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令和2年-問25 行政法 情報公開法

Level3

問題 更新:2021-01-11 13:15:34

情報公開をめぐる最高裁判所の判例に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

  1. 条例に基づく公文書非公開決定の取消訴訟において、被告は、当該決定が適法であることの理由として、実施機関が当該決定に付した非公開理由とは別の理由を主張することも許される。
  2. 行政機関情報公開法*に基づく開示請求の対象とされた行政文書を行政機関が保有していないことを理由とする不開示決定の取消訴訟において、不開示決定時に行政機関が当該文書を保有していなかったことについての主張立証責任は、被告が負う。
  3. 条例に基づく公文書非公開決定の取消訴訟において、当該公文書が書証として提出された場合には、当該決定の取消しを求める訴えの利益は消滅する。
  4. 条例に基づく公文書非開示決定に取消し得べき瑕疵があった場合には、そのことにより直ちに、国家賠償請求訴訟において、当該決定は国家賠償法1条1項の適用上違法であるとの評価を受ける。
  5. 条例に基づき地方公共団体の長が建物の建築工事計画通知書についてした公開決定に対して、国が当該建物の所有者として有する固有の利益が侵害されることを理由としてその取消しを求める訴えは、法律上の争訟には当たらない。

(注)* 行政機関の保有する情報の公開に関する法律

  解答&解説

正解 1

解説

1.正しい

「一たび通知書に理由を付記した以上、実施機関が当該理由以外の理由を非公開決定処分の取消訴訟において主張することを許さないものとする趣旨をも含むと解すべき根拠はないとみるのが相当である。」(最判平成11年11月19日)

非開示決定の通知書に理由を付記したからといって当該理由以外の理由を非公開決定処分の取り消し訴訟において主張することができないわけではない。
取消訴訟で非公開決定の付記理由以外を主張することができるということである。

2.誤り

情報公開法における行政文書とは、行政機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録であり、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして、当該行政機関が保有しているものをいうと定められている(情報公開法2条2項本文)。

また、行政文書の開示を請求する権利の内容は、行政機関の長に対する開示請求は当該行政機関が保有する行政文書をその対象とするものとされ(情報公開法3条)、当該行政機関が当該行政文書を保有していることがその開示請求権の成立要件とされているので、開示請求の対象とされた行政文書を行政機関が保有していないことを理由とする不開示決定の取消訴訟においては、その取消しを求める者が、当該不開示決定時に当該行政機関が当該行政文書を保有していたことについて主張立証責任を負うと判示している。

「開示請求の対象とされた行政文書を行政機関が保有していないことを理由とする不開示決定の取消訴訟においては、その取消しを求める者が、当該不開示決定時に当該行政機関が当該行政文書を保有していたことについて主張立証責任を負うものと解するのが相当である。」(最判平成26年7月14日)

3.誤り

情報公開請求の非公開決定の取消訴訟において、当該公文書が書証として提出されたとしても、内容を知ったからといって制限する規制はない以上、依然として所定の手続により閲覧し、又は写しの交付を受けることを求める法律上の利益を有するのだから、取消しを求める訴えの利益は失われないと判示している。

「公開請求権者は、本件条例に基づき公文書の公開を請求して、所定の手続により請求に係る公文書を閲覧し、又は写しの交付を受けることを求める法律上の利益を有するというべきであるから、請求に係る公文書の非公開決定の取消訴訟において当該公文書が書証として提出されたとしても、当該公文書の非公開決定の取消しを求める訴えの利益は消滅するものではないと解するのが相当である」(最判平成14年2月28日)

4.誤り

「条例に基づく公文書の非開示決定に取り消し得べき瑕疵があるとしても、そのことから直ちに国家賠償法1条1項にいう違法があったとの評価を受けるものではなく、公務員が職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすことなく漫然と上記決定をしたと認め得るような事情がある場合に限り、上記評価を受けるものと解するのが相当である」(最判平成18年4月20日)

5.誤り

沖縄県那覇市が、那覇市の情報公開条例に基づいて、「自衛隊対潜水艦戦作戦センター庁舎の建築計画書」を市民団体の請求に対して開示決定し、この決定に対して「国防上の支障が生じる」として国が当該開示決定の取消訴訟を提起したという事案である。

判例は、「上告人(国)は、本件文書の公開によって国有財産である本件建物の内部構造等が明らかになると、警備上の支障が生じるほか、外部からの攻撃に対応する機能の減殺により本件建物の安全性が低減するなど、本件建物の所有者として有する固有の利益が侵害されることをも理由として、本件各処分の取消しを求めていると理解することができる。そうすると、本件訴えは、法律上の争訟というべき」(最判平成13年7月13日)としている。

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