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令和2年-問19 行政法 行政事件訴訟法

Level3

問題 更新:2021-01-11 13:26:54

行政事件訴訟法が定める義務付け訴訟に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 申請拒否処分がなされた場合における申請型義務付け訴訟は、拒否処分の取消訴訟と併合提起しなければならないが、その無効確認訴訟と併合提起することはできない。
  2. 行政庁が義務付け判決に従った処分をしない場合には、裁判所は、行政庁に代わって当該処分を行うことができる。
  3. 義務付け判決には、取消判決の拘束力の規定は準用されているが、第三者効の規定は準用されていない。
  4. 処分がされないことにより生ずる償うことのできない損害を避けるため緊急の必要がある場合には、当該処分につき義務付け訴訟を提起しなくとも、仮の義務付けのみを単独で申し立てることができる。
  5. 義務付け訴訟は、行政庁の判断を待たず裁判所が一定の処分を義務付けるものであるから、申請型、非申請型のいずれの訴訟も、「重大な損害を生じるおそれ」がある場合のみ提起できる。
  解答&解説

正解 3

解説

1.誤り

義務付け訴訟は、申請不作為型と申請拒否型に該当するときに限り、提起することができる。

申請拒否型とは、法令に基づく申請又は審査請求を却下し又は棄却する旨の処分又は裁決がされた場合において、当該処分又は裁決が取り消されるべきものであり、又は無効若しくは不存在である場合、取消又は無効等確認訴訟を併合して提起できる(行政事件訴訟法37条の3)。

したがって「無効等確認訴訟と併合提起することはできない」としているので誤りである。

2.誤り

その義務付けの訴えに係る処分につき、行政庁がその処分をすべきであることがその処分の根拠となる法令の規定から明らかであると認められ又は行政庁がその処分をしないことがその裁量権の範囲を超え若しくはその濫用となると認められるときは、裁判所は、行政庁がその処分をすべき旨を命ずる判決をする(行政事件訴訟法37条の2第5項)。

裁判所は、行政庁が処分をすべき旨を命ずる判決を下す司法機関である。行政庁が義務付け判決に従った処分をしない場合でも、裁判所は行政庁に代わって当該処分を行うことはできない。処分を行うのは行政機関である当該行政庁となる。

3.正しい

義務付け訴訟では、取消訴訟の多くの規定を準用している(被告適格、裁判管轄、判決の拘束力)。
取消訴訟の規定を準用していないもので注意が必要なものとして、第三者効(対世効)のほかに、出訴期間、釈明処分の特則、執行停止がある。

4.誤り

義務付け訴訟では、仮の義務付けという制度を設けているが、これ自体は訴訟類型の一つであるわけではなく、取消訴訟の執行停止制度と同様にあくまでも仮の権利保護制度である。

仮の義務付けの要件としては、義務付けの訴えの提起があった場合において、その義務付けの訴えに係る処分又は裁決がされないことにより生ずる償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があり、かつ、本案について理由があるとみえるときに認められるものである(行政事件訴訟法37条の5第1項)。

したがって、不作為の違法確認訴訟に併合して義務付け訴訟を提起している場合に、仮の義務付けを申立てることは可能であるが、不作為の違法確認訴訟を提起せずに単独で仮の義務付けを申立てることはできない。

5.誤り

義務付訴訟には、非申請型義務付け訴訟(1号義務付け訴訟):「非申請型」と、申請型義務付け訴訟(2号義務付け訴訟):「申請型」がある(行政事件訴訟法3条6項1号、2号参照)。

非申請型の訴訟要件には、「原告適格」の他に、「損害の重大性」と「補充性」がある。すなわち一定の処分がされないことにより重大な損害を生ずるおそれがあり(損害の重大性)、かつ、その損害を避けるため他に適当な方法がないとき(補充性)に限り、提起することができる(行政事件訴訟法37条の2第1項参照)。

一方、申請型の訴訟要件に、「損害の重大性」と「補充性」は入っていない(行政事件訴訟法37条の3参照)。申請型の訴訟要件は、「原告適格」「申請等に対する不作為又は拒否があること」及び「併合提起すること」の三つである。

したがって、本肢は、申請型、非申請型のいずれの訴訟も、「重大な損害を生じるおそれ」がある場合のみ提起できるとあるので誤りである。

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