会員登録で大量のオリジナル練習問題、一問一答、各種テストなどが使えます。問題数3000超。「道場生受験体験記」は必見です!

  1. 掲示板
  2. 平成27年度問32肢5 について

投稿停止中。検索から過去ログ閲覧のみ可。

人生とは生きること さま

23です。

私も、この件の判例としては解説のものよりも、「相手方において、すでに履行拒絶の意思が明確にされている場合には、他方の当事者に履行の提供をなさしめるは相当でないから、提供がない場合でも相手方は同時履行の抗弁権を主張することができない。」(大判大正10.11.9)の方が適切かなと思います。

同時履行の抗弁権が主張できない=Bは履行遅滞をしている、ということになると思います。
KEN!です。
お盆が終わって、ちょっと書き込みの時間が取れなくなってきたので、回答しないことが増えそうですが、今日はちょっと時間があるのでw。

結論から言うと、僕は解説の通りで問題ないと思います。今回の選択肢のポイントは、「Bが金を払わないと言ってきても、Aはとりあえず自分の債務履行(品物を持って行く)をしなければいけないのか?」という部分であり、その根拠は解説にある判例が妥当で、「どうせ履行しようとしても受領をしてくれないのであれば、履行は不可能だし、だったら最初っからやろうとしなくてもいいよ」ということです。
今回の問題文(肢5)をふつうの文章にすれば、「やっぱ買うのやめた=金は払わない、と言い出したお客がいたとしても、まずは準備した品物の受け取りをお願いしなければ、買うといった約束を破られたとしても文句はいえない」と言うことになりますが、これが正しいとすると、勝手にキャンセルしてきた客にも、品物を見せたりして”お願い”しないとキャンセル料も請求できないと言うことになってしまいます。今回で言えば、「品物を運んでいかないと、キャンセル料ももらえない」という感じですが、判例でそれは不公平だと考えたのでしょう。

人生とは生きることさんの疑問に対しては、「相手が勝手なのだから、(現実の提供や供託どころか)口頭の提供すらしなくていい。相手が悪いんだから、自分側の履行を抜きにして損害賠償請求していいよ」という感じでしょう。ここでいう損害賠償は、今回の例なら「キャンセル料」のようなものだと思えばいいと思います。
(※ただし、損害賠償はそれなりに理由と妥当な金額がその時々で必要になるはずで、キャンセルされたらとにかく全額を請求できる、と言うわけではないはずです)

23さんの判例も大事ですが、今回の選択肢ではBが同時履行の抗弁権を主張しているわけではなく(品物を受け取ってないから払わないんだ、という反論とか)、あくまでA側でも提供の意思を見せる必要があるか?がポイントだと思いますので、解説にある判例の方が適切かな、と個人的には思います。もし、その判例に基づいて問題文を作るなら、最後の「Bに対して履行遅滞に基づく損害賠償責任を問うことができない」という文章は「Bは、Aの支払い請求に対して同時履行の抗弁権を主張することができる」という形で出題されるのではないかと思います。

思ったより長くなってすみません。とりあえず。
23です。

KENさんより投稿がありましたので、再度考え直してみました。

私は、やはり、問32肢5の問題については、先程投稿した判例(大判大正10.11.9)の方が適切と考えます。

解説にあった判例(最判昭35.6.5)は、債務者が債権者に対し(債権者の行為と対比して)どれだけの行為をすれば、債務の本旨に従った弁済の提供となるのか、(つまり、債務者が行った弁済の提供などの行為が492条に該当すると認められば、債権者から債務不履行責任を問われない状態となります。)を判例上の要件として示したものと理解します。

この肢5は、債務者としてどの程度の行為をすべきか、ということを聞いてるのではなく、契約の相手方に「履行遅滞」の責任を問うに当たり、自己の債務の弁済の提供をしなくてもよいのか、ということを聞いています。

KENさんより、「Bが同時履行の抗弁権を主張しているわけではなく、」とありましたが、相手方の履行遅滞の責任を自己の弁済の提供なくして問うわけですから、Bに同時履行の抗弁権がないこと、仮にBに同時履行の抗弁権があってもAに主張できないことは、本問で1番重要なポイントになると思います。

余談になりますが、「ここでいう損害賠償は、今回の例ならキャンセル料のようなものと思えばいい」とのことが書いてありましたが、肢5では、あくまで履行遅滞に基づく損害賠償請求ですので、もっと少ない遅延損害金レベルになるのではないでしょうか。

長くなりましたが、人生とは生きることさんや私にしろ、本肢の解説の判例としては違和感を覚える者がいるので、道場の方が指摘していただけたら幸いです。


こんにちは。 現在の僕の部屋の温度は32度を超えてるみたいです。

それで、この肢5の履行遅滞に基づく損害賠償について考えました。 すると、この場合、代金の支払いが遅延していることによる損害ということになります。

相手が、商品の引取りを拒否しているときに、代金の支払を請求できるのでしょうか? この場合、結局、解除に基づく損害賠償請求ということになるのではないでしょうか?

遅延損害金説(多数説)というのがありました。
これは、少なくとも、引渡しがなければ、代金の遅延損害金は生じないという説であると思います。
人生とは生きることさま

23です。

この事例では、「Bが正当な理由なく売買代金の支払をする意思がない旨を明確に示した」とありまして、売物の電器製品を受け取らないとは言ってないんですよね。

Bは金があるのに払わないと言ってるのか、当てにしていたボーナスが入らなかったから払えないと言っているのか、この問題文では分かりません。いろんなパターンがあると思いますが、後者の場合で、何らかの都合(例えば親の援助)によって、やっぱり払えるようになったので売ってほしいということはあるかもしれません。その場合、AはBに履行遅滞による損害金も合わせて請求できるでしょう。

問題は、履行遅滞による損害賠償請求ができるかどうかしか聞いてないので、最終的には解除になるのではないかとか深く考えすぎてもキリがないのではないのでしょうか。



問題点は
① 履行遅滞の発生
② 金銭債務の履行遅滞による損害とは何か
③ 遅延損害金説や法定金利説

①の履行遅滞の発生
・ 同時履行の抗弁権が存在する場合は、履行遅滞とならない。
・ 自己の債務の提供を継続中に限り、相手方は同時履行の抗弁権を行使できない。(最判昭和34・5・14)
・ 解除の前提としての履行の提供は継続する必要はない。(大判昭和3・5・31など)

僕のもらった本(昭和62年発行)では、「大判大正10・11・9」 については、
自己の債務を提供せずに催告・解除ができる場合の判例としか説明はありません。

何が言いたいかというと、債務の提供を継続せずに、履行遅滞の継続を主張できるのかという疑問です。

② 金銭債務の履行遅滞による損害とは何か
金銭債務の特則(419条)があるので、 履行遅滞の日数×法定利率 となると思う。

③ 遅延損害金説や法定金利説
これによると、どちらも、前提として、引取りがなければ、遅延損害金又は法定金利を請求できない。
(この問題点は、不特定物についてもいえるのかどうかが、僕にははっきりしていないことです。)

以上が、僕の現状です。
こんばんは。
実は私はこの問題を落としました。でも、道場の解説を読んで、納得しました。人生とは生きることさんや23さんのひとつひとつのご指摘にお応えする知識も、文章力もありません。今回のやりとりはかなりこんがらがっていて、正直、私はついていけていません。
今回は、私なりにどのように理解したかを整理してみました。こんなふうに理解した人もいるという程度に読んでくださいね。長文失礼します。

********
AがBに対して電器製品を売却する旨の売買契約(両債務に関する履行期日は同一であり、AがBのもとに電器製品を持参する旨が約されたものとする。以下、「本件売買契約」という。)に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、誤っているものはどれか。

肢5 履行期日になってBが正当な理由なく売買代金の支払をする意思がない旨を明確に示した場合であっても、Aは、電器製品の引渡しの準備をしたことをBに通知して受領を催告しなければ、Bに対して履行遅滞に基づく損害賠償責任を問うことができない。

********
[問題文の整理]
①Bは受領拒否の意思明確に表示
②「通知して受領を催告(=口頭の提供)」がキーワードっぽい。
③「履行遅滞に基づく損害賠償責任」を問うための要件が問われている。
  ⇒契約解除については考えなくてよい。
  ⇒損害賠償額については考えなくてよい(損害金なども考えなくて
   よい)。

[関連条文]
・第四百九十二条  
 債務者は、弁済の提供の時から、債務の不履行によって生ずべき一切の
 責任を免れる。
・第四百九十三条  
 弁済の提供は、債務の本旨に従って現実にしなければならない。 ただし、
 債権者があらかじめその受領を拒み、又は債務の履行に ついて債権者の
 行為を要するときは、弁済の準備をしたことを 通知してその受領の催告を
 すれば足りる。

[正解肢にたどりつくまでの思考過程]
(1)492条より、弁済を提供すれば、Bに同時履行の抗弁権が
   なくなる。
   ⇒Aは弁済を提供すれば、履行遅滞に基づく損害賠償責任を問える
    立場になる。
   ⇒同時履行の抗弁権についてはこの問題では考えなくてよい。
(2)「Aが「弁済を提供」したと解されるためには、『通知&受領の催告
   (=口頭の提供)』が必要か?」を考えればよい。
(3)今回は、493条の「債権者があらかじめその受領を拒み」にあたる
   ケース。
(4)493条だけ見ると、「通知&受領の催告」が必要なように読める。
(5)一方、道場解説引用の最大判昭和32年6月5日の判例は、
   弁済の提供は原則として現実にすることが必要だが(民法493条
   本文)、債権者が弁済の受領をしない意思を明確にしているときは、
   債務者は、口頭の提供もする必要はない(最大判昭和32年6月5日)。
    ⇒この判例は、「意思が明確」だったら、「口頭の提供」は不要と
     している。
    ⇒つまり、この判例は493条の修正(補足?)だと考えれば
     よい。(493条が修正されるケースもある!)
(6)この問題では、Bは、受領拒否の意思を明確に表示。
    ⇒上記判例をあてはめて考えてよいケース。
(7)結論:「口頭の提供」は不要だから、「Bに通知して受領を催告
   しなければ~問えない」としている部分が誤り。
   これが正解肢となる。

私が間違えた(肢5を正しい記述だと思った)のは、判例を覚えていなくて、493条をそのままあてはめて考えたからでした。。「道場の方」でもないのに、でしゃばって、ごめんなさい。

があこ さま

23です。

投稿、非常に参考になります。合格者の実際の現場の思考過程なんて、そうそうお目にかかれるもんじゃないので、この掲示板は本当に貴重ですよね。

私は、そういった回答に至るまでの思考過程を楽しみにこの掲示板を覗いたり、また、自分の意見を投稿しています。極端な話し、どーせ択一問題なんか正解は一つなんだし、回答に至るまでのプロセスだって大体のところがとらえられてれば、それでいいんじゃないの、って思ってるんですよね。

これからもいろんな解説楽しみにしてますので、よろしくお願いします。
があこさん、こんにちは。 

その他に気づいたことを書きます。
Aの債務は持参債務と読めます。
持参債務の場合、持参債務の提供がない場合、持参債務者の履行遅滞になるそうです。(確かめていません)

だから、Bが代金不払意思を明確にしている時は、Aは商品の提供をしなくても、Aは債務不履行にならないと説明しているとする判例が多いと思われる。
しかし、このとき、Bが履行遅滞になるという説明を見ない。

それから、
----
③「履行遅滞に基づく損害賠償責任」を問うための要件が問われている。
  ⇒契約解除については考えなくてよい。
  ⇒損害賠償額については考えなくてよい(損害金なども考えなくて
   よい)。
----
についてですが、損害賠償額については考える必要があると思います。つまり、損害があるのかないのかについて。 なぜなら、損害がなければ損害賠償責任は問えないと思います。
人生とは生きることさん、おはようございます。

私は、あくまで、私はこの問題を解くときにここに注目して考える、ということをお伝えしたつもりでした。

繰り返しになって申し訳ないのですが、この肢の「履行遅滞に基づく損害賠償責任を問うことができない」という部分から、「履行遅滞が発生して、損害が発生して、その責任を問う場面を想定しているのだ」と読み取ります。ですから、履行遅滞になったかどうか、損害が発生したかどうかという点については、私は考えません。また、問題柱文と肢からは読み取ることはできない(さらに言えば、これらを考えることを出題者は求めていないだろう)とも思います。また、肢1と肢3にも「履行遅滞に基づく損害賠償責任を問うことができない」とあることからも、この部分の正誤を考えて正解肢を選ぶことを意図した問題ではないとも思います。結果、着目点は「口頭の提供」だと考えます。そして、これは道場の解説と同じ立場だと思います。

私のアプローチが、この問題を解くときに絶対に正しく、これしかありえないと言っているつもりではありませんし、これがすべての場合にあてはまると言っているつもりでもありません。人生とは生きることさんがひっかかっていらっしゃる部分に注目して考えることで正解肢が導ければ、それでよいと思いますよ。

***おまけ
私の目標は試験合格でした。本試験では180分で60問を解きますが、てこずる問題もきっとあるだろうから、5肢択一でマークシート塗りまで終えるための1問あたりの目標時間を決めないと時間的に厳しいだろうなと思いました。私の頭のCPUの処理速度は高くないし、知識のストックも完ぺきではないので、問題文のすべての部分(すべての語句・表現)をひとつひとつじっくり検証する時間は私にはないと考えました。仕事もあって勉強時間は限られるから、問題文のどの部分に注目すればよいのかを体得していくことも試験対策としては重要だと考え、道場の解説を読むときにそれを意識するようにしました。そんな試験対策もアリではないかとお伝えしているつもりなのですが…。試験対策のやり方も人それぞれ、ということで。
があこさん、おはようございます。

僕が気にすることは、間違った理解をしてはいないか? ということです。 

例えば、「AだからB」 という問題の正誤を判断する場合、その正しい文書が 「CだからB」であったとしたとき、「DだからB」 が正しいと考えても、その問題に関しては乗り切ることができます。 しかし、それは、運がよかったということだと思います。

僕が考える、肢5の正しい文章は、次のようなものです。

「・・・旨を明確に示した場合であっても、Aは、電器製品の引渡しをしなければ、Bに対して履行遅滞に基づく損害賠償責任を問うことができない。」

があこさんのとは全く違うでしょ? しかし、肢5の正誤に関しては、どちらも正解になる。


皆さま

本問は何も難しい事を問うているわけではありません。単純にこのような状況で損害賠償請求が出来るか否かを問うているだけです。
この解説は僕が書きました。
特におかしいとは思っていません。試験は問いがありそれに単純に答えるだけです。
実務では様々な事が起こるでしょうが、試験の問題では試験が問うてる事だけを考えれぱ良いのです。
あまり、難しく考えないで下さい。
こんにちは。
三木先生からの書き込みがありましたし、があこさんから丁寧な説明もあったので、個人的にはこのへんで書き込みを終えたいと思っています(ちょっと忙しくなってきたし)。もちろん、必要があればちゃんと見てますから、そこは心配しないで下さい。

1点、これはきちんと確認した方がいいと思うのですが、2コ前の(三木先生の前の)人生とは生きることさんの「正しい文章は、『・・・旨を明確に示した場合であっても、Aは、電器製品の引渡しをしなければ、Bに対して履行遅滞に基づく損害賠償責任を問うことができない。』」というのは、間違っていると思います。
もし、「正しい」の選択肢にするならば、「・・・旨を明確に示した場合には、Aは、電器製品の引渡しの準備をしたことをBに通知して受領を催告しなくとも、Bに対して履行遅滞に基づく損害賠償責任を問うことができる。」となります。

理由は、解説にあるとおりです。ただ、僕のアタマの中では、これまでの議論を踏まえて解説文を少し並べ替えてみると、「双務契約なので、民法493条本文を踏まえると、Aも原則としては弁済の提供(引渡し)をすることが必要だが、最大判昭和32年6月5日の判例によると、”債権者が弁済の受領をしない意思を明確にしているとき” だけは、債務者は、(現実の提供はもちろんのこととして)口頭の提供ですら、する必要はない。」というふうに読み取ります。そうなれば、この状況になれば、Aの債務(引渡し)については判例によって不要とされるので、残るのはBの債務(支払い)だけ、と言う状況になります。

三木先生がおっしゃるように、疑問はたくさん出せます。債務が履行されていないなら、その扱いは?損害額は?どうやって賠償を受ける?となりますが、それをすべて解説に書くことは不可能です。だから、あくまで「この問題の中心」だけに絞って書いてあるのだと思います。
もちろん、その他の考察が不要という意味ではなくて、それは別の問題で出題されていたり法学の学習で重要だったりするわけですが、「今回の問題の中心」で無い場合は、分けて考える必要があるだろう、ということです。
  1. 掲示板
  2. 平成27年度問32肢5 について

ページ上部へ