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  1. 過去問
  2. 年度別
  3. 平成30年
  4. 問21

平成30年-問21 国家賠償法

レベル3

問題 更新:2019-01-17 16:43:13

道路用地の収用に係る損失補償に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 土地を収用することによって土地所有者が受ける損失は、当該道路を設置する起業者に代わり、収用裁決を行った収用委員会が所属する都道府県がこれを補償しなければならない。
  2. 収用対象となる土地が当該道路に関する都市計画決定によって建築制限を受けている場合、当該土地の権利に対する補償の額は、近傍において同様の建築制限を受けている類地の取引価格を考慮して算定した価格に物価変動に応ずる修正率を乗じて得た額となる。
  3. 収用対象の土地で商店が営まれている場合、商店の建築物の移転に要する費用は補償の対象となるが、その移転に伴う営業上の損失は補償の対象とはならない。
  4. 収用対象とはなっていない土地について、隣地の収用によって必要となった盛土・切土に要する費用は損失補償の対象になるが、それにより通路・溝等の工作物が必要となったときは、当該工作物の新築に係る費用は補償の対象とはならない。
  5. 収用対象の土地の所有者が収用委員会による裁決について不服を有する場合であって、不服の内容が損失の補償に関するものであるときは、土地所有者が提起すべき訴訟は当事者訴訟になる。
  解答&解説

正解 5

解説

1.誤り

土地を収用し、又は使用することに因って土地所有者及び関係人が受ける損失は、起業者が補償しなければならない(土地収用法68条)。

2.誤り

「収用する土地又はその土地に関する所有権以外の権利に対する補償金の額は、近傍類地の取引価格等を考慮して算定した事業の認定の告示の時における相当な価格に、権利取得裁決の時までの物価の変動に応ずる修正率を乗じて得た額とする」と規定されている(土地収用法71条)。
判例は、都市計画事業のために土地が収用される場合、「被収用地については、街路計画等施設の計画決定がなされたときには建築基準法44条2項に定める建築制限が、また、都市計画事業決定がなされたときには旧都市計画法11条、同法施行令11条、12条等に定める建築制限が課せられているが、前記のような土地収用における損失補償の趣旨からすれば、被収用者に対し土地収用法72条によって補償すべき相当な価格とは、被収用地が、右のような建築制限を受けていないとすれば、裁決時において有するであろうと認められる価格をいうと解すべきである」としている(最判昭和48年10月18日)。

3.誤り

「・・・離作料、営業上の損失、建物の移転による賃貸料の損失その他土地を収用し、又は使用することに因って土地所有者又は関係人が通常受ける損失は、補償しなければならない(土地収用法88条)。
収用対象の土地で商店が営まれている場合、商店の建築物を移転する費用や商店を移転するにあたって仕事を休むことが予想されるので、それらの休業に対して休業手当相当が補償される。

4.誤り

同一の土地所有者に属する一団の土地の一部を収用し、又は使用することに因って、残地に通路、みぞ、かき、さくその他の工作物の新築、改築、増築若しくは修繕又は盛土若しくは切土をする必要が生ずるときは、これに要する費用を補償しなければならない(土地収用法75条)。
なお、道路法70条1項の定める損失の補償の対象は、道路工事の施行による土地の形状の変更を直接の原因として生じた隣接地の用益又は管理上の障害を除去するためにやむをえない必要があってした通路、みぞ、かき、さくその他これに類する工作物の新築、増築、修繕若しくは移転又は切土若しくは盛土の工事に起因する損失に限られ、道路工事の施行の結果、危険物の保管場所等につき保安物件との間に一定の離隔距離を保持すべきことを内容とする技術上の基準を定めた警察法規に違反する状態を生じ、危険物保有者が右の基準に適合するように工作物の移転等を余儀なくされたことによって被った損失は、補償の対象には属しない(最判昭和58年2月18日)。

5.正しい

収用委員会の裁決のうち損失の補償に関する訴えは、形式的当事者訴訟に類型化される。これを提起した者が起業者であるときは土地所有者又は関係人を、土地所有者又は関係人であるときは起業者を、それぞれ被告として、当事者訴訟の形で争うことになる(土地収用法133条3項、2項)。

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