令和元年-問41 多肢選択式 憲法
Lv4
問題 更新:2020-01-07 11:19:31
次の文章は、NHKが原告として受信料の支払等を求めた事件の最高裁判所判決の一節である。空欄[ア]~[エ]に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1~20)から選びなさい。
放送は、憲法21条が規定する表現の自由の保障の下で、国民の知る権利を実質的に充足し、健全な民主主義の発達に寄与するものとして、国民に広く普及されるべきものである。放送法が、「放送が国民に最大限に普及されて、その効用をもたらすことを保障すること」、「放送の不偏不党、真実及び[ア]を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること」及び「放送に携わる者の職責を明らかにすることによって、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること」という原則に従って、放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図ることを目的として(1条)制定されたのは、上記のような放送の意義を反映したものにほかならない。
上記の目的を実現するため、放送法は、・・・旧法下において社団法人日本放送協会のみが行っていた放送事業について、公共放送事業者と民間放送事業者とが、各々その長所を発揮するとともに、互いに他を啓もうし、各々その欠点を補い、放送により国民が十分福祉を享受することができるように図るべく、[イ]を採ることとしたものである。そして、同法は、[イ]の一方を担う公共放送事業者として原告を設立することとし、その目的、業務、運営体制等を前記のように定め、原告を、民主的かつ[ウ]的な基盤に基づきつつ[ア]的に運営される事業体として性格付け、これに公共の福祉のための放送を行わせることとしたものである。
放送法が、・・・原告につき、[エ]を目的として業務を行うこと及び他人の営業に関する広告の放送をすることを禁止し・・・、事業運営の財源を受信設備設置者から支払われる受信料によって賄うこととしているのは、原告が公共的性格を有することをその財源の面から特徴付けるものである。
(最大判平成29年12月6日民集71巻10号1817頁)
- 国営放送制
- 党利党略
- 政府広報
- 特殊利益
- 良心
- 自由競争体制
- 品位
- 誠実
- 自律
- 二本立て体制
- 多元
- 国際
- 娯楽
- 全国
- 地域
- 部分規制
- 集中
- 免許制
- 自主管理
- 営利
- ア
-
- イ
-
- ウ
-
- エ
-
正解
- ア9
- イ10
- ウ11
- エ20
解説
NHK受信契約に関する最高裁大法廷判決の中で、「受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。」という、いわゆる強制契約について放送法64条1項の意義を述べた部分である。
空欄に補充した文章は次の通り。
放送は、憲法21条が規定する表現の自由の保障の下で、国民の知る権利を実質的に充足し、健全な民主主義の発達に寄与するものとして、国民に広く普及されるべきものである。放送法が、「放送が国民に最大限に普及されて、その効用をもたらすことを保障すること」、「放送の不偏不党、真実及び[ア:自律]を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること」及び「放送に携わる者の職責を明らかにすることによって、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること」という原則に従って、放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図ることを目的として(1条)制定されたのは、上記のような放送の意義を反映したものにほかならない。
上記の目的を実現するため、放送法は、・・・旧法下において社団法人日本放送協会のみが行っていた放送事業について、公共放送事業者と民間放送事業者とが、各々その長所を発揮するとともに、互いに他を啓もうし、各々その欠点を補い、放送により国民が十分福祉を享受することができるように図るべく、[イ:二本立て体制]を採ることとしたものである。そして、同法は、[イ:二本立て体制]の一方を担う公共放送事業者として原告を設立することとし、その目的、業務、運営体制等を前記のように定め、原告を、民主的かつ[ウ:多元]的な基盤に基づきつつ[ア:自律]的に運営される事業体として性格付け、これに公共の福祉のための放送を行わせることとしたものである。
放送法が、・・・原告につき、[エ:営利]を目的として業務を行うこと及び他人の営業に関する広告の放送をすることを禁止し・・・、事業運営の財源を受信設備設置者から支払われる受信料によって賄うこととしているのは、原告が公共的性格を有することをその財源の面から特徴付けるものである。