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令和元年-問33 民法 債権Ⅱ

Level3

問題 更新:2020-01-07 11:29:15

甲建物(以下「甲」という。)を所有するAが不在の間に台風が襲来し、甲の窓ガラスが破損したため、隣りに住むBがこれを取り換えた場合に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものはどれか。

  1. BがAから甲の管理を頼まれていた場合であっても、A・B間において特約がない限り、Bは、Aに対して報酬を請求することができない。
  2. BがAから甲の管理を頼まれていなかった場合であっても、Bは、Aに対して窓ガラスを取り換えるために支出した費用を請求することができる。
  3. BがAから甲の管理を頼まれていなかった場合であっても、Bが自己の名において窓ガラスの取換えを業者Cに発注したときは、Bは、Aに対して自己に代わって代金をCに支払うことを請求することができる。
  4. BがAから甲の管理を頼まれていなかった場合においては、BがAの名において窓ガラスの取換えを業者Dに発注したとしても、Aの追認がない限り、Dは、Aに対してその請負契約に基づいて代金の支払を請求することはできない。
  5. BがAから甲の管理を頼まれていた場合であっても、A・B間において特約がなければ、窓ガラスを取り換えるに当たって、Bは、Aに対して事前にその費用の支払を請求することはできない。
  解答&解説

正解 5

解説

1.妥当である。

甲の管理を頼まれていた場合、準委任となり、委任に関する規定は、法律行為でない事務の委託について準用すると規定されている(民法656条)。そして、受任者の報酬について条文は、「受任者は、特約がなければ、委任者に対して報酬を請求することができない」と規定している(民法648条1項)。
したがって、BがAから甲の管理を頼まれていた場合であっても、A・B間において特約がない限り、Bは、Aに対して報酬を請求することができない。

2.妥当である。

甲の管理を頼まれていなかった場合、事務管理となり、義務なく他人のために事務の管理を始めた者(管理者)は、その事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法によって、その事務の管理をしなければならないと規定されている(民法697条)。そして、管理者による費用の償還請求について条文は、「管理者は、本人のために有益な費用を支出したときは、本人に対し、その償還を請求することができ」(民法702条1項)、「管理者が本人の意思に反して事務管理をしたときは、本人が現に利益を受けている限度においてのみ請求することができる」(民法702条3項)としている。
したがって、いずれにしろ、Bは、Aに対して窓ガラスを取り換えるために支出した費用を請求することができる。

3.妥当である。

甲の管理を頼まれていなかった場合、事務管理となり、管理者が本人のために有益な債務を負担した場合、受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる債務を負担したときは、委任者に対し、自己に代わってその弁済をすることを請求することができる(民法702条2項、650条2項)。
したがって、BがAから甲の管理を頼まれていなかった場合であっても、Bが自己の名において窓ガラスの取換えを業者Cに発注したときは、Bは、Aに対して自己に代わって代金をCに支払うことを請求することができる。

4.妥当である。

甲の管理を頼まれていなかった場合、事務管理であるが、事務管理者が法律行為をした場合における本人・相手方の関係について判例は、「事務管理は、事務管理者と本人との間の法律関係であって、管理者が第三者とした法律行為の効果が本人に及ぶ関係は事務管理関係の問題ではない。したがって、事務管理者が本人の名で第三者との間に法律行為をしても、その行為の効果は、当然には本人に及ぶ筋合いではなく、そのような効果が発生するためには、代理その他別個の法律関係が伴うことを必要とする」としている(最判昭和36年11月30日)。そして、「代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない」(民法113条)。
したがって、BがAの名において窓ガラスの取換えを業者Dに発注したとしても、Aの追認がない限り、Dは、Aに対してその請負契約に基づいて代金の支払を請求することはできない。

5.妥当でない。

甲の管理を頼まれていた場合、準委任となり、受任者による費用の前払請求について条文は、「委任事務を処理するについて費用を要するときは、委任者は、受任者の請求により、その前払をしなければならない」と規定している(民法649条)。
したがって、A・B間において特約がなくても、窓ガラスを取り換えるにあたって、Bは、Aに対して事前にその費用の支払を請求することはできる。

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