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  1. 過去問
  2. 年度別
  3. 平成30年
  4. 問3

平成30年-問3 その他

レベル2

問題 更新:2019-01-18 13:22:43

次の文章は、最高裁判所の判例(百里基地訴訟)の一説である。空欄[ ]に当てはまる文章として、妥当なものはどれか。

憲法98条1項は、憲法が国の最高法規であること、すなわち、憲法が成文法の国法形式として最も強い形式的効力を有し、憲法に違反するその余の法形式の全部又は一部はその違反する限度において法規範としての本来の効力を有しないことを定めた規定であるから、同条項にいう「国務に関するその他の行為」とは、同条項に列挙された法律、命令、詔勅と同一の性質を有する国の行為、言い換えれば、公権力を行使して法規範を定立する国の行為を意味し、したがって、行政処分、裁判などの国の行為は、個別的・具体的ながらも公権力を行使して法規範を定立する国の行為であるから、かかる法規範を定立する限りにおいて国務に関する行為に該当するものというべきであるが、国の行為であっても、私人と対等の立場で行う国の行為は、右のような法規範の定立を伴わないから憲法98条1項にいう「国務に関するその他の行為」に該当しないものと解すべきである。・・・原審の適法に確定した事実関係のもとでは、本件売買契約は、[ ]
(最三小判平成元年6月20日民集43巻6号385頁)

  1. 国が行った行為であって、私人と対等の立場で行った単なる私法上の行為とはいえず、右のような法規範の定立を伴うことが明らかであるから、憲法98条1項にいう「国務に関するその他の行為」には該当するというべきである。
  2. 私人と対等の立場で行った私法上の行為とはいえ、行政目的のために選択された行政手段の一つであり、国の行為と同視さるべき行為であるから、憲法98条1項にいう「国務に関するその他の行為」には該当するというべきである。
  3. 私人と対等の立場で行った私法上の行為とはいえ、そこにおける法規範の定立が社会法的修正を受けていることを考慮すると、憲法98条1項にいう「国務に関するその他の行為」には該当するというべきである。
  4. 国が行った法規範の定立ではあるが、一見極めて明白に違憲とは到底いえないため、憲法98条1項にいう「国務に関するその他の行為」には該当しないものというべきである。
  5. 国が行った行為ではあるが、私人と対等の立場で行った私法上の行為であり、右のような法規範の定立を伴わないことが明らかであるから、憲法98条1項にいう「国務に関するその他の行為」には該当しないものというべきである。
  解答&解説

正解 5

解説

本問は、百里基地訴訟を題材としている。
背景として、航空自衛隊基地として利用する予定地を基地反対派に売却したところ、売買代金が支払われなかったことから、売主が契約を解除した後、当該土地を国に売却し、反対派に登記抹消手続きを求めた。
この訴訟について判例は、「・・・原審の適法に確定した事実関係のもとでは、本件売買契約は、[国が行った行為ではあるが、私人と対等の立場で行った私法上の行為であり、右のような法規範の定立を伴わないことが明らかであるから、憲法98条1項にいう「国務に関するその他の行為」には該当しないものというべきである]」(最判平成元年6月20日)とした。

1.妥当でない

判例は、本肢のように述べていない。

2.妥当でない

判例は、本肢のように述べていない。

3.妥当でない

判例は、本肢のように述べていない。

4.妥当でない

判例は、本肢のように述べていない。

5.妥当である

国が行う私法上の行為は、憲法98条1項にいう「国務に関するその他の行為」にはあたらず、私法上の行為には憲法9条は直接適用されない。そして、憲法9条が明らかにする国家の統治活動に対する規範は、そのままの内容で民法90条にいう「公の秩序」の内容を形成し、それに反する私法上の行為の効力を一律に否定する法的作用を営むということはなく、私法的な価値秩序のもとで確立された私的自治の原則、契約における信義則、取引の安全等の私法上の規範によって相対化され、「公の秩序」の内容の一部を形成するとされた。

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