令和4年-問52 一般知識等 社会
Lv3
問題 更新:2023-11-20 19:06:59
日本の森林・林業に関する次のア~オの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。
ア.日本の森林率は中国の森林率より高い。
イ.日本の森林には、国が所有する国有林と、それ以外の民有林があるが、国有林面積は森林面積全体の半分以上を占めている。
ウ.日本では、21世紀に入ってから、環境破壊に伴って木材価格の上昇が続き、2020年代に入ってもさらに急上昇している。
エ.荒廃する森林の保全のための財源確保に向けて、新たに森林環境税が国税として導入されることが決まった。
オ.日本は木材の多くを輸入に依存しており、木材自給率は年々低下する傾向にある。
- ア・イ
- ア・エ
- イ・オ
- ウ・エ
- ウ・オ
正解 2
解説
ア、エが妥当である。
日本の森林率は中国の森林率より高い。 ア.妥当である
森林率とは、国土面積に対する森林面積の割合である(内陸水域(湖沼、河川)を除く)。
2020年における日本の森林率は68.4%、中国は23.3%であった。
なお、中国は近年、砂漠化、洪水、土砂崩れ、渇水の頻発などの森林の持つ公益的機能の低下を背景に、急速な緑化を進めている。
日本の森林には、国が所有する国有林と、それ以外の民有林があるが、国有林面積は森林面積全体の半分以上を占めている。 イ.妥当でない
国有林は森林面積の約3割である。
日本では、21世紀に入ってから、環境破壊に伴って木材価格の上昇が続き、2020年代に入ってもさらに急上昇している。 ウ.妥当でない
日本の木材価格は、必ずしも環境破壊が原因というわけではない。
また、2000年~2020年の木材価格はおおむね横ばい状態である。
令和3(2021)年は、スギ、ヒノキ等の製品価格が大幅に上昇したが、これは新型コロナウイルス感染症の影響により、輸入木材が不足したためである。
荒廃する森林の保全のための財源確保に向けて、新たに森林環境税が国税として導入されることが決まった。 エ.妥当である
適切な森林の整備等を進めていくことは、我が国の国土や国民の生命を守ることにつながる一方で、所有者や境界が分からない森林の増加、担い手の不足等が大きな課題となっていた。
このような現状の下、パリ協定の枠組みの下における我が国の温室効果ガス排出削減目標の達成や災害防止等を図るための森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保する観点から、2019年3月に「森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律」が成立し、「森林環境税」が創設された。
森林環境税は、令和6(2024)年度から住民税に上乗せする形で1人年額1,000円を市町村が直接徴収する。
日本は木材の多くを輸入に依存しており、木材自給率は年々低下する傾向にある。 オ.妥当でない
日本の木材自給率は、10年連続で上昇している。
日本の木材自給率の上昇の背景には、人工林資源の充実や技術革新等による国産材利用の増加等があるとみられている。
木材輸入量は1996年の9,045万m3をピークに減少している。