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  4. 問18

平成24年-問18 行政事件訴訟法

レベル3

問題 更新:2019-07-16 16:36:18

行政事件訴訟法3条2項の「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」(以下「行政処分」という。)に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。

  1. 医療法の規定に基づき都道府県知事が行う病院開設中止の勧告は、行政処分に該当しない。
  2. 地方公共団体が営む簡易水道事業につき、水道料金の改定を内容とする条例の制定行為は、行政処分に該当する。
  3. 都市計画法の規定に基づき都道府県知事が行う用途地域の指定は、行政処分に該当する。
  4. (旧)関税定率法の規定に基づき税関長が行う「輸入禁制品に該当する貨物と認めるのに相当の理由がある」旨の通知は、行政処分に該当しない。
  5. 地方公共団体の設置する保育所について、その廃止を定める条例の制定行為は、行政処分に該当する。
  解答&解説

正解 5

解説

1.妥当でない。

都道府県知事が病院を開設しようとする者に対して行う病院開設中止の勧告は、医療法上は当該勧告を受けた者が任意にこれに従うことを期待してされる行政指導として定められている。しかし、当該勧告を受けた者に対し、これに従わない場合には、相当程度の確実さをもって、病院を開設しても保険医療機関の指定を受けることができなくなるという結果をもたらす。そして、国民皆保険制度が採用されている我が国においては、保険医療機関の指定を受けることができない場合には、実際上病院の開設自体を断念せざるを得ないことになるから、行政処分に該当する(最判平成17年7月15日)。

2.妥当でない。

普通地方公共団体が営む水道事業に係る条例所定の水道料金を改定する条例の制定行為は、同条例が水道料金を一般的に改定するものであって、限られた特定の者に対してのみ適用されるものではなく、同条例の制定行為をもって行政庁が法の執行として行う処分と実質的に同視することはできないから行政処分には該当しない(最判平成18年7月14日)。

3.妥当でない。

いわゆる拘束的計画では、その計画ごとによって、処分性の判断が異なっている。
主なものは下記の表を参照されたい。
なお、肯定された例にある最判平成20年9月10日は、従来、当該計画は青写真にすぎないとして(青写真論)、処分性が否定されていたものを判例変更して肯定したものであるが、今後、他の行政計画にも当該判例の影響が及ぶ可能性があるのではないかと指摘されている。

Ⅰ処分性が否定された例
都市計画法に基づく用途地域・高度地区の指定(最判昭和57年4月22日)
道路に関する都市計画変更決定(最判昭和62年9月22日)
都市計画法に基づく地区計画(最判平成6年4月22日)
Ⅱ処分性が肯定された例
土地区画整理組合の認可(最判昭和60年12月17日)
土地改良事業計画における事業施行の認可(最判昭和61年2月13日)
第二種市街地再開発事業計画の決定・公告(最判平成4年11月26日)
土地区画整理事業計画の決定(最判平成20年9月10日)

4.妥当でない。

税関長による輸入禁制品該当の通知は、観念の通知であるが、法律に準拠してされるものであり、これによって当該貨物を適法に輸入できなくなるという法律上の効果が生じるから行政処分に該当する(最判昭和54年12月25日)。

5.妥当である。

各保育所の廃止のみを内容とする本件改正条例は、他に行政庁の処分を待つことなく、その施行により各保育所廃止の効果を発生させ、当該保育所に現に入所中の児童及びその保護者という限られた特定の者らに対して、直接、当該保育所において保育を受けることを期待し得る法的地位を奪う結果が生じるから、行政処分に該当する(最判平成21年11月26日)。

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