524条1項)。また、損傷その他の事由による価格の低落のおそれがある物は、催告をしないで競売に付することができる(商法524条2項)。
したがって、Bは、Aへの催告なしに、そのバナナを競売に付し、競売の代金をバナナの代金に充当することができる。

5.妥当でない。

商人間の売買において、売買の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、当事者の一方が履行をしないでその時期を経過したときは、相手方は、直ちにその履行の請求をした場合を除き、契約の解除をしたものとみなす(商法525条)。
したがって、納入がクリスマスに間に合わなかった時点で、Aが、Bに対して契約の解除等何らの意向を示さなくとも、契約は解除したものとみなされているため、その後のBからの連絡やそれを無視したかどうかにかかわらず、クリスマス商品の受領を拒むことができる。

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