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平成24年-問2 法令用語

レベル4

問題 更新:2019-07-11 15:30:35

次に掲げる条文は、いずれも「みなす」の文言が含まれているが、正しい法律の条文においては「みなす」ではなく「推定する」の文言が用いられているものが一つだけある。それはどれか。

  1. 未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす。(民法753条)
  2. 移送の裁判が確定したときは、訴訟は、初めから移送を受けた裁判所に係属していたものとみなす。(民事訴訟法22条3項)
  3. 文書は、その方式及び趣旨により公務員が職務上作成したものと認めるべきときは、真正に成立した公文書とみなす。(民事訴訟法228条2項)
  4. 自己の財物であっても、他人が占有し、又は公務所の命令により他人が看守するものであるときは、この章の罪*については、他人の財物とみなす。(刑法242条)
  5. 試験事務に従事する指定試験機関の役員及び職員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。(行政書士法4条の7第3項〔一部省略〕)
(注)* 刑法第36章の窃盗及び強盗の罪のこと。
  解答&解説

正解 3

解説

「みなす」は、ある事物と、元来性質を異にする他の事物とを、一定の法律関係において同一視し、当該他の事物について生じる法律効果を、その事物について生じさせる場合に用いる。
絶対的に同一視するため反対証拠をあげても覆すことはできない。
一方、「推定する」は、ある事実について、当事者間に取決めがない場合又は反対の証拠が挙がらない場合に、法が一応こうであろうという判断を下して、そのような取扱いをする場合に用いる。
推定は、そうではない事実の判明や反対証拠によって、くつがえるという点で「みなす」と異なる。

解き方
本問は、一見すると条文問題のように映るが、行政書士試験で、民事訴訟法や刑法の条文知識を求めるとは考えにくく、その意味では「みなす」と「推定」の定義をあてはめて考える思考型の問題ということになる。
あてはめる際に、特にポイントになるのは、推定は「反証で覆すことが可能」という点である。
また、この「反証で覆すことが可能」というのは、「元の事実が不明」であるからこそ成り立つ論理であるという点も注意が必要である。
つまり、「元の事実は違うことが確定」しているのに、法律があえて別の事物として扱う内容になっている場合、「元の事実が違うこと」は、既に織り込み済みであるから、それを証明することに意味はないし、ゆえに証明したところで覆すことはできない。
このような視点であてはめていけば、条文を知らなくても、「推定」か、「みなす」かの推測を付けていくことが可能となる。

1.正しい。

未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす(民法753条)。
したがって、条文どおりである。

解き方
「未成年者」(③でない事実が確定している
「婚姻」(要件)
「成年」(効果)
①を証明する意味はない。
したがって、推定は入りえない。

2.正しい。

移送の裁判が確定したときは、訴訟は、初めから移送を受けた裁判所に係属していたものとみなす(民事訴訟法22条3項)。
したがって、条文どおりである。

解き方
「A裁判所に係属」(③でない事実が確定している
「B裁判所に移送の裁判が確定」(要件)
「初めからB裁判所に係属」(効果)
①を証明する意味はない。
したがって、推定は入りえない。

3.誤り。

文書は、その方式及び趣旨により公務員が職務上作成したものと認めるべきときは、真正に成立した公文書と推定する(民事訴訟法228条2項)。
したがって、条文から「推定する」と「みなす」を入れ替えている。

解き方
「公文書か不明」(③でない事実が確定していない
「公務員が職務上作成したものと認める場合」(要件)
「公文書」(効果)
①が不明なため、証明する意味がある。
したがって、推定が入りうる。

4.正しい。

自己の財物であっても、他人が占有し、又は公務所の命令により他人が看守するものであるときは、この章の罪については、他人の財物とみなす(刑法242条)。
したがって、条文どおりである。

解き方
「自己の財物」(③でない事実が確定している
「他人が占有し、又は公務所の命令により他人が看守するものである場合」(要件)
「他人の財物」(効果)
①を証明する意味はない。
したがって、推定は入りえない。

5.正しい。

試験事務に従事する指定試験機関の役員及び職員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす(行政書士法4条の7第3項)。
したがって、条文どおりである。

解き方
「本来公務員でない」(③でない事実が確定している
「試験事務に従事する指定試験機関の役員及び職員である場合」(要件)
「公務員」(効果)
①を証明する意味はない。
したがって、推定は入りえない。
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