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  1. 過去問
  2. 年度別
  3. 平成21年
  4. 問27

平成21年-問27 総則

レベル3

問題 更新:2019-05-01 14:01:20

代理に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

  1. Aは留守中の財産の管理につき単に妻Bに任せるといって海外へ単身赴任したところ、BがAの現金をA名義の定期預金としたときは、代理権の範囲外の行為に当たり、その効果はAに帰属しない。
  2. 未成年者Aが相続により建物を取得した後に、Aの法定代理人である母Bが、自分が金融業者Cから金銭を借りる際に、Aを代理して行ったCとの間の当該建物への抵当権設定契約は、自己契約に該当しないので、その効果はAに帰属する。
  3. A所有の建物を売却する代理権をAから与えられたBが、自らその買主となった場合に、そのままBが移転登記を済ませてしまったときには、AB間の売買契約について、Aに効果が帰属する。
  4. 建物を購入する代理権をAから与えられたBが、Cから建物を買った場合に、Bが未成年者であったときでも、Aは、Bの未成年であることを理由にした売買契約の取消しをCに主張することはできない。
  5. Aの代理人Bが、Cを騙してC所有の建物を安い値で買った場合、AがBの欺罔行為につき善意無過失であったときには、B自身の欺罔行為なので、CはBの詐欺を理由にした売買契約の取消しをAに主張することはできない。
  解答&解説

正解 4

解説

1.妥当でない。

本肢において、仮にAの現金をBの名義に定期預金すれば騒動にもなろうが、本肢はAの現金をA名義の定期預金としただけなのだから、権限の定めのない代理人における利用行為にあたる(民法103条2号)。また、夫婦における代理についての判例の立場は、相手方である第三者においてその行為が当該夫婦の日常の家事に関する法律行為の範囲内に属すると信ずるにつき正当の理由のあるときは、相手方は保護されるとしており(=Aに帰属する。)、本肢の内容だけでは確定的にその判断はつかないが、その判断をするにあたっては、内部事情は重視されず客観的に判断されるため、Aに帰属することになろう。
したがって、「効果はAに帰属しない。」とはいえない。
「夫婦の一方が民法761条所定の日常の家事に関する代理権の範囲を越えて第三者と法律行為をした場合においては、その代理権を基礎として一般的に同法110条所定の表見代理の成立を肯定すべきではなく、その越権行為の相手方である第三者においてその行為がその夫婦の日常の家事に関する法律行為に属すると信ずるにつき正当の理由のあるときにかぎり、同条の趣旨を類推して第三者の保護をはかるべきである」(最判昭和44年12月18日)

2.妥当でない。

本肢の事例は、確かに自己契約(肢3参照)にはあたらないが、民法826条1項における利益相反行為にあたり、この行為を親権を持つ母が特別代理人を選任せずにした場合は、無権代理行為として扱われるため、その効果はAに帰属しない。
「親権者が自己の負担する貸金債務につき未成年の子の所有する不動産に抵当権を設定する行為は、借受金を右未成年の子の養育費に供する意図であっても、民法826条にいう利益が相反する行為にあたる。」(最判昭和37年10月2日)

3.妥当でない。

民法108条では「同一の法律行為については、相手方の代理人となり、又は当事者双方の代理人となることはできない。ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。」とし、すなわち自己契約と双方代理は原則できないと規定している。
Aの代理人であるBが、自らその買主となることは、自己契約にあたり、その行為は無権代理行為として扱われる。
また、たとえ登記を済ませても実体の伴わない登記は無効となるため、AB間の売買契約の効果はAに帰属しない。

4.妥当である。

代理人は、行為能力者であることを要せず(民法102条)、代理人が制限行為能力者であっても、制限行為能力者の制度の適用はない。
したがって、Aは、Bの未成年であることを理由にした売買契約の取消しをCに主張することはできない。
なお、民法102条が制限行為能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人、被補助人)でも代理人になれることを認めている趣旨は、制限行為能力者の制度は判断能力が乏しいが故に不利益を被らないように制限行為能力者を保護するための制度であるところ、代理人における法律の効果は本人に帰属するため(代理人に帰属しない)、制限行為能力者が不利益を被る可能性は低いからである。

5.妥当でない。

代理行為における意思の不存在・瑕疵等においては、原則として代理人を基準に判断する(民法101条1項)。また、当該規定は代理人が相手に詐欺をした場合も適用されるため、相手方は、本人の善意・悪意にかかわらず、契約を取り消すことができる(大判明治39年3月31日、大判昭和7年3月5日)。
したがって、たとえAがBの欺罔行為につき善意無過失であっても、CはBの詐欺を理由に売買契約の取消しをAに主張することができる。

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