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  4. 問20

平成23年-問20 国家賠償法

レベル2

問題 更新:2019-05-03 16:39:23

国家賠償法1条1項の要件をみたす場合の責任の主体に関する次のア~エの記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。

ア.指定確認検査機関の建築確認処分に起因する私人の損害について、当該事務の帰属する地方公共団体は、国家賠償責任を負うことはない。

イ.都道府県の警察官の犯罪捜査が、検察官の犯罪の捜査の補助に係るものであっても、当該警察官の捜査に起因する私人の損害について、国が国家賠償責任を負うことはない。

ウ.児童福祉法に基づいて、都道府県が要保護児童を社会福祉法人の設置運営する児童養護施設に入所させている場合、当該施設の職員の養育監護行為に起因する児童の損害について、当該事務の帰属する都道府県が国家賠償責任を負うことがある。

エ.都道府県の警察官が制服制帽を着用して職務行為を装い強盗した場合、被害者に対し当該都道府県が国家賠償責任を負うことがある。

  1. ア・ウ
  2. ア・エ
  3. イ・ウ
  4. イ・エ
  5. ウ・エ
  解答&解説

正解 5

解説

ア.妥当でない。

指定確認検査機関の建築確認処分に起因して私人が損害を被った場合、当該事務の帰属する地方公共団体は、国家賠償責任を負うことになる(最決平成17年6月24日参照)。

イ.妥当でない。

都道府県警察の警察官がいわゆる交通犯罪の捜査を行うにつき故意又は過失によって違法に他人に損害を加えた場合において国家賠償法1条1項によりその損害の賠償の責めに任ずるのは、原則として当該都道府県であり、国は原則としてその責めを負うものではないが、検察官が自ら行う犯罪の捜査の補助に係るものであるとき(刑訴法193条3項参照)のような例外的な場合は、国が国家賠償責任を負うこともある(最判昭和54年7月10日)。

ウ.妥当である。

児童福祉法に基づいて、都道府県が要保護児童を社会福祉法人の設置運営する児童養護施設に入所させている場合、当該施設の職員の養育監護行為は、都道府県の公権力の行使にあたる公務員の職務行為であるため、それに起因する児童の損害については、当該事務の帰属する都道府県が国家賠償責任を負うことになる(最判平成19年1月25日)。

エ.妥当である。

客観的に職務執行の外形を備える行為であれば、「公務員が、その職務を行うについて」に含まれ、国又は公共団体は、賠償の責任を負うとされている。
「A巡査がもっぱら自己の利をはかる目的で警察官の職務執行をよそおい、被害者に対し不審尋問の上、犯罪の証拠物名義でその所持品を預り、しかも連行の途中、これを不法に領得するため所持の拳銃で、同人を射殺して、その目的をとげた、判示のごとき職権濫用の所為をもって、同条(国家賠償法1条)にいわゆる職務執行について違法に他人に損害を加えたときに該当する・・・中略・・・同条は公務員が主観的に権限行使の意思をもってする場合にかぎらず自己の利をはかる意図をもってする場合でも、客観的に職務執行の外形をそなえる行為をしてこれによって、他人に損害を加えた場合には、国又は公共団体に損害賠償の責を負わしめて、ひろく国民の権益を擁護することをもって、その立法の趣旨とするものと解すべきであるからである。」(最判昭和31年11月30日)
なお、当該判例は非番の警察官による犯行であるが、これが仮に公務員ではない者による犯行の場合は、外形理論をもっても「公務員が、その職務を行うについて」には含まれないと解されている。

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