法律系の学歴の有無等
無し
行政書士試験の受験回数
1回目
他の法律系試験の受験経験等
(司法試験・司法書士試験以外は保有資格)
無し
学習期間 / 学習時間
5ヶ月/600時間以上~700時間未満
試験の結果
合格
合計 192 (五肢択一/96点、多肢選択/20点、記述/40点、一般知識/36点)
記述式の内容
問44:
公の施設と呼び、条例に基づき議会の議決を経て決定される。指定管理団体と呼ばれる。
問45:
詐害行為取消権に基づき、Bを被告として、Xの債権額を限度に価格賠償を求める訴訟を起こす。
問46:
(Yが善意のときは、)単に所有権がXに属しないことを通知して解除し、
(Yが悪意のときは、それに加えて、)Yに損害があれば損害賠償をすればよい。
使用教材について
【主要教材】
過去問2種(合格道場・早稲田経営出版)

【補助教材】
合格道場の練習問題
法律用語辞典(自由国民社)
法学入門(伊藤真)
憲法入門(伊藤真)
民法入門(伊藤真)
条文シリーズ 民法1(伊藤真)
条文シリーズ 民法2(伊藤真)
1分マスター行政書士・重要条文編(伊藤塾)
1分マスター行政書士・判例編(伊藤塾)
ケータイ行政書士(三省堂)
行政書士判例集(TAC)
その他、中古の予備校教材いろいろ(ヤフオク)
インターネット内の情報(google検索より)

【模擬試験】
最強の模試(東京法経学院)
予備校の模試パック5回(大原簿記学校)
全国公開模試(TAC)

【自分だけの最強アイテム】
自己作成ノート(猫、通ります)
試験の感想等コメント
高卒・法律知識ゼロから、予備校に通わずに5ヶ月ほどで一発合格できました。
ただし、本当にきつかったです。
平日は3時間、休日は8~10時間、直前期は別枠で時間をとらせていただきました。
理解してくれた家族の協力にとても感謝しています。

振り返ると、非効率で、無駄な勉強もたくさんしていたことに気がつきました。
可能なかぎり最短で合格したいならば、予備校を利用したほうがよかったかもしれません。
お金をかけずに、独学で合格することこそが至上!という主義者をたまに見かけますが、はたしてどのような美徳感覚なのか、僕には理解できませんが、経済的な理由からしかたなく独学を選ぶということなら理解できます。

ただし、あまりにも出費を惜しんでしまうと、本当に必要な勉強ができなくなってしまい、1年という時間が無駄になりかねません。
時は金なり、ですから、そこはよく考えておくべきです。

僕も予算的な理由から独学を選びましたが、ここでは実際に行った方法から、あきらかに無駄だったことは省き、やってよかったことだけを書きます。
まったくの法律知識がない場合の勉強方法だと思ってください。

①最初から細かい勉強をしない。
まずはざっくりと大きく、おおざっぱに学習内容の全体像をつかみます。
これに最適なものは、インターネットで視聴することができる、 大手資格予備校の行政書士講座の体験版の無料講義です。
どこの予備校であっても、一回目の講義というのは、行政書士試験がどういうものか、試験の傾向や難易度、各科目の全体像、どんな勉強をすればよいのか、というものがしっかりと説明されるのが通常です。
いろいろな学校が無料講義動画を配信していますが、大手資格学校のものを2つくらい観れば十分でしょう。
無料講義は、たいてい90分ほどなので、2つ視聴しても3時間程度です。

②とりあえず直近の過去問を見る
合格道場の無料の過去問でよいので、 去年の過去問の問1~問60を見てください。
解かなくていいです。
問40までは、五肢択一問題、 問44~は記述式の問題、 問58~は国語の読解問題になっています。

ただ、問58~の文章読解問題は、今すぐにでも実際に解いてみるのもよいと思います。
毎年、最後の3問は国語の読解問題です。
本文を読んで、それに合う内容を答えさせるような問題です。
これが楽に答えられるかどうかによって、一般知識対策の仕方が大きく変わってくるのです。

もし、読解問題が得意であるならば、一般知識対策は試験の直前期に詰め込む形にし、読解問題が苦手であるならば、法令科目と平行して、学習の初期段階から一般知識対策をするべきです。

③それでも、まだ細かい勉強をしてはいけない
①と②で行政書士試験のことがある程度理解できたら、法律の勉強に入ります。
しかし、法律用語というのは、まるで日本語に思えないようなものばかりです。
これらを短い時間で理解していくには、大きな勉強から始めてください。
法律全体を俯瞰(ふかん)するということです。
俯瞰する、というのは、上空から地上全体の風景を眺めるようなイメージです。
もう少し、別の言い方をします。
例えば、ぬり絵を想像してください。
あらかじめ線で輪郭(りんかく)が描かれていますよね。
どんなに絵の才能がない人でも、ただそこに色をぬっていけば、それなりの絵を完成させることができます。
ところがこれがもし、最初に線が描かれていなかったら、とても大変ですよね。
絵の才能がある人は別としても、僕のような素人では、自分が何を描いているのかすら、わからなくなってしまいます。
法律の勉強もそうで、最初に大きく勉強して、とりあえずは一周してしまうのです。
まずは、おおまかな知識で法律全体の輪郭を描いてしまう、ということです。
そのあとで、ゆっくりと細かい知識をいれていったほうが、知識がまとまりやすくなります。
最初から過去問に取り掛かったり、詳しくて細かい勉強を始めてしまうと、輪郭のないぬり絵のように、途中で自分が何をやっているのかわからなくなってしまうのです。

このために最適な教材は、基本書やテキストではありません。
もっともっと基礎的な、初学者用の入門書です。
オススメは、伊藤真の入門シリーズ(法学入門・憲法入門・民法入門)です。
入門シリーズが難しいと感じる場合には 『弁護士が教える分かりやすい「民法」の授業 』(光文社新書) をためしてください。
新品でも数百円で購入できます。
これでもわからない場合は、法律系のマンガをためしてください。
それでもわからない場合は、道場の掲示板に質問を書き込むか、書き込みに抵抗があるならば、僕にメールをください。
教えることは勉強になるので、よろこんで回答させていただきます。
掲示板のアドバイザーとして在籍させていただくことになりましたので、掲示板でも鋭意回答させていただきます。

④基本書と過去問で知識を入れていく。
①~③までの準備ができたところで、ようやく知識を入れていきます。
ぬり絵をぬっていく、ということです。
基本書(テキスト)は市販のものでも、道場のものでも、予備校のものでも何でもよいです。
ご自身が読みやすそうなものを選んでください。
なぜなら、ほとんどの基本書は、過去問の解説を、多少詳しくして体系的に並べてあるだけで、内容の違いがあまり無いからです。
テキストを読んでいて、読めない漢字やいまいちわからない用語、あいまいな部分はどんどんノートに抜き出しおいてください。
(ノートについては後述します)

過去問は、早めに取り掛かったほうがよいです。
テキストを数ページ読んだら、すぐに該当箇所の過去問を解くような方法がよいと思います。
過去問は、合格道場には無料で解説まで読むことができますが、かならず合格道場以外のしっかりとした過去問集を買って、合格道場の過去問と同時に併用してください。
同じ問題でも、違った視点の解説を読むことによって、より理解が深まるからです。

⑤模試はできるだけ多く受ける

直前期になると、どの予備校も模試を実施します。
資金に余裕があれば、できるだけ多く受けてください。

模試の結果が悪かったとしても、まったく気にしないでください。
僕は公開模試を6回受けましたが、基準点を突破できたのは1回だけです。

ただし、正答率が40%を超えるような問題を間違えた場合には、徹底的に理解する必要があります。

逆に、正答率が40%以下のような問題は深追いしない。
直前期になってマイナー論点に手を広げると、今まで自分が勉強してきた自信や、まとまりつつある知識が崩れていきます。

正答率の高い問題だけをしっかりと復習して、必ずノートに残してください。

【自己作成ノートが最強教材である理由】
全ての教材の中で、一番価値の高いものは、自己作成ノートであると思います。
なぜなら、勉強の本質は、自分がわからなかったことを、理解し、それを徹底的に復習することだと気がついたからです。

問題を解くだけの行為は、ただのチェック作業です。
チェック作業だけをしていても勉強とは言えません。

しかし自分が作成したノートには、自分がわからなかったこと、よく間違えることなど、必要なことのみが書いてあるのですから、これ以上に復習に適した教材はないはずです。
『ノートなんて作成する時間がもったいない。必要なことはテキストに書いてあるから十分だ』などという人がいますが、そういう人は、書いて覚えるとう作業をしない人たちなのでしょうか。
僕は、わからない漢字や言葉などは、何度も言葉にしたり紙に書いたりして覚えるタイプなので、どうせ書くなら捨てる紙ではなく、記録に残るノートに書いているだけなのです。

本試験の当日は、そうやって作ったノートのみを持参しました。
直前に、お守りとしてパラパラと10分程度見直すことで、記憶の鮮度を保つことができました。

【移動中の勉強は自己作成ノートを利用する】
移動中は、それほど集中できる環境にいないことがほとんどです。
そのような環境の中では、新しいことを理解することは不向きであり、それよりも一度学習したことを復習することが、最も効果的な勉強方法であると言えます。

そうすると、やはり自己作成ノートが役に立つわけです。
ノートは軽いので、持ち運びはまったく苦になりません。

【ノートの作り方について】
勉強を開始して、最初のうちはどんどんわからないことを書いていきます。
漢字の読み方や、法律用語の意味、なんとか理解できたけどあやふやな論点と法律要件と効果、などなど。
コツは大きな字で、はっきりと書くこと。
そうすると、一冊のノートはすぐに埋まっていきます。

そして、全ての科目の学習が一通り終わったら、また別のノートを用意します。
学習が進んでくると、最初にノートに書いた内容の中でも、完全に覚えてしまっているものもあります。
そういったものを削除して、残った全てを一冊のノートにまとめる。これだけです。

余談ですが、僕は商法・会社法をまったく勉強していません。
というか、間に合わなかった。
本試験でも、適当にマークしました。
どれか適当に当るかな!?と期待しましたが、全てハズレでした。
その代わり、行政法は全問正解でした。ノートのおかげです。

【勉強に必要なもの】
僕が使った補助教材は無駄なものが多かった。
たとえば法律用語辞典などは、ネットで検索すれば出てくるような説明がほとんどでした。
勉強を開始する前に、無知な状態で、勢いのみで購入してしまったのが原因です。
そういった失敗をさけるために、本当に役に立ったものだけを書いておきます。

初学者用の入門書(2冊程度)
基本テキスト(自分に合いそうなもの。内容に大差なし)
過去問集(解説が多いもの)
逐条解説本(民法だけあればよい)
合格革命・記述問題集(早稲田経営出版)
合格道場の会員権(入会時期によって値段が異なる)
市販の模試(最強の模試は解説が詳しい)
会場の模試(早期割引や、数回まとめパックを利用するとお得)
大きなノート10冊程度
筆記用具(マークシート用のシャーペンがあると便利)
耳せん(雑音が気にならなくなる。アマゾンで300円くらい)

以上、4万円でお釣りがきます。
中古に抵抗がなければ、どんどん中古を利用してください。
(オークション・amazonの中古・ブックオフ等)

テキストや過去問の中古教材は、状態によって当たりとハズレがあります。
ただし、書き込みがあるからといって、それだけでハズレとは言えません。
書き込みといっても、単に誤字や誤植を直しているだけのものも含まれるからです。
場合によっては、神がかり的な補足がされている書き込み教材もあったりするのです。

入門書などは、どこの図書館にも常備されていることがほとんどなので、近くに図書館があるならば、勉強する場所の一つとして図書館学習をすれば、わざわざ買うようなこともありません。

さて、長くなってしまいました。
これでも半分に絞ったのですが、文才がなく、上手にまとめることができません。ご容赦ください。
少しでも皆さんのお役に立てればという一心で書かせていただきました。
学習方法に絶対はありません。皆さんがご自身にあった勉強方法を見つけ出せますように。