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令和5年-問14 行政法 行政不服審査法

Lv2

問題 更新:2024-01-07 20:58:18

不作為についての審査請求に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

  1. 不作為についての審査請求は、当該処分についての申請をした者だけではなく、当該処分がなされることにつき法律上の利益を有する者もすることができる。
  2. 不作為についての審査請求について理由があり、申請に対して一定の処分をすべきものと認められる場合、審査庁が不作為庁の上級行政庁であるときは、審査庁は、当該不作為庁に対し当該処分をすべき旨を命じる。
  3. 不作為についての審査請求は、審査請求が濫用されることを防ぐために、申請がなされた日から法定された一定の期間を経過しなければすることができない。
  4. 不作為についての審査請求がなされた場合、審査庁は、必要があると認める場合には、審査請求人の申立てによりまたは職権で、裁決が下されるまでの仮の救済として一定の処分をすることができる。
  5. 不作為についての審査請求の審理に際しては、迅速な救済を図るために、審査庁は、審理員を指名して審理手続を行わせるのではなく、審理手続を省いて裁決を下さなければならない。
  解答&解説

正解 2

解説

不作為についての審査請求は、当該処分についての申請をした者だけではなく、当該処分がなされることにつき法律上の利益を有する者もすることができる。 1.妥当でない

後半の「当該処分がなされることにつき法律上の利益を有する者もすることができる」という点は妥当でない。

行政庁の不作為について、法令に基づき行政庁に対して処分についての申請をした者は、当該申請から相当の期間が経過したにもかかわらず、行政庁の不作為(法令に基づく申請に対して何らの処分をもしないことをいう)がある場合には、当該不作為についての審査請求をすることができる(行政不服審査法3条)。

不作為についての審査請求について理由があり、申請に対して一定の処分をすべきものと認められる場合、審査庁が不作為庁の上級行政庁であるときは、審査庁は、当該不作為庁に対し当該処分をすべき旨を命じる。 2.妥当である

不作為についての審査請求が理由がある場合には、審査庁は、裁決で、当該不作為が違法又は不当である旨を宣言した上で、審査庁が不作為庁の上級行政庁である審査庁である場合には、当該不作為庁に対し、当該処分をすべき旨を命ずる(行政不服審査法49条3項1号)。

不作為についての審査請求は、審査請求が濫用されることを防ぐために、申請がなされた日から法定された一定の期間を経過しなければすることができない。 3.妥当でない

「申請がなされた日から法定された一定の期間を経過しなければすることができない」という点が妥当でない。
不作為についての審査請求期間は定められていない(行政不服審査法3条、肢1参照)。

なお、不作為についての審査請求が当該不作為に係る処分についての申請から相当の期間が経過しないでされたものである場合その他不適法である場合には、審査庁は、裁決で、当該審査請求を却下する(行政不服審査法49条1項)。

不作為についての審査請求がなされた場合、審査庁は、必要があると認める場合には、審査請求人の申立てによりまたは職権で、裁決が下されるまでの仮の救済として一定の処分をすることができる。 4.妥当でない

行政不服審査法において、不作為についての審査請求に対する「仮の救済」という規定はない。

不作為についての審査請求の審理に際しては、迅速な救済を図るために、審査庁は、審理員を指名して審理手続を行わせるのではなく、審理手続を省いて裁決を下さなければならない。 5.妥当でない

「審理手続を省いて裁決を下す」ような規定はない。

不作為についての審査請求の審理について、審査請求がされた行政庁は、審査庁に所属する職員のうちから審理手続を行う者を指名するとともに、その旨を審査請求人及び処分庁等(審査庁以外の処分庁等に限る)に通知しなければならない(行政不服審査法3条、行政不服審査法4条、行政不服審査法9条1項柱書き本文)。

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