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平成18年-問22 行政法 地方自治法

問題 更新:2019-04-25 13:49:38

条例制定権の限界に関する次の記述のうち、法令および最高裁判所の判例に照らして、妥当なものはどれか。

  1. 河川法の適用されない普通河川の管理について、条例により河川法が同法の適用される河川等について定めるところ以上に強力な規制をすることは許されない。
  2. 財産権の行使については国の法律によって統一的に規制しようとするのが憲法29条2項の趣旨であるから、条例による財産権規制は、法律の特別な授権がある場合に限られる。
  3. 条例によって健全な風俗を害する行為を規制することは許されるが、規制の程度、態様等によっては、他の地方公共団体との関係で平等原則違反が問題になる。
  4. 故意に一定以上の騒音を発する者に対し、条例で騒音を発する行為の中止を命じる規定を設けた場合、併せて一定額の過料を科すことを通告して義務の履行を促すことができる。
  5. 条例によって地方公共の安寧と秩序を維持する規制を行うことは許されるが、国の法令による規制とその目的が同一であったり、部分的に共通するような規制を行うことは許されない。

正解1

解説

1.正しい。

河川法は、河川をその公共性の強弱の度合に応じて適用河川(1級、2級)、準用河川及び普通河川(同法の適用外)に分けており、同法では、この区分けに沿って河川管理をする旨が定められている。
そして、条例で普通河川について、適用河川及び準用河川以上に強力な河川管理の定めをすることが許されるかについて判例は、「河川法は、普通河川については、適用河川又は準用河川に対する管理以上に強力な河川管理は施さない趣旨であると解されるから、普通地方公共団体が条例をもって普通河川の管理に関する定めをするについても・・・中略・・・河川法が適用河川等について定めるところ以上に強力な河川管理の定めをすることは、同法に違反し、許されないものといわなければならない。」(最判昭和53年12月21日)としている。

2.誤り。

判例は、法律の特別な授権がなくても財産権を制限する条例の制定を認めている(下記判例参照)。
「ため池の破損、決かいの原因となるため池の堤とうの使用行為は、憲法でも、民法でも適法な財産権の行使として保障されていないものであって、憲法、民法の保障する財産権の行使の埒外にあるものというべく、従って、これらの行為を条例をもって禁止、処罰しても憲法および法律に牴触またはこれを逸脱するものとはいえないし、また右条項に規定するような事項を、既に規定していると認むべき法令は存在していないのであるから、これを条例で定めたからといって、違憲または違法の点は認められない。」(奈良県ため池条例事件:最大判昭和38年6月26日)

3.誤り。

「憲法が各地方公共団体の条例制定権を認める以上、地域によって差別を生ずることは当然に予期されることであるから、かかる差別は憲法みずから容認するところであると解すべきである。・・・中略・・・その取扱に差別を生ずることがあっても、所論のように地域差の故をもって違憲ということはできない。」(東京都売春取締条例事件:最大判昭和33年10月15日)

4.誤り。

軽微な過去の違反に対する制裁目的にて科す過料は秩序罰として条例で設けることはできる(地方自治法14条3項)。
しかし、本肢は「過料を科すことを通告して義務の履行を促す」という文言から、秩序罰ではなく執行罰に該当するものであり、執行罰は条例で設けることできない。

直接強制、執行罰などの古典的な行政上の義務の履行確保手段は、いずれも条例で定めることはできないと解されている(通説)。
これは、行政代執行法1条では「行政上の義務の履行確保に関しては、別に法律で定めるものを除いては、この法律の定めるところによる。」としているのに対し、行政代執行法2条では「法律(法律の委任に基く命令、規則及び条例を含む。以下同じ。)により・・以下略・・・」としており、2条ではわざわざ条例を含むと言及されていることに照らすと、1条の「法律」には、条例は含まれないと解するのが自然な解釈だからである。

5.誤り。

法律で定めていないことを定める条例を一般に「横出し条例」といわれるのに対し、法律より厳しい基準を定めた条例は「上乗せ条例」と言いわれる。
地方自治法14条1項では、法令に違反しない限りにおいて条例の制定を認めており、法令に違反しているかどうかについてはそれぞれの趣旨、目的、内容及び効果を比較し、両者の間に矛盾牴触があるかどうかによって判断がされ、矛盾牴触が無ければ「上乗せ条例」も認められる(下記判例参照)。 「特定事項についてこれを規律する国の法令と条例とが併存する場合でも、後者が前者とは別の目的に基づく規律を意図するものであり、その適用によって前者の規定の意図する目的と効果をなんら阻害することがないときや、両者が同一の目的に出たものであっても、国の法令が必ずしもその規定によって全国的に一律に同一内容の規制を施す趣旨ではなく、それぞれの普通地方公共団体において、その地方の実情に応じて、別段の規制を施すことを容認する趣旨であると解されるときは、国の法令と条例との間にはなんらの矛盾牴触はなく、条例が国の法令に違反する問題は生じえない」(徳島市公安条例事件:最大判昭和50年9月10日)

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