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令和2年-問1 基礎法学 裁判制度

Lv3

問題 更新:2023-11-20 15:30:56

次の文章の空欄[ ア ]~[ エ ]に当てはまる語句の組合せとして、正しいものはどれか。

現代の法律上の用語として「[ ア ]」というのは、紛争当事者以外の第三者が[ イ ]の条件(内容)を紛争当事者に示して、当事者の合意([ イ ])によって紛争を解決するように当事者にはたらきかけること、を意味する。このような意味での[ ア ]は、法律上の用語としての「[ ウ ]」とは区別されなければならない。「[ ウ ]」というのは、紛争解決の手段として、紛争当事者以外の第三者たる私人([ ウ ]人)・・・が紛争に対し或る決定を下すこと、を意味する。
「[ ア ]」は、紛争当事者の合意によって紛争を解決すること([ イ ])を第三者が援助し促進することであって、紛争を終わらせるかどうかの最終決定権は当事者にあるのに対し、「[ ウ ]」においては、[ ウ ]人が紛争について決定を下したときは、紛争当事者はそれに拘束されるのであって・・・、この点で[ ウ ]は[ エ ]に似ている・・・。
(中略)
しかし、このような用語法は、西洋の法意識を前提としそれに立脚したものであって、わが国の日常用語では、「[ ア ]」と「[ ウ ]」という二つのことばの間には明確な区別がない。『広辞苑』には、「[ ア ]」ということばの説明として、「双方の間に立って争いをやめさせること。中に立って双方を円くまとめること。[ ウ ]」と書かれている。そうして、奇しくもこの説明は、日本の伝統的な紛争解決方法においては[ ア ]と[ ウ ]とが明確に分化していなかったという事実を、巧まずして示しているのである。

(出典 川島武宜「日本人の法意識」1967年から<送り仮名を改めた部分がある。>)

1. 調停和解仲裁裁判
2. 仲裁和解調停裁判
3. 和解示談仲裁調停
4. 示談仲裁和解調停
5. 調停示談和解仲裁
  解答&解説

正解 1

解説

ア:調停、イ:和解、ウ:仲裁、エ:裁判

空欄に補充した文章は以下のとおり。

現代の法律上の用語として「[ア:調停]」というのは、紛争当事者以外の第三者が[イ:和解]の条件(内容)を紛争当事者に示して、当事者の合意([イ:和解])によって紛争を解決するように当事者にはたらきかけること、を意味する。このような意味での[ア:調停]は、法律上の用語としての「[ウ:仲裁]」とは区別されなければならない。「[ウ:仲裁]」というのは、紛争解決の手段として、紛争当事者以外の第三者たる私人([ウ:仲裁]人)・・・が紛争に対し或る決定を下すこと、を意味する。

[ア:調停]」は、紛争当事者の合意によって紛争を解決すること([イ:和解])を第三者が援助し促進することであって、紛争を終わらせるかどうかの最終決定権は当事者にあるのに対し、「[ウ:仲裁]」においては、[ウ:仲裁]人が紛争について決定を下したときは、紛争当事者はそれに拘束されるのであって・・・、この点で[ウ:仲裁][エ:裁判]に似ている・・・。

(中略)

しかし、このような用語法は、西洋の法意識を前提としそれに立脚したものであって、わが国の日常用語では、「[ア:調停]」と「[ウ:仲裁]」という二つのことばの間には明確な区別がない。『広辞苑』には、「[ア:調停]」ということばの説明として、「双方の間に立って争いをやめさせること。中に立って双方を円くまとめること。[ウ:仲裁]」と書かれている。そうして、奇しくもこの説明は、日本の伝統的な紛争解決方法においては[ア:調停][ウ:仲裁]とが明確に分化していなかったという事実を、巧まずして示しているのである。

(出典 川島武宜「日本人の法意識」1967年から<送り仮名を改めた部分がある。>)

ア.調停

調停とは、紛争当事者双方の間に第三者が介入して紛争の解決を図る手続きで、その具体例としては、家事調停、民事調停、公害紛争調停、ADR法による調停などがある。

また、離婚や相続などの紛争は調停前置主義を採用しているため、原則として調停をしなければ裁判を起こすことができない(家事事件手続法257条)。

イ.和解

和解は、当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることを約することによって、その効力を生ずる(民法695条)。

他の選択肢に和解と類似した用語の「示談」があるが、民事訴訟法においては、示談という用語は使われておらず、裁判上の場合は和解が適切な用語となる。また、意味の違いについて、厳密にいえば和解は互譲が要件になっているのに対し、示談は一方が全面的に譲歩する場合もありうるという違いもある。

ウ.仲裁

仲裁とは、裁判によらない紛争解決の方法で、紛争当事者が争いの解決のために第三者を選び、その判断に服することを約束することによって争いを解決する手段である。

エ.裁判

裁判とは、簡易裁判所や高等裁判所、最高裁判所等の司法機関が法律に基づいて問題ごとに判定を下したり命令を下したりすることである。

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